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Appleのサブスクリプション戦略、最大の敵は「限りある時間」かもしれない(松村太郎)

後発とはいえ遅くはない?

松村太郎(Taro Matsumura), @taromatsumura
2019年3月27日, 午前07:30 in Apple
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Appleは米国時間3月25日、米国カリフォルニア州クパティーノにある本社Apple Park内のSteve Jobs Theaterで、サービス部門に属する5つの新サービスを発表しました。今一度、その内容を簡単にまとめると以下のようになります。
  • 「Apple News+」:300もの雑誌が月額9.99ドルで読み放題になる、モバイルに再デザインされた雑誌購読サービス。日本での導入は未定。
  • 「Apple Arcade」:ダウンロード型で良質な100本以上のモバイルゲームが遊び放題になるサブスクリプションサービス。2019年秋に150か国以上でスタートされることから、日本も利用できる可能性が高いはず。Apple Arcade開発者になるには、これまでのApp Store向けアプリ開発者とは異なる審査が必要となる。
  • 「Apple Card」:Apple、Goldman Sachs、Mastercardの3社連携による、iPhoneだけで即時に発行できるクレジットカードサービス。年会費、遅延損害金、利用限度超過などの手数料を廃止し、より低い金利が設定されている。Apple Payでは2%、Appleとの直接取引では3%の利用金額に応じたキャッシュバックが毎日受け取れるのも特徴。リアルカードの発行もでき、実カードはチタン製とのこと。
  • 「Apple TV Channels」:Apple TVアプリを通じて観たいチャンネルだけを継続して楽しめるサービス。既存のケーブルチャンネルに加え、MTV Hitsのような新しいチャンネルも登場する。世界各国で新チャンネルが追加される見込み。今年5月からスタート。
  • 「Apple TV+」:Appleのオリジナルコンテンツが楽しめる映像サブスクリプションサービス。オプラ・ウィンフリー、スティーヴン・スピルバーグ、J・J・エイブラムスら有力なクリエイターが独自の番組や映画、ドキュメンタリーを制作。2019年秋スタートで、日本でも視聴可能になる見込み。


競合と渡り合えるか?

さて、今回発表されたAppleの独自のサブスクリプションサービスに対しては、「どれだけ戦えるのか」という点に疑問を投げかける見方も少なくありません。最後発で、いきなり競合と同様のカタログを揃えることが現実的ではないこともあり、始めから魅力を放つことができるのかが不透明だからです。

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今、気に入っている番組をNetflixやPrimeビデオで観ているiPhoneユーザーは、Appleのサービスが開始されたら乗り換えるのか、正直それは難しそうに思えます。ただ、ストリーミングのサブスクリプションサービスをまだどこも使ったことのない人がたくさんいたら、どうでしょうか。

米国市場を見ると、実はこれからが勝負

実際、米国のケーブルテレビ契約者数は2018年にやっと1億件を下回ったばかりのレベルで、まだ9200万もの契約が残っています。ケーブルテレビの契約をやめてネットストリーミングに移行する、いわゆる「コードカッター」(Cord Cutter)はまだ330万人程度。Appleが後発でも十分商機が残されていることがわかります。

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別の角度からも、Appleの可能性を見いだせます。コードカッターの重要な動機は、映像サービスに支払うコストカット。ストリーミングに切り替えることで、ケーブル契約で毎月平均203ドルを支払っていたコストが毎月平均118ドル、およそ半分に減少するそうです。

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しかし、依然として月額118ドルは支出しているのです。例えば1つのサブスクリプションが10ドル程度だとすれば、すべてをネット経由に変えると、10程度のアプリを購読できることになります。この消費者の傾向を見れば、Apple TV+が10のストリーミングサービスのうちの1つになる可能性はそう低くないとみていいのではないでしょうか。

重要なApple TVアプリ

Apple TV+はApple独自のビデオサブスクリプションサービスですが、より重要になるのは「Apple TVアプリ」です。

これまでApple TVアプリは、10の国・地域で提供されてきましたが、それを一気に150か国以上へと押し広げ、先述のApple TV Channelsで、追加アプリ不要の各種ストリーミングコンテンツを楽しめるようにしています。

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このアプリはいわば、デジタル・ストリーミングビデオ時代の番組表、あるいはナビアプリです。好きな番組をアプリやチャンネル横断的にお気に入りに追加したり、視聴リストに入れたり、検索したりできるようになっています。

確かにApple TV ChannelsやApple TV+の契約者を獲得する重要な窓口ではあるのですが、それ以上に、先述のコードカッティングを促進させる、便利でよくできたソフトウェアとしての意味合いが強いのではないでしょうか。

Apple TV+が後発でも競合に勝てるのかというより、そもそものコードカッティング人口を増やすべく、強豪と共存するフェイズにあるのです。

では、最大の敵は?

Appleは今回のイベントで、映像のApple TV+以外にも、雑誌のApple News+、ゲームのApple Arcadeといったサブスクリプションを打ち出しました。もちろん、既存のApp Storeで配信されるゲームやSNSなども、これまでどおりiPhoneで楽しまれ続けるでしょう。

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ここで重要になってくるのは、我々の時間には限りがあるということ。

こうした情報に触れたり、エンターテインメントを楽しんだりする時間が無尽蔵にあるわけではなく、仕事や勉強、子育て、家族や友人と過ごす時間、睡眠といった「他にやること」とサブスクリプションサービスに費やす時間とを上手く共存させなければなりません。

また、別の矛盾も孕んでいます。Appleは昨年iOSに「スクリーンタイム」──スマホやタブレットの画面を見ている時間を計測して生活習慣を改められるようにする機能──を導入しました。しかしサブスクリプションサービスは当然スクリーンタイムなわけで、むしろスクリーンタイムを増やします。

まだまだ移行期ではあると思いますが、Appleは意外とこの「可処分時間のマネジメント」に悩むことになるかもしれませんね。





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