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新iPad mini / iPad AirとApple TV+に見る「さりげなく深い関係」(本田雅一)

あえて言わないApple流の美学

本田雅一, @rokuzouhonda
2019年3月27日, 午前09:00 in Apple TV+
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Appleが米カリフォルニア州クパチーノで開催したApple Special Eventの前の週、iPad miniとiPad Airの最新モデルが発表されたことに驚いた方もいたかもしれません。てっきりSpecial Eventでこれらのハードウェアが発表されるのではないか? と思っていましたからね。



しかし、Special Eventは一貫してサービスの話。

どのサービスも大変に魅力的で、特にApple Cardは是非とも日本でも発行してもらいたい(なんとチタン製のカードだとか)ものだと思いましたし、Apple News+も単に雑誌を定額で読めるだけでなく、iPhone/iPadに最適化したレイアウトやアニメーションを駆使し、一般的な雑誌とは異なるメディアに仕上げられている点などは興味深いものでした。

ただ、いずれも日本でのサービスは(当面の間)期待薄でしょう。Apple Cardはパートナー企業さえ見つかっていれば、そう遠くない未来に何かがありそうですが、Apple News+に関してはベースとなっているApple Newsそのものがアメリカ以外では展開されていません。日本語コンテンツが、ほぼ日本市場でしか読まれないことを考えれば、映像作品やゲームのように簡単には日本でのサービス開始......とはならないでしょう。

とはいえ、Apple TV+に関しては魅力的なコンテンツが多く、同じく日本人クリエイターやパブリッシャーも参加しているApple Arcadeに関しては大いに期待したいところです。

各サービスの全貌については別記事に譲るとして、僕はちょっと違う視点でこれらの発表......特にApple TV+、Apple Arcade、写真をたっぷり使った雑誌コンテンツがあるApple News+を現地で見ていました。これらサービスの発表直前に、新型のiPad mini/iPad Airが登場したことは、決して偶然ではないと思うのです。


保証されたディスプレイの質と、オーソライズされたコンテンツ

今回Appleが発表した各種サービスで配信されるコンテンツは、いずれもきちんとオーソライズされたものばかりです。

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Apple News+で配信される雑誌であれば、商業レベルの素晴らしい写真をプロのデザイナーが美しくレイアウトし、それを多様な画面サイズのデバイスで最適に表示できるよう工夫されていますし、なによりも色、コントラストなど、視覚に訴える部分での品質がコントロールされています。

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▲Apple News+では9.99ドルを毎月支払うだけで米国で発刊されている雑誌300以上が読み放題に。単なる紙の置きかえではなく、iPhone/iPadの画面に最適化されたレイアウトに

Apple Arcadeで提供される"エクスクルーシブ"、すなわちAppleのiOS向けのみに提供されるゲームについても、アーティスティックな表現が用いられているものが多く、所々にHDRレンダリングを活用しているのではないか? と思われる表現も見かけられました。

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▲Apple Arcadeで配信されるゲームの一部。いずれもトップクラスのクリエイターが制作しているとういう

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▲Apple Arcadeにはファイナルファンタジーの制作者として知られる坂口氏が取り組んでいるジオラマ実写映像に3Dグラフィクスを合成する新作ゲームも含まれるという

そしてApple TV+で配信される映像作品は、少なくともデモ画面での作品紹介で見る限り、4K/HDRで制作が行われているようです。クリエイターはおそらく、AppleデバイスやHDR対応テレビにおいて、最適な表示となるよう作品をグレーディングしていることでしょう。MacからもApple TVが利用可能になるのも、僕のように出張の多い人間にはありがたい話です。

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▲Apple TV+で配信される、朝帯番組が舞台のドラマ The Mornning Show に出演するリース・ウィザースプーンとジェニファー・アニストン ※編集部訂正:初出時、The Morning Showを朝帯番組と紹介していましたが、正しくは朝番組が舞台のドラマです。

さて、これらのこととiPadに何が関係あるのか。

新型のiPad mini / iPad Airは、いずれも色再現域としてディスプレイP3に対応し、最大450nitsの輝度までを再現、True Tone対応で表示できるとされています。iPhoneも近年の製品は(最大輝度こそ若干異なるものの)ディスプレイのスペックは同様で、ついでに言えばMacもMacBook ProならばディスプレイP3に対応しています。

ディスプレイP3は、4K/HDR作品で使われるBT.2020よりは少し狭い色域なのですが、そもそも映像作品の多くはデジタルシネマ向けにDCI-P3(ディスプレイP3の元になった規格です)を基準に制作されているため、色表現にまったく問題はありません。

iPad Air & iPad mini(2019)

つまり、Appleのエコシステム全体を見渡すと、MacBook Pro以外のMacとiPad(第6世代)を除くすべてのデバイスが、今回発表された高精細、広色域、広ダナミックレンジのコンテンツを、制作者が意図したとおりの印象で表示できるのです。ユーザーはもっとも適した状態で、まったく何も意識せずにコンテンツを楽しめます。

ちなみにこのことに関して、Appleは一言も発言していません。

なぜなら、見て、感じたことが全てだからです。AppleはiPhoneやiPadのディスプレイを"正しく調整している"とは言っていますが、コンテンツ配信を含めたエコシステム全体での品質について、どうコントロールしているかは話しません、

説明しなかったとしても、気付く人は気付くでしょうし、気付かない人には無理に押しつけないというのが彼らの姿勢なのかもしれません。

"ハード+ソフト+サービス"の価値へさらに"コンテンツ"をプラスして生み出だされるもの

僕は仕事で映像作品の評価なども行っているため、普通の人よりは画質にうるさいほうだと思います。あるいは写真家や写真が好きな人にとってみれば、自分が撮影した写真、あるいは好きな写真家が撮影した写真、さらには雑誌などで見かける写真の画質、美しさに目を奪われることもあるでしょう。もし、それらの品質に疑問があれば残念な気持ちになることもあるはずです。この感覚は細かなディテールにまで拘って世界観を作り込んだゲームの世界などにも言えることかもしれません。

そうした感性に訴える部分に、果たしてどのぐらいの価格的な価値があるかは、ひとそれぞれだと思います。しかしながら、こだわりを持っているのはユーザーだけではなく、コンテンツを制作するクリエイターにもあるものです。

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▲今回の発表会に登場したクリエイターや俳優たち

長年、ハリウッドの制作者に取材していましたが、彼らの映像制作に対するこだわりは並大抵のものではありません。色再現ひとつとっても、シーンごとに雰囲気を変えるために色を意図的に変えますし("ルック"を変えると言います)、シーン全体の明るさなどをストーリーテリングの一環として利用したり、時に瞬間的な眩しさを感じさせてみたり、逆光の中に浮かび上がる被写体に何かの表現を求めてみたりします。

そうした制作者にとって、信頼感のある再生システムは実にありがたくも喜ばしい存在なのです。 今回のSpecial Eventには、スティーブン・スピルバーグ監督や、J・J・エイブラムス監督も参加し、自らが制作に関わった作品を配信していく意欲について語りかけました。それ以外にも多くの著名人がApple TV+の発表に向けてステージに登壇しました。こうしたイベントは、単にお金をばらまいて作品を作るだけでは実現できないものです。

このエコシステムを通じて自分たちが心血を注いだ作品を楽しんでもらいたい。

もちろん、Appleは多くの投資を映像作品やゲームなどに対して行っているのでしょう。しかし、味方を増やすのにお金だけでは不十分です。こうした"さりげない"、しかし深いレベルでの品質に拘っているところが、コンテンツ制作に人生を捧げる人たちの心を捕らえているのかもしれません。

Apple

余談ですが

さて、最後に余談を。

iOSのAPIにおいて、YUV形式の画像を表示する際、Y値(明るさ)を100%以上に設定すると、実際に100%以上の輝度が出てくるそうです。ところが、これは開発者向けのドキュメントには記載さ入れていないのだとか。

つまり、一般的なアプリはSDRでしかコンテンツを表示できないことになります。実際にはHDR表示できるけれど、正式ではないため戸惑っている、なんて話を開発者から聞きました。

おそらくApple謹製のアプリは、こうした部分を使ってHDRを表現しているのでしょう。HDRはリアリティある映像を実現するために欠かせない要素になってきています。6月のWWDCでは、そのあたりに言及されてより多くのHDRコンテンツが楽しめるようになるといいですね。

ちなみにAppleが近年、標準画像フォーマットとして推進しているHEIF形式の静止画ですが、HDR規格としてHDR10やDolby Visionでも採用されているPQカーブが正式に盛り込まれることになるようです。そうなってくると印刷を意識するのではなく、iPhoneやiPad上、あるいはHDR対応テレビなどで表現する、新しい写真表現が生まれるようになるかもしれません。(完全な余談でした)




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