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音楽のデジタル化は温室効果ガス排出削減につながったか否か?新たな研究結果

研究者はソロデビュー

Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年4月9日, 午後06:30 in Services
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音楽コンテンツの流通はここ数年、定額制で聴き放題の音楽ストリーミングサービスが主役となり、CDなど物理媒体の割合を縮小し続けています。ならば、CDやレコード盤のもとになるプラスチックの生産量減小が製造時の電力量減少につながり、排出される温室効果ガスが減っているのではないか、ストリーミングになって少しでも環境に貢献しているのではないかという気がしないでもありません。

同様のことを考えたスコットランド・グラスゴー大学およびノルウェー・オスロ大学の研究グループは、物理媒体での音楽流通全盛期から、ストリーミングが普及した最近の温室効果ガスの排出量を比べてみた研究結果を発表しました。結論から言えば、音楽消費がデジタルストリーミングに移行しても、温室効果ガスは減るどころか増加していたとのこと。

音楽のデジタル化は音を閉じ込めておくためのビニール盤やポリカーボネート盤、ジュエルケースなどプラスチックの生産量を減らし、その分の電力消費から来る温室効果ガスの排出を減らしはしたものの、音楽そのものを消費者に届けるために必用な電力消費量を大きく増やしたと考えられます。

数字をあげてみれば、1977年に当時全盛だったアナログレコード用プラスチックを製造するために必用だった電力量を温室効果ガスに換算すると約15万7000トンだったのに対し、2016年にデジタルオーディオファイルを保管およびネットワーク転送するのにかかった電力量から導いた温室効果ガスの量は35万トンに達したとのこと。

この説明を見てすぐに、レコードの流通によって排出される温室効果ガスはどうなのか、すでにPCやポータブルプレーヤーにダウンロードした音楽を再生しているケースはどうなのかといった疑問を抱いた鋭い読者の方もいるはずです。レコーディング作業にかかる電力量も70年代と現在では異なっているかもしれません。発表においては、こうした周辺部分についての説明がありません。

とはいえ、研究者らがこの研究結果をもって世の中を古き良きアナログ盤の時代に引き戻そうとしているわけではありません。研究者の一人Matt Brennan博士は「この数字は、ダウンロードとストリーミングの台頭は環境によりやさしく作用していることを示唆すると思いました。しかし、オンラインでの音楽リスニングに使用されるエネルギーについて考えると、まったく異なる絵が浮かび上がってきました。音楽をオンラインで保存して処理するには、膨大な量のリソースとエネルギーが使用され、これは環境に大きな影響を与えます」と述べています。

研究者らは、消費者が自らの電力の使いかたについて、今後の地球環境維持のために何をすべきかを考え、そこからオンデマンドであらゆる楽曲を楽しめるようになった現在の利便性を損なうことなく、消費電力を低減する方法が生まれることを望んでいます。「この研究のポイントは消費者に音楽を聴くなと言いたいのではなく、音楽消費行動に伴うコストの変化を理解することだ」と述べています。

ちなみに、研究の模様は「The Cost of Music」という短編ドキュメンタリー映画として、4月から6月にかけて英国、米国、カナダ、オーストラリアで公開されるとのこと。さらに、研究者のひとりKyle Devine博士は研究を「Decomposed: The Political Ecology of Music」なる著書にまとめて9月に発売予定、そしてBrennan博士はこの研究の最中に"Citizen Bravo"名義で「Build A Thing of Beauty」なる音楽アルバムをリリースしました。少し聴いてみたところ、なかなか耳あたりの良い英国ポップ/ロックに仕上がっています。アルバムからはPVも制作されていますが、この記事には載せません。



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