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PayPay超える利用率、「楽天ペイ」社長が語る強さの秘密(石野純也)

『クレカとQR決済は共存』(中村社長)

石野純也 (Junya Ishino)
2019年4月10日, 午前11:30 in Business
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20%還元キャンペーンを連発しているPayPayやLINE Payの影に隠れがちですが、実は利用率が高いのが楽天の楽天ペイ。MMD研究所が2月に発表したデータでは、QRコード決済の利用率がもっとも高いサービスに挙げられていました。4月1日からは、グループ再編の一環として、運営元が子会社の楽天ペイメントに移管され、楽天Edyとともに同社が運営しています。

もともと楽天ペイは、2016年10月とサービス開始が早く、楽天の営業力を生かして加盟店も着実に開拓してきました。KDDIが4月9日開始したau PAYも、ここに相乗りしており、今後は共同で店舗を広げていく方針です。ユーザー視点では、共通ポイントとして貯めやすく、かつ使いやすい楽天スーパーポイントでの支払いができるのが魅力といえます。

先行している楽天ペイですが、グループ再編に先駆け、アプリもリニューアルしました。これに伴い、楽天キャッシュでの決済も可能に。さらに、アプリ内から楽天Edyも呼び出せるようになりました。このリニューアルの狙いを含めた楽天ペイの戦略を、楽天ペイメントの代表取締役社長に就任した中村晃一氏に伺いました。

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▲楽天ペイメントの中村晃一社長

——3月にアプリをリニューアルし、楽天キャッシュへの対応や楽天Edyへの導線が作られました。まずはこの狙いを教えてください。

中村氏:4月からはペイメントにフォーカスすることになりましたが、3月までは楽天カードの副社長をしていて、そちらは昨年の取扱高が7.5兆円と、日本で一番大きなトランザクションの会社になっていて、足元も非常に好調です。日本のキャッシュレスを考えたとき、クレジットカードのトランザクションが一番大きく、これが50兆円ぐらい。電子マネーはちょうどその1/10で、5兆円から6兆円といったところで、そこに加えてQRコード決済が出てきたというのが現状です。

決済の分野を見ると、どんどん新しいプロトコルが出てきています。それはクレジットカードですらそうで、今は(ICカードで)PINを入力していますが、ちょっと前までサインしていて、今度はコンタクトレスになろうとしています。プロトコルは、あくまでお店の端末とユーザーが持っているデバイスの間の通信の手段でしかないので、これはどんどん出てきてもいい。ただ、新しいものが出てきて、それがいくら優れていても、既存のインフラが全部いらないという発想は現実的でありません。先人が引いてきたインフラを、最大限活用する方が、無駄がないからです。

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▲3月に楽天ペイのアプリをリニューアル。楽天Edyも呼び出せるようになった 

コストの話もそうですが、ユーザーの習熟の度合いもあり、本来は使いたいときに使いたいものを使えばいいのではないかと思います。スマホ決済を推進しているのでなるべくスマホ決済でと言ってはいますが、たとえば海に行ってサーフィンしているときに、ポケットに入れるのはスマホじゃなくクレジットカードですよね。それと同じで、ランチは楽天Edyでも、夜フランス料理を食べたら気分としてはカードで決済したいということもありますよね。

既存インフラを生かした方が、20%のキャッシュレスを40%に持っていくのが早くできる。ただし、プロトコルは違っても、ユーザーには統一インターフェイスで出した方がいい。これがアプリをリニューアルした狙いです。楽天キャッシュも、実は10年以上前からあったものですが、こんなふうに見せることで、使い勝手が劇的に変わります。

ちなみに、楽天キャッシュは、法的にいうと資金移動業で、最後に現金化できるということでやっていました。10年以上前に作ったものですが、当時そういうニーズが強かったかというと、そうではなかったと思います。今は現金化のところをいったん閉じ、開発をし直しているところです。

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▲楽天キャッシュの機能を拡充し、送金も可能になった

——プロトコルを増やすという意味では、楽天Edyをそのまま楽天ペイ内で使いたかったというのが率直な感想です。

中村氏:今、絶賛開発中で、SDKを使って楽天ペイの中で使えるようにしていきます。

——残高は楽天ペイと共通化していくのでしょうか。

中村氏:完全に統合してしまうと、今はかえって制約が出てくる部分があるので、いったんは統合アプリとして(楽天ペイの中で呼び出せるように)していきます。本当はこのタイミングでやりたかったのですが......。統合アプリでできることと楽天Edyアプリでできることをまったく同じにしてしまうと、アプリが重くなりすぎたり、開発のスピードも削がれてしまうので、それは本意ではありません。両者の機能をどこまで共通化していくのかは、今後も検討していきます。

とはいえ、互換性はもっと強めた方がいいのも確かです。今は、楽天Edyに楽天スーパーポイントでチャージするところまではできていて、逆に楽天Edyをポイントにするところも実装しています。これも、一定の数のお客様が利用しています。

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▲楽天Edyは現状、別アプリを呼び出す形。これも楽天ペイアプリにSDKを組み込んでいく予定だという

——ポイントを介すことで、間接的にですが、残高を共有していることにはなりますね。

中村氏:そうです。その上で、統合アプリに足りないものは、楽天キャッシュと楽天Edyの互換性で、これは開発中です。ただし、業法上のところはちゃんとしなければいけません(注:楽天Edyは前払式支払手段なのに対し、楽天キャッシュは資金移動業のサービス)。以前から事業をやってきているので、法律の絡みも理解していて、知見を活かしやすい。そういった総合力を発揮できる体制が、楽天ペイメントという会社です。

キャッシュレスといっても、難しいものにはしたくありません。テクノロジーが進化しても、そこに利用者が力を振り向けなければならず、費やしていた会話の時間や日常の楽しみが削がれてしまうのは本末転倒です。こういうことを大事にして作ったのが楽天市場で、楽天ペイメントにもその思想があります。親しみやすく便利でも、裏では最先端のテクノロジーが走っていて、お客様はストレスフリーでやれた方がいい。まだ理想形にはなっていませんが、そこに近づいてきてはいます。

総合力という意味では、ちょうどキャッシュレススタジアムをやったところでしたが、あれもカバレッジの総合力がないとお客様に迷惑をかけてしまいます。そのため、まずはクレジットカードでいいですというところから始まり、子どもはどうするのかと考えたとき、チャージして使える電子マネーがいいだろうということになりました。ただ、球団と話したとき、「子どもは小銭を握って球場に来る」という話を聞き、あえて小銭のチャージ機も作りました。決済手段も色々あれば、チャージのシーンも色々あるということです。

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▲楽天はプロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスや、J1プロサッカーチームのヴィッセル神戸のホームスタジアムを完全キャッシュレス化

——非接触決済の楽天Edyもあり、クレジットカードでApple Payやおサイフケータイにも対応している楽天が、QRコード決済を推している意味合いはどこにあるのでしょうか。

中村氏:導入側にとって、インフラコストが安いからです。もちろん、先ほど申し上げたように既存インフラを否定するものではなく、それだけの広がりもまだありません。最近ではQR決済ならお得なキャンペーンがあると言われることもありますが、あれの本質は劇的にインフラコストを下げたところにあります。社会的な総コストは変らないとすると、ユーザーが広く薄くコストを負担している。

確かにFeliCaは決済が速く、殺人的な通勤ラッシュでもパッと通れるプロトコルですが、決済端末が高く、それで結果として20年やっても5兆円の規模になっています。一方で、QR決済は紙にプリントしたQRコードがあれば済みますが、アプリを出して読み取ってというちょっとした負担は利用者に転嫁されています。それでもいいということを実証したのが、中国や東南アジアです。

QR決済はもっとカジュアルなもので、そこまで高品質ではなくてもいいところに向いています。たとえば、ハンバーガーチェーンやコンビニエンスストアなら決済が速い方がいいかもしれませんが、紳士服店のようなところではそこまで速い必要はありません。そういう意味では、使い分けなのではないかと思います。

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▲導入コストが抑えられることもあって、楽天ペイ対応店舗は日々拡大している

——au PAYとも提携しましたが、ここまでがんばって開拓した加盟店を開放するのは、ちょっともったいないとは思いませんでしたか。

中村氏:今は、各社とも、あまり自分たちだけのマーケットシェアは考えていないのではないでしょうか。取り合うマーケットというより、今から大きくしていかなければならないマーケットだからです。1兆円をみんなで食い合うのではなく、10兆、100兆の世界にするよう各社ががんばっていく。位置づけとしてそうなります。

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▲4月9日に開始したau PAYは、楽天ペイと協業。楽天が開拓した店舗網を利用するほか、共同で店舗開拓も行う

——QRを共通化する動きもありますが、いかがですか。

中村氏:みんなが使えるインフラをしっかり整備するのは、大きくマーケットを伸ばすのに必要なことです。ただし、それが結果としてユーザーに不便をかけてしまうことになってはいけません。たとえば、共通のバーコードを読み込んで、そこからユーザーが何かを選択するという形になってしまうと、使用に耐えません。公共料金の支払いなどにはいいと思っていますが、(ユーザーの操作を増やしてしまう結果になると)店頭だと難しいのではないでしょうか。共通化するときには、ユーザーの視点に立った議論が必要だと感じています。

(更新:4/10 14:30)(ユーザーの操作を増やしてしまう結果になると)を追記しました

——失礼な話ですが、QRコード決済というとどうしても還元率の高いPayPayやLINE Payに注目してしまい、楽天ペイの利用率が高いという調査結果を見て、意外感もありました。なぜここまで利用されているのでしょうか。

中村氏:楽天IDを持っている方が1億人いて、そもそも数が多い。ただ、数だけでいえばコミュニケーションサービスを提供すると結構な数になることがありますが、量と質は分解して考える必要があります。質の部分で大事なのが、決済情報を持っているかどうかです。楽天はもともと通販事業をやっていたので、ユーザーが何らかの決済手段を登録しています。この決済手段を登録したIDが1億あるというのが重要になります。

楽天ペイを始めようとすると、自分の場合、「中村晃一さんですか?」と出て、タップすると2ステップで始まります。普通だと、そこから銀行口座を登録してとなりますが、すごくイージーに、いつも使っているIDだけでログインできます。さらに掛け算として、2500億円ぶん出している(2018年の年間)楽天スーパーポイントもあります。

ユーザーが意識して使うには、店舗網も必要です。いざインストールしたあと、使えるかどうかで大事になってくるのが、毎日耕してきた店舗網です。ここが多いと、使えると感じていただける。どこかと提携したり、外部委託を使ったりするのではなく、楽天はずっとこれを自分たちの足で耕してきました。

——最後に、楽天Edyについてですが、現状、おサイフケータイでは使えるものの、Apple Payに対応していません。これについては、どうお考えでしょうか。

中村氏:相手があるので何ともいえませんが、僕らはやりたいと思っています。どんなところにも持っていくというのが、決済の本質だからです。出口のプロトコルもガンガン広げていきたい。楽天カードはApple Payで提供していて、楽天EdyはGoogle Payに対応していますが、決済の世界はもともとそういうものです。




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