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「+メッセージ」MVNO開放は見込み薄

LINEでいいか。

石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2019年4月23日, 午後04:55 in mobile
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NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社が共通のサービスとしてスタートとした「+メッセージ」。まもなく開始から約1年を迎えるこのサービスですが、MVNOやSIMフリースマホに対応する見込みは薄そうです。

■SMSを置き換える+メッセージ

+メッセージは、SMSを置き換える新しいメッセージサービス。従来のテキスト(文字)だけでなく、写真や動画、スタンプ、位置情報などさまざまな情報を送れるコミュニケーションツールとして発表されました。今年2019年5月には企業向け公式アカウントをスタートし、店舗予約や契約手続きなどに使えるようになる予定です。

+メッセージ
+メッセージ
同様の仕組みはLINEなどのメッセージアプリが先行しており、3キャリアが共同で+メッセージをスタートした背景には、「LINE対抗」という側面があると考えられます。

2019年4月現在、+メッセージに対応するのは「iPhoneか、大手キャリアで販売されたAndroidスマホ」のみと限定があります。そして大手3キャリアの通信サービスを利用している場合のみしか対象となりません。

大手キャリアから回線の提供を受けたMVNOやサブブランドのUQ mobile、Y!mobileなども対象外となっています。また、国際標準規格の「RCS」の仕様を取り入れていますが、互換性があるのは3キャリア相互のやり取りだけのみで、海外のスマホとの通信はできません。

MVNOやサブブランドへの対応について、3キャリアは「未定」とコメントしています。+メッセージのサービス開放が進まない要因の1つには、そのサービス構造の複雑さが挙げられます。

■同じ看板を掲げた3つの店舗

+メッセージでは例えると、「同じ看板を掲げた3つのお店が、並んで運営している状態」。3つのお店は屋号も店舗のデザインも似ていますが、実はそれぞれ全く違う経営者が独自に運営しています。

+メッセージのサービス担当者は「アプリのデザインや仕様は3社で寄せているが、サービス運営は各社がそれぞれ行っている」と説明します。

たとえば、Androidで3キャリアは「+メッセージ」という同名のアプリをそれぞれ提供います。NTTドコモ向け、au向け、ソフトバンク向けで、各社のアプリはそれぞれの会社の契約者だけが利用できるようになっています(iPhoneでは3キャリア共同でアプリを配信しています)。相互接続は行われているため、ドコモの+メッセージユーザーがソフトバンクのユーザーへメッセージを送るなど、サービス運営社のユーザー同士はやり取りできますが、逆に言えば「3キャリアだけの閉じた世界」となっているのが、+メッセージの現状です。

【お詫びと訂正】
初出時、「iPhoneのApp Storeで各キャリアがそれぞれアプリを配信している」という記載がありましたが、これは誤りです。訂正の上、お詫び申し上げます。

■"各キャリア独立運営"がオープン化の妨げに?

さらに、5月からスタートする予定の「公式アカウント」も、アカウントの仕様は3社で共通化するものの、実際にどの企業のサービスが利用できるかは3社で異なってくる可能性があります。企業の実態確認審査は3キャリアがそれぞれ行い、それぞれ認証する仕組みを取っているから。ユーザー目線で考えると、同じ名前なのに3キャリアで利用できる内容が違うのはわかりづらい、と思うかもしれません。

ただし、3キャリアがあえてこの形にしているのは、理由があります。前述の担当者は「大手3社共通のプラットフォームとして+メッセージを提供すると、独占禁止法に抵触する可能性がある」と話します。大きなシェアを持つ3社が共通の基盤を作ると、"囲い込み"をしているとみなされる可能性があるため、あえて「同じ名前で各社が運営する」という形をとっているわけです。

一方で、この+メッセージの運営形態は、MVNOや新規参入する楽天モバイルなど「大手キャリア以外」のサービス提供の障壁となっている可能性があります。MVNOが主体となって+メッセージサービスを提供する場合、自前でシステムを構築・運営し、さらに「公式アカウント」の募集を行う必要があります。大手キャリアより規模が小さいMVNOでは、企業公式アカウントのラインナップを充実させるのも難しいでしょう。

以上のような背景があるため、+メッセージは当面、MVNOやSIMフリー端末で利用できるようになる見込みが薄いと言えます。

メッセージングサービスとして競合となるLINEは、電話番号の登録はあるものの、利用している携帯電話キャリアを問わずにコミュニケーションができます。つまり、+メッセージより多くの人に門戸が開かれているということになります。

大手3キャリアの携帯電話契約数が合計でおよそ1億7000万契約もあるのに対し、+メッセージは、サービス開始から1年弱で800万ユーザーと、伸び悩みを見せています。個人間のメッセージサービスとしては、やり取りできる人が限定されることは、利便性を大きく損ねる要因となりえます。

一方、+メッセージにはアカウントとして「電話番号」を利用するため、本人確認が取りやすいというメリットがあります。3キャリアは「公式アカウント」の拡大を通して、企業と個人とのコミュニケーションの手段として+メッセージを広めていく狙いです。



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関連キーワード: app, au, docomo, LINE, messaging, mobile, plusmessage, SoftBank
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