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    ウェアラブルなAPS-Cカメラ「GR III」が最初のアップデート。旅カメラとして再考してみる(本田雅一)

    出張を兼ねたスペインで撮影

    本田雅一, @rokuzouhonda
    2019年4月27日, 午後12:00 in camera
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    リコーのデジタルカメラ「GR III」が発売された際、それまでGR派ではなかった僕がいかにGRに心奪われたかをスマホ+リコー「GR III」の併用がもたらす納得感。特別な時以外にも持ち歩きたくなるデジカメの価値というコラムに綴りました。

    そのときの結論は、いくつか小さな弱点はあるけれど、それでも他の製品には代えがたい魅力......特に"日常的にスマートフォンとともに持ち歩きたくなる"カメラであるというものでしたが、実際に旅のお供として連れ出してみると、さらに手放せないカメラだと再認識できます。

    GR IIIの魅力は、なんといっても約2400万画素のAPS-CサイズCMOSセンサを搭載し、ボディ内手ぶれ補正も内蔵することで、最新のミラーレスや一眼レフカメラ並の画質を実現しながら、持ち歩きの負担がないサイズと軽さを実現。さらに、起動から撮影までのサクッと完了できる"瞬発力"も兼ね備えているところです。

    日常のシーンで、もちろんこれらの特徴はすべて「スマホとは別にもう一台カメラを持ち歩く理由」となっていますが、それらはすべて旅に持ち出す理由でもあります。

    旅に最高のカメラは最新スマートフォン?

    現在のスマートフォン内蔵カメラは実に優秀です。AI処理で"絵を作っている"と言われようが何しようが、暗いシーンでも、あるいは逆光だったり、日陰と日向の明暗差が激しく通常のカメラでは捕らえきれないようなシーンだったりしても、それなりに美しく、また当時の記憶が蘇るような写真を撮影してくれます。

    旅行先で美味しいレストランを見つけたり、観光情報をチェックしたりといった場面にもカメラは欠かせませんし、旅先の様子をSNSに投稿したくもなるでしょう。そんなとき、別途カメラを持ち歩くよりも、スマートフォンのカメラで済ませたいと思うのは当然のことでしょう。

    カメラ起動までの動線も短く設計されているのが当たり前の時代ですから、スマートフォンは旅用として最高のカメラである......とも言えます。

    GR III

    しかし、そんなスマートフォン内蔵カメラの進歩を感じながら、それでもなお"毎日、GR IIIを持ち歩きたくなる"ものかどうか。

    前回のコラムでは"日常的に持ち歩きたい"と結論を出しましたが、今回は少し長めの旅に持ちだしたとき、スマートフォンとは別に持ち歩きたくなるかどうかが評価のポイントです。

    ......と、その前に公開されたばかりのアップデートについて触れておきましょう。

    ソフトウェアアップデートで進化してきたGR

    GRというカメラは、ハードウェアの更新サイクルが比較的長い製品です。数多くを売るというよりも、この製品が大好きな人にまずはハードウェアとしての基盤を提供し、そこにアップデートを施すことでより使いやすいカメラへと仕上げていくようなイメージの製品です

    そんなGRに IIIに、旅を初めて数日後にモデルサイクル最初のファームウェアアップデートが降って来ました。旅の始まりとは話が前後しますが、まずはGR III最初のアップデートについて紹介するところから始めましょう。

    4月23日公開の新バージョンにはいくつかのバグフィックスも含まれていますが、機能の追加・改善は主に2つに集約されています。

    ひとつはスマートフォン向けにカメラ画像を転送する「Image Sync」に(やっと)対応したこと。実は開発の遅れから、発売時にはスマートフォンへ画像をWi-Fi Directで転送する機能が利用できなかったのです。

    裏技で転送できたというブログも見ましたが、僕の手元ではうまく動きませんでした。時間がかかっていたのは転送時の手順などを最適化していたからだそうで、従来の5倍(!?)もの速度で転送可能になっているとのこと。

    GR III

    実際に試してみると、確かに軽快です。2400万画素のJPEG(1枚あたり12〜14MB)を10枚、iPhoneへ転送させてみましたが、1枚あたりの転送時間は5秒あまり。必要な画像を選んで転送するだけならば、ほとんどストレスがないレベルです。

    これなら、旅の途中にカフェでひとやすみ、なんてときでも気軽に転送できますよね。ただし、後述するようにまだ"予定している機能を完璧に達成している"わけではありません。とはいえ、Wi-Fiでの高速転送は嬉しい限りです。

    そしてもうひとつはAFの進化。

    前回のコラムでも、暗所とマクロのAFにややコツが必要であるとレポートしました。これがファームウェアのアップデートで大きく改善しています。

    これまでは「本当に位相差AFに対応しているの?」と思うこともあったのですが、スパッと目的の位置に向かって動く確率がかなり上がったように思います。また、位相差AFで距離検出できなかった場合の振る舞いが良くなり、コントラスト検出AFモードへと切り替わってからのAF速度が体感的には半分以下。とはいえ、これで完璧とも言えず、まだ改善の余地はあるでしょう。今後も改善を続けてほしいものですが、大きな不満はなくなりました。

    もっとも、フォーカス合わせに関しては、実際に使っているとAFの迷いよりも、マクロモード(6〜12cm)と通常モード(10cm〜無限遠)のオーバーラップが2cmしかなく、どちらを使うかで逡巡することの方が問題と言えます。もちろん、この問題はハードウェアに起因するものなので、ソフトウェアでは改善できません。

    またマニュアルフォーカスモードの使いにくさに関しても、今回は手が入れられていません。旅カメラとして使う場合、現地の食事を撮影するのに"マクロ"と"通常"のどちらにするかで迷うことが多く、いっそマニュアルにしてフォーカス位置を合わせたいと思うことが多々あるのですが、そのあたりは首を長くして待ちたいところ。

    しかし、AFに限って言えば個人的に満足度の高いアップデートであることを報告しておきます。

    旅とGR III

    「ファーストクラスで世界一周」(世界一周のファーストクラスチケットは工夫次第で実にお得だというノウハウ本であると共に、素晴らしい旅の写真集でもあります。オススメですよ)という本を書いた、たかせ藍沙さんと話をしたとき、いかに旅ライターにとってGRが素晴らしいカメラなのかを聞かされていました。



    その理由は2つ。ミニマルかつ高画質であること。もうひとつは超広角のコンバージョンレンズがオプションで用意されていること。この2つですが、後者に関して言うと僕は所有していません。しかし、ミニマルかつ高画質であることは、日常的に持ち歩くカメラとして最適であることと重なります。

    GR III

    ということで、仕事の出張を兼ねて出かけたスペイン・アンダルシア地方の旅にGR IIIを連れていってみました。個人的には近年、旅カメラとしてはレンズ交換式でなく1インチCMOSセンサを用いたズームレンズ付き高級コンパクト機こそが最高だと思っています。それ故に愛用のカメラはパナソニックの「LUMIX TX2」で、今回の旅にも持ってきました。基調講演などの撮影では、やはり望遠レンズが必要ですからね。

    しかし、プライベートな観光に関して言えば、スマートフォンとGR IIIしか持ち出していません。なぜなら、ほとんどの場面においてGR IIIだけで撮影が可能な反面、APS-Cセンサとボディ内手ぶれ補正機能を搭載するGR IIIでしか撮影できないシーンも多く、またスマートフォンでは表現しきれない、旅先の空気感を捕らえる実力があると思うからです。

    GR III

    GR III
    ▲上記の写真をクローズアップしたもの

    Engadgetのシステムでは2400万画素の全実力をお見せできないのですが、ゴシック調の細かな装飾が施された教会内にある装飾を、暗い中、35mm判換算で28mm相当の広角で写してもなおディテールまで再現してくれます。

    どんなにAIが進化しても、センサが捕らえる光(フォトン)の量こそが、画の質を決めるという原則は変わりないということですね。

    Gallery: リコー「GR III」作例〜スペインの街並み〜 | 23 Photos

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    "コスタ・デル・ソル"の海岸線を走りながら使うGR III

    SDカードとバッテリを含めても重さ約257gというGR IIIは、片手に持っていても、軽いランニング程度なら苦になりません。ランニングと言わずとも、早朝の散歩──ウォーキングと考えてみてはどうでしょう。

    旅先での最初の夜が明けた朝、近くを散策しながら、まだ観ぬ風景を捕らえていく。

    GR III

    スペイン・アンダルシア地方の都市マラガ近くにあるフエンヒローラ、ここのビーチの一番端に宿泊し、翌朝からビーチ沿いをランしながら撮影を楽しみました。このあたりはコスタ・デル・ソル──太陽の海岸と呼ばれる地域ですが、同じ地中海のビーチリゾートであるコート・ダ・ジュールともよく似た海岸線にレストランやホテルが並ぶエリアで、広いテラスが伸びています。

    GR III

    いつもならスマートフォンを片手にしていますが、今回はSakura SringのStrap Sringという、本来はスマートフォン用に作られた布製ストラップを手首に通し、手でGRをホールドしながらこのビーチ沿いのテラスを走ってみました。このストラップは手首への負担が少なく、落とす心配もないため、欠かさずGR IIIと一緒に使っています。

    左手首にはApple Watchを装着していますが、右利きということもあって、多少、右が重いくらいでバランス良く走れます。荷物を持っている感覚はありません。毎朝、7キロほどの距離をランしながら、周囲の観光地の様子を偵察? していましたが、カメラの重さで疲れるなんてことも皆無です。

    ランの途中、記録したいと思う風景と出会ったとき、GR IIIの起動の速さが活きます。快適なランを楽しみつつ、合間の撮影でサッと起動して、スパッと撮影する。ランのリズムを大きく崩すことなく、その日の観光名所を快適に視察できます。

    旅先でのランニング、ウォーキングは、旅を楽しむ準備としてもオススメですし、個人的に出張した際のルーティンになっています。その際に持ち出してみてGR IIIの良さを再確認しました。

    旅カメラとして、ほぼ文句のないGR IIIだけれど......

    さて、ランニング時にも持ちだしやすい小型軽量・高速起動といった特徴ですが、これらはすべて旅行時に観光地を巡る際にも長所となります。

    GR III

    村の観光用ロバの隊列がやってきた、なんてときも、落ち着いてGR IIIを起動して撮影すれば充分に間に合います。ヤバイと思ったならば、レリーズボタンを全押しすれば、AFすることなく設定した(デフォルトは2.5m)にフォーカスを合わせて撮影。35mm判換算で28mm相当の画角もあって、ほぼ問題なく目の前の風景を収めることができます。

    まずは被写体だけ捉えておきさえすれば、APS-Cサイズのセンサによる2400万画素の高品位な画像から必要な部分のみを切り出しても、おおむね必要な解像度が得られます。そしてその確率は、ボディ内手ぶれ補正の優秀さも手伝って、かなりイイ感じの高さなのです。

    ボディ内手ぶれ補正は望遠レンズで効きが悪いという弱点もありますが、そもそも35mm判換算で28mm相当の画角に固定されているGR IIIでは特に問題になりません。

    GR III

    旅先では食事を撮影する機会も多いでしょう。APS-Cの大サイズセンサを搭載するGR IIIの場合、被写界深度が浅くボケが大きくなりがちではありますが、まるで昼間のように明るく、また店内も色彩豊かに描いてくれます。

    ......と、このように絶賛しておりますが、まったく要望がないわけじゃありません。

    まず日時設定でタイムゾーンを用意してほしいこと。現地に到着するたびに日時を変更すればいいのかもしれませんが、せっかくスマートフォンとBLE(Bluetooth Low Energy)で接続できるんですから、タイムゾーンの変化をGPSと同じように読み取ったり、あるいは純粋に時刻情報を同期させたりしてくれればいいなぁ。 Exifにタイムゾーンという概念が存在しないのが一番の問題なのですが、それにしても時刻合わせぐらいは手軽にしたいものです。スマートフォンと併用して写真を撮っていると、ライブラリの中で2つのカメラで撮影した写真が前後してしまうため、目的の写真を探しにくくなるので。

    もうひとつの要望は、まだ「Image Sync」の機能実装がこなれていないこと。これもBLEと関連しますが、せっかくスマートフォンと繋がっているのに、連動しての転送がまだ行えません。将来的にはBLEで接続しておくと、カメラ側から撮影後に画像をプッシュ(転送先がiOSの場合は「Image Sync」が起動していてメモリ内に残っている必要があります)転送可能になるとのこと。

    すなわち、今回のアップデートは「とりあえずGR IIIとスマホの間で画像転送可能にしたうえで、転送速度を上げる」だけに留まっているのですが、最終的には撮影したらどんどんスマホへ送られるようになるわけです。

    いずれにせよ、GRは長いモデルサイクルの製品です。AFの改善もユーザーの声を拾いながら対策したそうですから、気長にゆっくりアップデートを待っていくことにしましょう。数年に渡って改善を続けてくれた実績はすでにあるんですからね。


    Gallery: リコー「GR III」作例〜スペインの街並み〜 | 23 Photos

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