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PS4『Days Gone』ネタバレなしレビュー。ゾンビ海外ドラマ+「終末後の日常」オープンワールド

愛と勇気と釘バット

Ittousai, @Ittousai_ej
2019年4月26日, 午後07:22 in Bend
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プレイステーション4の大作オープンワールド・サバイバルゲーム、『Days Gone』のネタバレなしインプレをお伝えします。

『Days Gone』は、ゲームの舞台でもある米国オレゴン州が拠点のSIE Bend Studioが開発したPS4独占タイトル。発表は2016年のE3でしたが、延期を経て2019年4月26日に発売を迎えました。

内容を極限まで要約すれば、「ゾンビアポカリプス後のオープンワールドもの」。映画『28日後...』やドラマ『ウォーキング・デッド』のように、現代文明が崩壊したパンデミック後の世界が舞台です。レーティングはCERO:Zの大人向け。

ゲームは『アサシンクリード』シリーズや同じソニーの『Horizon: Zero Dawn』のような、広大なマップの探索、戦闘、収集、クラフト、スキルツリーとアンロック、クエストとサブクエストetcで進める、ド定番のオープンワールド・三人称視点アクションRPG。分かりやすいといえば実に分かりやすいゲームです。

Gallery: PS4『Days Gone』 | 16 Photos

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特徴と見どころは、

・緻密に作り上げられた世界で生き延びる「終末後の日常生活シミュレータ」要素




舞台となる西海岸北西部の美しい自然は、昼夜や天候、植生、狼や鹿や熊といった動物相まで再現。動物を狩り(たまに狩られ)、有用植物を集め、廃車や廃屋を漁って一喜一憂し、黒煙をあげるバイクを騙し騙し走らせ、不意の雷鳴と大雨に立ち竦み、変わり果てたフリーカー(感染者)の群れに怯え、間に合わせの道具や武器で一日一日を生き延びるサバイバル生活に没入できます。

・崩壊した現代文明と、様々な生存者グループの描写

Days Gone

物語の始まりは「世界の終わり」から二年後。政府が崩壊し、人口のほとんどが「フリーカー」と呼ばれる知性のない凶暴な感染者になっても、免れた人々はさまざまなグループに分かれ生き続けています。

たとえば主人公ディーコン・セントジョンと相棒ブーザーのように、定住せずバイクで転々とするのは「ドリフター」。最初の拠点となる生存者の武装キャンプは「個人の自由を尊重する人々のグループ」と説明されますが、アポカリプスの前から連邦政府の陰謀を唱え、「真のアメリカ人」として武装する権利を主張してきた、要は戯画化されたリバタリアンのコープランドという男が仕切っています。

世が世なら頭のおかしい陰謀論者として片付けられていたであろうコープランドは、たまたま本当に政府が崩壊したために逆に水を得た魚と化しており、貴重な燃料を使い延々と自論をまくし立てる「ラジオ・フリーオレゴン」を放送しています。無線を聞かざるを得ないディーコンがひとりバイクで走りつつ、ラジオ相手に皮肉なコメントをしたりぼやくのも日常。ひとりでフリーローミング中も主人公が着信やラジオ相手に語ってキャラ立ちする、最近のゲームらしい演出です。ラジオはいちおうスキップできます)

このほか、刑務所の看守だったという高齢女性が仕切る労働キャンプや、はぐれた生存者を待ち伏せて狩る野盗団、パンデミックこそ救済と信じる狂信的カルト集団などさまざまな勢力が存在します。

Days Gone

特に終末後終末カルトのリッパーは、自ら身体損壊してフリーカーになりきるのみならず、自我も恐れもない群れに加わることが開放であり救済と考えており、他の生存者を捕らえては「我を捨てよ!」と恐ろしい儀式の生贄にする洒落にならない集団。

この一番お近づきになりたくないラブリージェントルメンに、主人公ディーコンと相棒ブーザーが何故か名指しで追われているらしいことが最序盤に明らかになります。

・海外ドラマのような重厚なストーリー。複数のプロットをノンリニアに進められる



主人公ディーコンは屈強なアメリカンバイカー野郎。アポカリプス後にむしろ生き生きとヒャッハーしそうですが(バイク乗りへの熱い風評被害)、実際は亡き妻サラの思い出に囚われ、パンデミック発生直後の大混乱で離れ離れになってしまったことへの後悔と自責の念から、人生に目的や展望を失った人物として描かれます。

Days Gone

政府崩壊後も独自の活動を続けるらしい組織NEROの追求も、妻サラが重傷者として収容されたキャンプの全滅について知りたいというディーコンの執着から。感染は免れても人間性を半ば失ったディーコンが、物語を通じてどうなってゆくのか、パンデミックの真相とは、が大きなストーリーです。

・戦略的なフリーカー駆除

謎の病原体に侵され凶暴化した生物は劇中で「フリーカー」と呼ばれ、人間以外の生物のフリーカーも存在します。この世界のフリーカーは、ただ闇雲に迫ってくる動く死体というよりも、感染で変貌を遂げ独自の習性や生態を持つにいたった動物に近い存在。「いわゆるゾンビ」とは違った性質もあり、感染者やフリーカーと呼ぶのは単なる言い換え(だけ)でもありません。

Days Gone
世界設定に凝った「ゾンビアポカリプスもの」では、直接的なサバイバルを描きつつ、そもそもなぜゾンビが生まれたのか、どんな性質を持つのか、それを逆手に取ってどう駆除につなげるのか、を解き明かす部分が醍醐味。Days Goneでもフリーカーの性質を知ることが、ストーリーだけでなく戦って生き延びるうえでも大きな要素となっています。

たとえば彼らがどんな感覚を備え、天候や昼夜にどんな影響を受け、何を狙うのかが分かれば、集団から孤立させ後ろからステルスキルしやすくなります。もっと大きな集団は巣を作っており、これを焼き払うのがゲームのアクションの大きな部分です。

今作のハイライトは、大量のフリーカーが群れをなした「大群」との遭遇。最大300体が同時に描画され、雪崩や津波のように迫るさまは圧巻というほかありません。小規模な群れならば囲まれないよう気をつけて淡々と処理できるものの、大規模な場合は生身のディーコンが銃や釘バットで対抗できる範囲を完全に超えているため、大群に対処するにはまず離れた安全な場所から双眼鏡で観察して地形を読み、大群の動きを予測し、トラップを仕掛け、退路を確保し、頭の中で予行演習した後、覚悟を決めて挑む必要があります。

大群戦についてはもはや個々のエイミングや立ち回りで勝てるものではなく、この作戦立案がほとんど。群れの動きを予測して対策を設置してゆくのは、むしろ物理シミュレーション系パズルゲームの様相を呈します。(そこまで奇想天外なピタゴラ装置的な仕掛けは作れませんが)

Days Gone

そのほか

・インターフェースは意欲的だが微妙な点も。R1で表示するサバイバルホイール(円形階層メニュー)だけで武器やアイテムの装備・アタッチメント着脱・クラフトまでできるのは便利。

・タッチパネルのスワイプ方向で4つのメニューにダイレクトアクセスできるのも良いが、そのあとのナビゲーションは全体に統一がとれておらず、画期的に快適でもない。見せ方は全般にスタイリッシュ。特にストーリーが常に「先週までのあらすじ」的に参照できるのはいい。

・スキルは「数値が上がる・伸びる・増える」「最初からできて良さそうなアクションが解禁」が主。新しい発想の戦い方が広がったり、思いもよらない進め方ができるようなものは少ない。

・「ディーコンが父親から狩りを教わったり修羅場をくぐり抜けて身につけた勘」と説明されるサバイバルビジョンは、R3押し込みで発動する「ヒントやアイテムハイライト」インターフェース。

ハイライトやアイコンは奥行きを無視するため壁の向こうのアイテムも分かる一方、距離感はノーヒントなので同じ建物なのか外なのかも分からず、小刻みにドゥーン!ドゥーン!と発動してエフェクトを見る羽目になる。このアイコンを長時間表示する、というスキルも上の方にあるが、不便でストレスになる制約を設けて、さんざん稼いだらアンロックできるよ!は正直疑問。

・小規模な戦闘は実にオーソドックス。奇想天外なSF武器や合成武器、ワイヤーアクション的に派手な体術などは存在しない「リアル系」なので、基本的には淡々と進む。ステルスキルやトラップ、小石や物音で誘導、位置取りなどの要素はあり、武器を使う野盗団や集団相手の戦闘はやりがいがある。

・ステルスについては、特定のフリーカー以外はかなり緩い。人間も概ねゆるゆるで、かなり大胆に近づいてもステルスキルでき、仲間が次々と死んでもすぐに警戒を解きフラフラと孤立してくれる。ストレスや待ちが減る最近の傾向ではあるものの、ほぼ雑にテイクダウンで進められてしまうのも良し悪し。

・逆に特定ミッションでは、見つかったらハイやり直しの一本道ステルスも。ありがち。

Days Gone

・バイクはペイントや外装パーツをカスタマイズできる。そのほかの強化はタンク容量や耐久性の向上、カーゴ追加、騒音低減など。ブースト以外の新しいアクションが加わることはない。

・武器は「商人から買えば「ガンロッカー」に追加でき、各拠点でいつでも選んで補充できる。ドロップ武器はその場で手持ちと入れ替えて一時的に使うだけ、恒常コレクションや蓄積はできない」仕組み。

商人から上ランクの武器を買うには多数のクエストを進め信頼レベルをアンロックしクレジットを稼いで、リニアに段階的にアンロックする必要がある。アタッチメントもあるが、銃や武器の種類も含めてバリエーションはそれほど多くない。

・武器やアイテムのクラフト・強化はあるが、建築はない。「ここに建材を集めてアジトを建てよう、ゆくゆくは競合キャンプを吸収して俺帝国で文明を再建しよう」的な筋を勝手に進める系ではありません。

人を選ぶ点

ザ・オープンワールドな繰り返し作業。舞台は変わってゆくものの、延々とアニメつきでアイテムを回収して、巣を見つけて焼いて、の作業繰り返し。

燃料についてはタンクのアップグレードで、弾薬もカーゴ追加で、そのほかのアイテムについてもクラフトの種類が増えることで装備に余裕ができ、そこまで廃屋廃車からのサルベージに依存はしなくなるものの、それまでがかなり長い。

敵がドロップしたり落ちているアイテムや武器にバリエーションが少なく、単調な繰り返しだけれど「ちょっと良い武器やアタッチメントが落ちてちょっとうれしい」といった気晴らしも少ない。

ただ、これはハクスラのファンに対して敵を倒してドロップ回収するだけ繰り返しじゃない?というようなもので、 作業に没入するのが楽しいのも事実。ポストアポカリプス世界に浸るシミュレータの観点でいえば、外敵に怯えつつ生存のため同じことを繰り返すのはむしろ本題でもあるので、なんとも微妙なところ。小ネタ少なめ、繰り返し多めなのははっきり言える。

動物を追って肉を手に入れ、多数のハーブやベリーを採集するものの、ディーコンは飲み食いしない。キャンプに持ち込んで換金するためだけ。さほど独自の報酬がある動物がいるわけでもなく、狩り要素はあまり意味がなくなる。

お話について(具体的なネタバレなし、抽象的に展開感想)

プロットは重層的に進むものの、メインのお話は亡き妻サラの思い出に決着をつけること、いまも活動を続けるNEROの追跡を通じてパンデミックの真相を知ること。

そのほか個性ある生存者キャンプ間の関係や、終末後終末カルトの暗躍などなど魅力的なサブプロットは多数ありるものの、海外ドラマのように複雑に絡みあったりすべての伏線がつながり驚きのクライマックスに!を勝手に期待すると、必ずしもそうではない要素、これで終わり?になる点も

あとでつながってくる筋も、片方の進行にもう片方が必要という意味ではあることはある。ただやはり、進行順がある程度自由なオープンワールドでノンリニアに物語を進める際の難しさに対して特に解はなかったようで、サブプロットはサブのまま独立して終わりが多い。

ポストアポカリプスものの海外ドラマ好きには薦めたいが、どこまで行ってもディーコン視点で、特に強く感情的に絡むキャラクターも妻サラ(と相棒ブーザー)以外にはいない

ブーザーのことは甲斐甲斐しく気にかける好人物だが、妻を失ったことで世界や人間や人生に興味を失い、半分死んでいるキャラクターとして始まる。相手が人間でも、敵意を示していなくても即殺す超殺す。相棒も自分も危険に晒す作戦をたびたび主張し、冒頭でブーザーに言われるのは「お前自殺願望あるだろ」。

(非武装の女性だけは殺さないポリシーがあることが描かれるが、ゲーム中には明らかに弱く孤立した女性の生存者も(キャンプ外にいるのは野盗だからという前提で)後ろからバンバン殺害しているため、むしろ唐突に感じる。

完全に冷血モンスターじゃないですよというアリバイにはなっているものの、至った背景や深い葛藤や心情変化など、ディーコンという人物を深掘りする機会として導入されるわけではない。カットシーンで撃つか迷い、ブーザーには甘いなと言われる程度)

なので、魅力的なキャラクターたちが複雑に絡み合い、終盤にはそれぞれのテーマと葛藤が本筋と絡んでドラマチックに解決する!ような、物語自体をメインの目当てにするのはおすすめできない。あくまでポストアポカリプス世界アクションを続ける軸としての存在。

一方で、世界がどうしてこうなったか、の本筋部分は、ゲーム的なクエストとしてはともかくお話としては面白く、最後まで追うモチベーションになる。

・目玉要素のフリーカー大群戦は、確かに面白くゲームのハイライトだが、かなり進めないと発生しない(各地域にいくつかの大群はいるけれど、序盤はほぼどうにもできない。莫大なリソースを消費して駆除もできるが、後半の展開以外では避けて進める)。

ごく一部以外オプションの、お好みで駆除できるけれどそれだけ、大きな誘引も展開もないものとして存在する(経験値やお金はもらえる)。選べるのは良いが、自主的にヒャッハードカーンするほかゲーム的な存在価値は微妙。アクションゲームとして、フリーカー狩りそのものが報酬ではある。

まとめ

「数百体のゾンビvsタフなアメリカンバイカー!武器も爆弾もクラフト可能!」はまったく嘘ではないが、「なるほどバイクの先端に芝刈り機、両脇にチェーンソー括り付けて突撃すると無双できるやつだな?」と勘違いしないよう注意。終始リアルでシリアス、ある意味淡々と進む作品。

Days Gone

ど定番となったオープンワールドアクションとしては、特に画期的なシステムやメカニズムはないものの、ほかのゲームで確立された要素を多数取り入れ、概ね安心して遊べる。フリーカー大群戦は一見の価値あり。

美しいグラフィックや天候のエフェクト、音響含め、作り込まれた世界は夢中になって没入できる。ゾンビもの海外ドラマ好き、ポストアポカリプス世界で生活したい人、ひたすら同じことの繰り返しとチェックリスト埋め含めてオープンワールド好き、やりくりアクションが好きならおすすめできる作品です。

お詫び:PS4『スパイダーマン』レビュー掲載が遅れた件につきまして (Marvel's Spider-Manレビュー)

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