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NASA下請けが約20年間アルミ素材の品質認証を偽造。衛星の軌道投入失敗で7億ドルの損失

4600万ドルの支払い

Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年5月2日, 午前08:50 in Space
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NASAに過去19年にわたってロケット用の部品を供給していたメーカーSapa Profiles, inc(SPI)が、使用しているアルミニウム素材の品質試験記録を偽造していたことが明らかになりました。

このメーカーが納入していた素材を使用したOrbital ATKのTaurus XLロケットは、2009年および2011年に軌道上でフェアリングが展開せず、NASAの軌道上炭素観測衛星(Orbiting Carbon Observatory:OCO)とエアロゾル観測を行う予定だったGlory衛星が失われる結果を招きました。

問題が発覚したのは、NASA打ち上げサービスプログラム(LSP)における上記2件の調査の結果から。NASAの監察総監室と司法省は、SPIが納入したアルミニウム素材の試験記録が偽造されていることを発見し、19年ものあいだ計測数値や試験方法、サンプルサイズなどを不適切に取り扱い、規格に合わないアルミ素材を認証済みと偽っていたことを明らかにしました。

なぜこのようなことになったか、その動機は、SPI全体としてはアルミ素材の規格不適合を画す必要性に迫られた結果であり、また現場レベルでは、生産量に応じて支払われるボーナスを増やすために数値を偽っていたとされます。とはいえ、19年ものあいだ不適合な製品の供給を行っていたというのは相当に悪質であり、もし有人宇宙船の打ち上げでこの素材を使ったロケットが不具合を起こしていたらと考えれば、ことは重大と言うほかありません。

NASAの打ち上げサービスプログラム担当ディレクター、ジム・ノーマン氏は以下のようにサプライヤーの誠実さがいかに重要かをコメントしています。

「NASAはサプライチェーン業界全体に対してその完全性を信頼しています。NASAが、すべてのコンポーネントを独自に試験することは不可能です。OCOおよびGloryのミッションで失敗したTaurus XLロケットは7億ドル(約780億円)以上の損失だけでなく、何年もかけてそのプロジェクトに携わった人々の科学的研究の機会を無に帰しました。我々が求める基準に沿った素材の製造、試験、認証は、業界全体に任せられることこそが重要です。今回のケースにおいて、我々の信頼はひどく裏切られました」

SPIは現在Hydro Extrusion Portland, Inc.と名前を変えているものの、総額4600万ドル(約51億円)を司法省および関連各社に支払うことにどういしました。7億ドルの直接的損失に対して4600万ドルというのはいささか額が少なすぎる気もしないでもないものの、この場合少なくとも支払い可能な額の負担によって責任の一部を持たせることができたと考えるべきかもしれません。

ちなみに、SPI/Hydro Extrusionは2015年9月30日に政府の請負契約を切られています。




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