Sponsored Contents

ittousaicolumnの最新記事

Image credit:
Save

マインクラフトの完全新作ARゲーム『Minecraft Earth』発表。全地球マイクラ化計画開始

基本無料。「収益化は後からゆっくり検討」(マイクラ本体が稼いでるから)

Ittousai, @Ittousai_ej
2019年5月17日, 午後10:10 in Ittousaicolumn
6984シェア
0
6984
0
0

連載

注目記事



マイクロソフトが、Minecraft公開10周年を記念した完全新作のモバイルARゲーム『Minecraft Earth』(マインクラフト アース)を発表しました。

マインクラフト アースは、iPhoneまたはAndroidスマホで遊べる基本無料のモバイルAR(拡張現実)ゲーム。

Earthの名のとおり地球全土をまるごとマインクラフト化して、現実のあらゆる場所でスマホごしにリアルサイズのブロックを採掘したり、動植物を集めたり、他のプレーヤーと協力してモンスターと戦ったり、自分で作ったマイクラ世界を原寸大ARにして友だちと一緒に入り込んで遊ぶなど、マイクラプレーヤーの夢が現実になったような体験ができるゲームです。

今回の発表に先立ち、レドモンドのマイクロソフト本社にあるマインクラフト・スタジオで開発者に話を聞き、実機でマルチプレーヤーを含めてガッツリと遊んできました。この記事では実際に遊んだ感想や開発者からの情報も含めて、マインクラフト・アースが要するにどんなゲームか、をまとめます。

「現実のマイクラ化」と「マイクラの現実化」

マインクラフト アースは多くの要素が含まれる大作ですが、大きく分けると、


・ポケモンGOなどの位置情報ゲームと同じように、見下ろしの現在地マップ上でアイテムを収集する要素。アイテムボックスのような「タッパブル」をタップして、動植物や建材ブロックを手に入れる。AR不要で、移動中でも片手でさっと遊べる。

・現実の特定の場所に用意された小さなマイクラワールドに原寸大ARで入り込んで、宝を集めたりモンスターと戦う「アドベンチャー」
マップ上で見つけたアドベンチャーの場所に行きスマホをかざすと、ほぼリアルサイズのマイクラ世界が現れる。貴重な鉱石の鉱床だったり、モンスターとの戦いだったり、平和な動物だけだったりと内容はさまざま。5分から10分程度でクリアできる、小さなクエストのようなもの。マルチプレーヤーで協力プレイできる。

この2つは現実の場所と結びついていて、場所や地形に応じたアイテムが湧いたり、あらかじめ設定された地点にアドベンチャーが配置されています。

Minecraft

・自宅のテーブルなど、好きな場所に縮小サイズのブロックをAR表示して、集めたブロックで自由に作れる「ビルドモード」
花を植えたり池を掘って平和な庭園を作るもよし、動物園や牧場を作ったり、要塞や城や理想の邸宅、現実の名建築や何かの作品世界を再現するなど、マイクラなので完全に自由。

・ビルドモードで作った作品を、小さなものなら屋内で、大作ならば外の広い場所に「設置」して、リアルサイズのARとして眺めたり、中に入り込んで遊ぶ「プレイモード」。ただのビューアではなく、マイクラ世界の物理に従ってモブ(クリーチャー)は動き回りお互いに反応し、水は流れ、火は燃え広がります。





さらに、基本的にすべての要素がリアルタイムのマルチプレーヤーに対応しており、ビルドモードで仮想ブロックを広げた机を囲んで同時に作品を作ることも、プレイモードでリアルサイズのマイクラ世界に同時に入って遊ぶことも、アドベンチャーを一緒に攻略することも可能です。


Minecraft

歩き回ってポチポチとタップするアイテム集めと、特定の場所に行く必要があるアドベンチャーは、いわゆる位置情報ゲームの要素。地形や場所に応じて収集できるアイテムや動植物は違い、アドベンチャーも中身が変わります。

一方ビルドモードとプレイモードは場所を選ばず、従来のマインクラフトに近い作って遊ぶモードです。

マインクラフトの根幹である「作る」要素のビルドモードでは、ARを使い机や床の上に現実のブロックがあるかのように表示して、直感的なビルディングが可能。タッパブルやアドベンチャーで集めたブロックを使い建築したり動植物を配置して、自分だけの生きた世界が作れます。

プレイモードでは、こうして作った作品を現実の場所に、ほぼリアルサイズでAR設置して遊べます。特に大きな作品の場合は、ARで「設置」すると学校の校庭ほどのスペースが必要です。

(広い場所が必要といっても、実際に物理的に場所を占めるわけではないので、他の人の視界や通行を妨げるわけではありませんが)。

オールマイクロソフトの先端技術で実現したAR


いわゆる「ARゲーム」と呼ばれるモバイルアプリのなかには、現実と仮想を重ねて表示する狭義のARを使うのはごく一部のおまけ機能で、実際は位置情報ゲームであったり、ARを使わない要素が大半だったりするものもあります。しかしマインクラフト アースでは各地に現れるアドベンチャーも、ビルドモード・プレイモードもARを前提にした設計です。

例外は見下ろしマップで「タッパブル」をタップしてアイテムを収集する要素ですが、こちらは移動中などにスマホをさっと取り出して、スキマ時間に遊ぶため。

ARを使うモードでもアドベンチャーとプレイモードでは、マインクラフトのブロックをほぼリアルサイズで表示して、マイクラ世界に入り込んで歩き回れます。

マインクラフトのブロックは本来は1m角の立方体ですが、Earthでは必要なスペースや、実際に物理的に歩いて遊ぶ際の利便性から、やや小さく3/4程度に設定しています。それでも高さ2ブロックのモンスターはほぼ等身大で、眼の前で動くとやたらと迫力があります。

画面ごしに覗くと仮想の物体がそこにあるように見えるモバイルARは、ポケモンGOの撮影モードなどでもお馴染みです。しかしマインクラフト アースはマイクロソフトが 3月 2月末に公開したばかりの技術 Azure Spatial Anchorsを使うことで、現実の特定の場所に「センチメートル単位」の精度でARを配置して複数プレーヤー間でリアルタイムに同期したり、画面ごしに見える他プレーヤーの頭の上にプレーヤー名を表示する(!!)など、裏では最先端のAR技術が投入されていることも大きな特徴です。


Minecraft

そのほか、開発チームに聞いた「そもそも」的な点を並べれば、

全般

・Minecraft Earthは従来のマインクラフトとは独立したゲーム。AR拡張モードや、作品ビューアではない。

・基本のゲームエンジンは従来のマインクラフトと原則同じ。モバイル向けの簡略版ではなく、マイクラ世界の物理法則も、ほぼすべてのブロックもアイテムも、レッドストーン回路までそのまま。

・当然クラフトも本編同様。

・従来のマインクラフトには存在しない、新たなブロックやモブ(動物やモンスター)が登場。

・建材ブロックやモブ集めのほか、経験値を溜めてプレーヤーがレベルアップしたりアンロックするRPG要素もある。

・一方で、何を目指すのも作るのも自由、遊び方自由なマインクラフトの基本精神はそのまま。

・対応機種は、iPhoneならばARKitが、AndroidならばARCoreが動く機種。iOS 10以降、Anroid 7以降。

・「全地球マイクラ化」の例として、シアトルエリアは250万のタイルに分割。(アイテムやアドベンチャーを配置する) ロケーションとしては10万8876か所。


・基本無料。マネタイズについてはいずれ。買わないと手に入らないものや要素は原則として導入しない。有料ガチャ(ルートボックス)は今後も導入しない。

開発チームいわく「ありがたいことにマインクラフトは本編が充分な収益を上げているので、新作を慌てて収益化するプレッシャーがない」。

ビルド・プレイ

・ビルドモードの作品は、「ビルドプレート」の上に作る。プレートは16x16や64x64など。ゲーム開始時は小さなものがひとつ、すぐに増える。

・ビルドプレートは持ち歩いてどこでも展開できる。自宅のテーブルで作ったら帰宅しないと続きが作れないわけではない。

・マルチプレーヤーでビルドする際も、原則としてマインクラフトのマルチと同じ。同時に作業できるということは、何かを壊されたり、取って手持ちに入れることもできる。(逆にいえば、なんでも交換したり受け渡しできる)。

Undoはない

・ビルドプレートの作品はその場で一緒にビルドするほか、コピーをネットで共有もできる。

・ビルドもプレイもアドベンチャーも、一緒に遊ぶには同意してマルチプレーヤの開始が必要。いきなり知らない人が入ってきて壊したりはできない。

・一番広いビルドプレートに作った作品を原寸プレイするには、学校の校庭やスポーツ用のフィールドのように広い場所が必要。(狭くても配置はできるが、端から端まで歩く途中に現実の壁にぶつかる)

・小さなものなら部屋スケールでも置いて遊べる。

・現時点で、他のプラットフォームのマインクラフト本体から作品をインポートする機能はない。ただしまだ実装していないシステムやアイデアはたくさんあるため、将来的にはさまざまな機能が追加される。


アドベンチャー

・等身大ARマイクラで遊ぶクエストのようなもの。現実の場所に小さなマイクラ世界が現れる。

・採掘や平和な動物だけのものも、敵対的なモンスターと戦うものも。大半はクリアまで5分~10分程度。開始後にいつでも抜けられる。

・アドベンチャーの配置場所は、地図や人の動きなど複数のデータソースからAIと手動で決定。(ポケモンGOのジムなどに近いイメージ)。立入禁止や私有地は排除するが、迷惑な場所に配置してしまった場合、撤去申請を受け付ける。トラブル対応チームは24時間対応。

・中身はインスタンス(プレーヤーまたはグループごとに生成)。辿り着いたら別のグループに掘り尽くされたあとetcを防ぐ。ある周期で内容はアップデートされる。

・マルチプレーヤで遊んだ場合、誰かが手に入れたアイテムは全員のものになる。名付けて共産主義システム(開発チーム)。先を争って掘ったり奪ったりにならないため。

・アドベンチャーで敵対的モブや溶岩などのダメージで死んだ場合、デスペナルティで(持ち込んだ)アイテムを落とす。もう一度入って取り戻すこともできる。(グループが全員抜けて一定時間経つとアドベンチャーの中身がリセットされるが、このあたりはリリースに向けて調整する)

・アドベンチャー内ではクラフトはできない。持ち込むアイテムのインベントリを選ぶ必要がある。

・ただし抜けてメニューからクラフトしてまた入ることは可能。(戦う武器、掘る道具など)

・他のプレーヤーを武器などで直接傷つけることはできない。PvP(プレーヤー対戦要素)は、少なくとも当初は含まない。

(とはいえ、たとえばモンスターのいる場所で、物理的に他のプレーヤーを拘束したり操作を妨害すれば結果的に死ぬ。スマホを奪って操作するのと同じ。)

(余談。取材時にこの殺し合いなし仕様が説明された途端、テストプレイ参加者から「直接攻撃に頼らず、クラフトやアイテム持ち込みを通じてマイクラ世界の物理法則により間接的に他プレーヤーを殺害する方法」のアイデアが次々と提案され、開発陣が「あっ。」という反応になる一幕もありました。リリースまでに何らかの対策や調整はありそうですが、そもそも見ず知らずの他人のゲームに乱入したり待ち伏せはできない仕様です)。

開発版を遊んで

マイクロソフトの社屋内なのに戸締まりとブラインドを確認して資料を見せるような極秘プロジェクトだったため、遊んでいる途中のスクショがないのが残念ですが、開発版を遊んだ感想は「くっそ面白い。やばい」(語彙)。

一般にスマホをかざして覗き込むタイプのARは、一発ネタやオマケのギミックとしては良くても、実際には視界が制限されて不自由なことが多く、ゲームでも一回試したら「分かったから普通にAR抜きでやらせてくれ」と思うこともよくありますが、Minecraft EarthのARは意外にも快適でした。

特に机や床に縮小ブロックを並べるビルドモードでは、実際にレゴなどで作っている状態に近く、上から全体を俯瞰する、色々な角度で観る、ぐっと近くに寄る、などが直感的で快適。そのまま画面をポンポンとタップして掘削や配置ができます。マウスやデュアルスティックで空飛ぶカメラを操作したり、キャラクターをとことこ歩かせて狙うのではここまで直感的になりません。

現実のブロックには物理的な制限がありますが、ARならば建物のなかにそのまま手を伸ばせば屋内が見え、アイテムや動物を配置することも。

(ただし、反対側から見たいときは物理的に反対側まで自分が動く必要があります。大掛かりなビルドプレートだったりすると面倒。一度閉じて反対向きに配置することはできますが、回転ボタンはありません。)

「ほぼ」フルサイズのアドベンチャーやプレイモードでも、ブロックを本来の1m角よりも小さくしたためか、アドベンチャーが短時間で遊べるよう小さくまとまった設計だからか、むやみに歩き回ったり視界の狭さにイライラすることなく遊べました。

等身大に近いマイクラ世界で剣を振るったり弓を放ったり、あるいは黙々と採掘するだけで、マイクラに夢中な小学生の気持ちになります。

minecraft

特に楽しかったのが、屋外のアドベンチャーで地面を掘るところ。現実の地面にはもちろん穴は空いていないのに、スマホごしに観るとどんどん地下まで掘って地下水や貴重な鉱石が出てきたり、硬い岩盤に突き当たって「誰かもっと上位のツルハシ持ってないの??抜けて作ってきて!」と叫びあったり、不意にモンスターが現れて慌てるなどなど。

現実の地面をタップして掘ると地下世界が広がるだけでも面白いのに、マルチプレーヤーで同じ場所で声を掛け合って遊ぶのは、これまでマインクラフトを遊んだことがなくても、知っていればなおさら夢中になるような体験でした。

技術的な側面で驚いたのが、マルチプレーヤーで遊んでいるプレーヤーの頭の上にプレーヤー名がポップアップ表示されること。

ゲームのキャラクターであれば何の不思議もありませんが、ARなので他のプレーヤーはカメラごしのリアルタイム映像です。つまり床をトラッキングして重ねているだけでなく、ARの座標系で他のプレーヤー(の端末)の位置をリアルタイムかつ高精度にトラッキングできて初めて可能になる表現。

屋外でAR表示するアドベンチャーでも、出現する正確な場所合わせにAzure Spatial Anchorsを利用しているとのこと。通常のARアプリはまず平面を見つけるため端末を動かすよう求められますが、この時点でカメラ画像から特徴点を抽出してSpatial Anchorsのクラウド側データと照合することで、現実の地形の特定の場所にピンポイントでARを配置しているという説明でした。

HoloLens

やや余談ながら、この現実の場所や地形と対応する特徴点等のデータこそ、今後ARを高度化させゲーム以外にも普及させるうえで最大の武器であり、各社が競って集めようとしている情報です。

「テーブルのうえにポリゴンがピッタリ乗っている」程度ならば平面の検出だけで可能ですが、将来的に現実の地形や建物を正確に認識して、高速かつ自然に情報を重畳させたり、現実と重なるもうひとつの世界を永続的に共有するには、従来の地図情報や写真とは比べ物にならない質と量のデータが必要になります。

マイクロソフトはマインクラフトという人気ゲームをモバイルARアプリとして無料提供し、全世界のプレーヤーに遊ばせることを通じて、いわゆるARクラウドのデータを他社に先駆けて集め、HoloLensのような産業用・業務用Mixed Realityデバイスの価値を高め、他社がAR/MRアプリを作る際に利用するAzureのクラウドサービスも充実させる狙いがあります。

「基本無料で収益化はこれから。どうするのが正しいビジネスモデルかはゆっくり考えられる」(開発チーム)という余裕も、マインクラフト本体が現在も成長を続け利益を上げているから、だけではなさそうです。

Minecraft Earth は今年リリース予定。この夏にはベータを実施します。







広告掲載についてのお問い合わせはad-sales@oath.com までお知らせください。各種データなどはこちらのメディアガイドをあわせてご覧ください。

6984シェア
0
6984
0
0

Sponsored Contents