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ガチで凄かったAppleのPro Display XDR。HDRディスプレイとして最良の選択(本田雅一) #WWDC19

Audio & Visual評論家の視点で見ても、個人が入手できる最良・最安値のリファレンスモニタ

本田雅一, @rokuzouhonda
2019年6月6日, 午前06:30 in display
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日本では、非モテキャラだけど、実はめっちゃいい人な山里亮太さんが蒼井優さんと結婚という話題でもちきりですが、ここ、カリフォルニア州サンノゼ市で開催中の「WWDC 2019」では、プロフェッショナルに向けて"至高の製品"を目指した2つの製品の話題でもちきりです。

ひとつは、これまで"Pro"というには少々パフォーマンスに問題があった「Mac Pro」の最新モデル、もうひとつは業界でもっとも優れたディスプレイだ! と自ら宣言してしまった「Pro Display XDR」です。

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Mac Proについても思うところはありますが、まずはPro Display XDRについて感動のレポートをしたいと思います。このディスプレイはスタンドなどがオプションであるにも関わらず、4999ドルと極めて高価な製品です。しかし、実際にその映像を落ち着いて確認したところ、コンピュータ用ディスプレイとして最高峰であることはもちろん、業務用のマスターモニタ(いわば映像制作のための"原器")と比べても、遜色ないどころか要素によっては上回ることを確認しました。

高価と書きましたが、これだけの感動的なパフォーマンスを持つのであれば、むしろ"安い"と評価できるほどです。とりわけ、映像制作の現場ならば、他に選択肢はありません。これ一択。 発表された基調講演や製品ページからは読み取りにくい要素も含め、詳細に話を聞いてきました。


Apple独自アルゴリズムを備えた驚きのローカルディミング技術

32インチで6Kという解像度のPro Display XDRですが、注目点は解像度ではありません。液晶ディスプレイとしては、業務用も含めて最高峰のHDR表示能力が、この製品の極めてユニークな部分です。

最大1000nitsを表示する......とスペックだけを見れば、市販HDRテレビの上位モデルも対応しているのでは? と思うかもしれません。しかしPro Display XDRは、画面がすべて真っ白の状態でも1000nitsを出し続けることが可能。Pro Display XDRの価値の一つは、まずここにあります。

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「1000nits」と言われてもピンと来ないかもしれませんけれど、多くの4K/HDR作品が最大1000nitsの輝度を目安として制作されています(通常ダイナミックレンジの場合は100nitsが目安なので10倍に相当)。一般的な被写体は、明るくとも概ね100〜200nits程度以下に収まっているため、Pro Display XDRがあれば、別途モニタを用意しなくともMacの画面上でHDRコンテンツを確認しながら制作できます。

ちなみに一般的なHDR対応テレビは最大400nits程度、高級モデルで800〜1000nits。もっとも明るい超高級モデルでは1500〜2000nits程度まで再現できるものもありますが、消費電流が大きくなりすぎるため、明るい領域が画面全体で広い場合は最大輝度の下がるモデルがほとんどです。

ましてパソコン用ディスプレイの場合、HDRの再現性に拘った製品はほとんどありません。

直下型LEDバックライトのローカルディミング(部分駆動)システムで全画面を1000nitsを出すためには、LEDを最大限に光らせなければならず、発熱も極めて大きくなります。消費電力も大きくなるため、大画面のテレビでは最大輝度を出せる条件が細かく設定されているわけです。

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Pro Display XDRが1000nitsを常時出せる理由は、背面の特殊な形状のスリット入り筐体を通じ、冷却設計を重視しているからです。大電流でバックライトをギンギンに焚いたとしても、バックライト寿命に影響を与えず、明るさを維持できます。

実はこれがなかなか難しいことなんです。32インチ6Kともなれば、液晶の開口率は極めて低くなります。つまり暗いパネルなのですが、暗いパネルで1000nitsを全画面で出せるのは凄いことです。

こうした設計が施されたうえで、直下型LEDバックライト1個1個のLEDを、個別で明るさを調整。Appleは公式に何も話していませんが、発光が不安定なローライトシーンでも極めて低輝度まで光量を絞っています。細かな分割制御もあって「ハロ」と呼ばれる、高輝度部の周囲に現れる雲のような部分が現れるものですが、真っ暗な夜空に月が浮かぶようなシーンでも、ほとんどハロの影響は受けていませんでした。

バックライト制御は完璧にフレームごとで同期し、ゲイン補正処理までが完璧に行われており、動画でも不自然な挙動は出てきません。まずこれだけでも褒め称えたいところです。

しかもバックライト制御に関連しての処理が複雑でレイテンシがあるかと思いきや、それも感じられませんでした。

リファレンスモニタと比肩する正確な色再現と明暗のリニアリティ

ちなみにPro Display XDRは、PQカーブで出力された一般的なHDR信号に対応します。HLG(ハイブリッド・ログ・ガンマ)は非対応のようですが、コンピュータ用ディスプレイなのですから、これで問題ないでしょう。

コンピュータ(Mac Pro)の画面表示が正しくできれば充分と言えるからです(もっともHLG対応カメラにUSB Type-C経由で直接接続した場合には問題が生じるかもしれません)。

0nitsから1000nitsまで制約なく表示でき、Display-P3の色再現を正確に行えるディスプレイは他に見あたりません。よく似た特性のディスプレイに、ソニー製の業務用マスターモニタ「BVM-XM310」や同「BVM-X300」がありますが、それらとは製品の目的も機能も異なるため単純に比較はできません。

しかし、シンプルなコンピュータ用ディスプレイとして、BVM-X300と比べてもほとんど同じと言える色再現を引き出していたのは素晴らしいことです。

なお、Pro Display XDRのピーク輝度は1000nitsですが、1000nitsまでをリニアに表現できるハードクリップモードと、800nits程度までをリニアな表現として1600nitsを上限にロールオフ処理を行うモードがあり、これらを切り替えて使えるとのこと。加えて低反射コートにより、ピカピカのフルラミネーションガラスな仕上げにもかかわらず、映り込みが目立ちません。

あくまでコンピュータ用なので、放送番組をキレイに見せるノイズ処理などは備わっていませんが、業務として映像を扱うのであれば、Pro Display XDRとMacだけで完結してしまう用途はたくさんあるはずです。

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重箱の隅をつつくのであれば、BVM-XM310のデュアルピクセルモニタよりは視野角が広いものの、斜めから見るとトーンカーブが変化します。おそらくVA型液晶をベースとしているのでしょう。テレビであれば弱点ですが、オペレータがひとりのPCという意味では弱点とは言えません。

一方で少し気になったのは、ホワイトバランス。平均輝度が高く、色彩豊かなシーンでは気になりませんが、モノクロに近いような映像になると、すこし寒色系のグレートーンに見えました。調整は可能なようですが、この価格ならば出荷時のバランス調整を追い込んで欲しいものです。

キャリブレーションも気になる方がいるでしょう。Appleはローカルディミングに使うLEDの個体差や液晶のムラなども含め、1台ごとに計測し、補正値を組み込んでいるとしていますが、Apple自身がキャリブレーションを提供することはないそうです。

しかしサードパーティのカラーキャリブレーションシステムと連携はしており、Apple以外のメーカーから、Pro Display XDR向けキャリブレーションが提供されるとのこと。

なお、まだ公式なアナウンスはありませんが、iPad ProのUSB Type-Cコネクタから接続も可能なようです(6Kでの出力が可能かどうかは現時点では不明)。

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結論として言うならば、パソコン用ディスプレイとしては比較対象はなく、業務用モニタとの比較になりますが、作業用ディスプレイがマスターモニタ品質というのは、何かの冗談のようですらあります。Mac Proよりもむしろこちらの方が"凄さ"では上でしょう。すごく高価だけれど、解っている人からすれば激安。Pro Display XDRはそんな製品でした。

おまけでMac Proに関しても少しだけ

新しいMac Proは原点回帰。"PowerMac G5 Mark III"という印象です。

当時と同様、コストをかけてフレームの空間を用途ごとにわけ、モジュールの種類ごとに美しく分割されています。

価格を考えれば個人が簡単に買える製品ではありませんが、Pro Display XDRとの組み合わせただけで、プロフェッショナル向けの品質が得られる点は大いに評価したいところです。

ところで、Mac Pro、Pro Display XDRともに言えることですが、価格はめっちゃ高いけれど、でもその実力は価格以上。製品満足に対するコストという意味では、むしろお得感があるわけですが、そんなことをお鮨屋さんとして実践し、今も75%もの原価率で営業するお店があります。

筆者が書いた「蒲田 初音鮨物語」の主人公で、ミシュランの二つ星をご夫妻だけで11年連続獲得した中治勝さんとみえ子さん。そんな二人の物語が、いくつかのエピソードを再現ドラマ化しつつ、NHKで6月10日夜10時から放映されます。今、話題の山里亮太さんがメインの司会。

めっちゃくちゃ蛇足ですが、価格の高低ではなく、その製品、サービスの品質にこそ、価値があるのだという意味で人生の教訓ともなる話ですから、ぜひ番組をご覧になってください。
プレスリリース




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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