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電車派のためのAirPods? PowerBeats Proをチェックする(西田宗千佳)

Apple製品との相性抜群、遮音性・電池持ち・操作性はAirPodsより上

西田宗千佳
2019年6月9日, 午前11:45 in Apple
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アップル傘下のBeatsは、完全ワイヤレス型のヘッドホン「PowerBeats Pro」を発売する。日本での価格は2万4800円(税別)。発売は6月と予定されているが、どうも遅れる気配が濃厚だ。

そんなPowerBeats Proだが、アメリカではすでに発売済み。といっても、色は黒のみで、本来は存在する別の色はまだ発売されていない。そして、その黒も店舗によっては売り切れと、なかなかの人気となっている。アメリカで一足先に手に入れたので、その価値をチェックしてみよう。

Beats
▲PowerBeats Proのパッケージ。筆者はアップル本社にあるVisitor Centerのアップルストアで購入した

Beats▲パッケージをあけたところ。シンプルに本体(ケース)とケーブルなどしか入っていない

■アメリカのヘッドホン市場を変えた「Beats」という企業


機能を説明する前に、ちょっとBeatsの歴史を説明しておこう。BeatsことBeats Electronicsは、ご存じの通りヘッドホン関連専業のメーカーだ。創設者は、ラップミュージシャンのDr. Dreことアンドレ・ロメル・ヤングと、音楽プロデューサーでブルース・スプリングスティーンやU2を手がけたジミー・アイオヴィン。2010年代になってから、巧みなマーケティング戦略とアメリカのティーンの好み合った音作りで、ヘッドホンの一大ブランドにのし上がった。初期にはHTCやMonsterと組んでいたが、2014年にアップルに買収され、傘下に入った。ちなみにジミー・アイオヴィンは今もコンサルタントとしてアップルに協力し、Apple Musicに関わっている。

2010年代のBeats by Dr.Dreの勢いは本当にすごかった。一時はアメリカにおいて、10代に対するブランド認知度が70%を超え、アップルなどと並ぶ存在になっていたのだ。

ヘッドホンにおけるワイヤレス全盛の流れも、Beatsの存在感と無縁ではない。スマホが一般的になるのに合わせ、Beatsは主力製品をいち早くワイヤレスにした。そのことで市場をリードに、2010年代半ばにシェアを拡大したのだ。アップルが同社を買収したのも、そのタイミングだ。

日本ではヘッドホンのワイヤレス化が少し遅れて進んだので、そこまで「開拓者」のイメージはないかもしれない。だが、少なくともマーケティングとワイヤレス化の2点において、Beatsはヘッドホン市場の開拓者だった。

一方、昨今のワイヤレスヘッドホンを支える、左右分離型の「完全ワイヤレス」市場においては、リーダーは親会社のアップルだ。Beatsはなかなか製品を出さなかった。そこに、ようやく登場するのが「PowerBeats Pro」、ということになる。アメリカでの人気については、そうした背景を加味する必要があるだろう。

■カナル型ゆえの没入感が魅力、音質もかなり良好


では、実機を見ていこう。

PowerBeats Proは、耳に差し込む、いわゆる「カナル型」に近い構造を持ったヘッドホンだ。耳にかけるフックがあり、その結果、つけても外れにくい。この点が、AirPodsとの最大の違い、といってもいい。

Beats▲AirPodsとPowerBeats Proを比較。下に伸びて耳の入り口で支えるAirPodsに対し、PowerBeats Proは耳全体で支えて耳の穴に入れる、という感じ。「b」のロゴはボタンになっていて、曲送りや再生停止に使う

他の完全ワイヤレス型と同じく、バッテリーの搭載されたケースと本体がセットになっている。充電はケースに入れて行い、普段はケースから出して使う。

フック付きであり、本体も大柄なので、ケースはAirPodsよりかなり大きい。胸ポケットに入るサイズであるAirPodsのケースを見慣れていると、その巨大さに「うっ」と一瞬たじろぐほどだ。移動中はカバンの中に入れておいた方がいい。
Beats
▲PowerBeats Proのケース。手で握れるくらいの大きさで、ポケットにはちょっと入らない
Beats▲AirPodsのケースと比較。かなりはっきりサイズが違う

一方、本体サイズが大きいメリットもある。とにかくバッテリーが持つのだ。

AirPodsの動作時間は3時間であるのに対し、PowerBeats Proは9時間も動作する。一日使う場合でも、ほぼ付けっぱなしにできるくらいの長さだ。AirPodsは「通勤・通学中に使って、あとはしまっておく」ような使い方がフィットするが、PowerBeats Proは「つけっぱなし」でもいい。一方で、ケースから充電できる時間はAirPodsと同じ24時間となっている。ケースと組み合わせての充電回数は、両者であまりかわらない、ということになる。

音質傾向もかなり違う。

もちろん一番の違いは、カナル型であるがゆえの「遮音性」だ。逆に「音漏れの少なさ」ということもできる。

AirPodsはその構造上、周囲の音が入ってきやすいし、漏れやすい。経験上、音量が6割から7割までならさほど外に音は出ていかないが、それ以上になると漏れてしまう。電車内でも、派手に音漏れさせている人を見かけることがある。また、電車のホームに入る時の音など、比較的大きな音は聞こえる。完全に遮音してしまわないのは、安全の面ではプラスといえるのだが、一方で、音楽に没入するにはマイナスである。音漏れが問題になるのは、音量を上げて周囲の音を消そうとするからでもある。

PowerBeats Proはカナル型なので、周囲の音はかなり聞こえづらくなる。さすがに飛行機の中のエンジンの音は消せない。そういうシーンはノイズキャンセル型ヘッドホンの出番だ。だが、日常の生活音や電車の音などはある程度消える。この点が気になってAirPodsが選べなかった人には、PowerBeats Proがいいだろう。

では、籠もった音なのかというとそうではない。意外にもフラットで聞きやすい音質だ。Beatsというと、その名前から示すように低音重視なのかと思いがちだが、昨今の同社の製品はかなり「ナチュラル」な音作りになっている。率直にいって、この種の製品の中ではトップクラスの音質だと感じられる。

PowerBeatsというブランドは、元々フィットネスなどを指向したものである。落ちづらいのもその辺を考えてのことだ。ただ、これはあくまで「室内フィットネス用だ」と筆者は考える。この遮音性のもので外を走ることはあまりお勧めしない。

形状から、どうしても付けるまでの手軽さではAirPodsに負ける。慣れるまではちょっと時間がかかる。その形状から、メガネとの相性が悪そうだと思う人もいそうだが、実際のところ、その辺はあまり問題ない。

■「アップルのワイヤレス製品」であることが大きな強み


とはいうもの、世の中には、カナル型の完全ワイヤレス型のヘッドホンも増えている。筆者が持っている製品の中では、ゼンハイザーの「MOMENTUM True Wireless」などがお勧めだ。単にカナル型を探すなら、もはやPowerBeats Proにこだわる必要はない。

しかし、PowerBeats Proの最大の利点は、ワイヤレスコントロール用のLSIがアップルの「H1」であり、最新のAirPodsと同じである、という点だ。

アップルのワイヤレス製品は、「アップル製品と組み合わせた時」という条件がつくものの、設定がとにかく簡単だ。画面を一度タップするだけで終わる。

また、複数の機器でヘッドホンを使い回す時の「切替」が楽なのも利点である。こちらはアップル製品限定の話ではない。

例えば、スマホでヘッドホンを使ったあと、PCで使うとしよう。2つ以上の機器に同時に接続できる製品の場合なら「両方にペアリングしておく」のでいいが、そうでない製品が最近増えている。その場合はどうするのか? 通常は、まずスマホでの接続を切り、PC側で接続し直す。両方の機器を操作する必要があるのだ。

だがアップルのヘッドホンの場合、「次に使う機器で接続をする」と、前の機器との接続が自動的に切れる。この場合なら、PCの側だけ操作すればいい。

この仕様は本当に楽だ。「スマホでしか使わない」という人にはあまり意味がないが、スマホ・PC・タブレットと、複数の機器を使う人にはとてもありがたい。この要素があるので、もっと音がいい製品はあるのに、AirPodsを使ってしまうことが多いくらいだ。

話が長くなったが、要はPowerBeats Proも同じ仕様である、ということだ。だから、複数機器での使い回しがシンプルになる。このことは、少なくとも筆者にはとても大きな要素である。

また、音量コントロールや曲送りが「物理ボタンである」のも、PowerBeats Proの良さと言える。タップしてコントロールは未来的だが、確実性の面で、物理ボタンにはかなわない。特に音量コントロールを、スマホを取り出さずにできるのはありがたい。

このように、PowerBeats Proは「AirPodsに不満を感じる人向けのAirPods」といってもいい内容になっている。だからこそ、多くの人にお勧めできる。

問題は、価格が2万5000円程度とそこそこ高いこと、そして、ケースの充電がLightning端子である、ということだ。まあ、iPhoneユーザーにとってはマイナスではないのだが、汎用のもの、いまならUSB Type-Cの方がありがたいのは事実。真面目なところ、iPhoneがLightingであることすら面倒くさい。microUSBを使った製品も買いたくない。そろそろケーブルも端子も統一したいのだ。
Beats
▲付属品。充電用のケーブルはLightning。色はボディカラーに合わせたものになっている

というわけで、それらのマイナス点がきにならないなら、PowerBeats Proは強くお勧めできる製品だった。日本で発売されたら、店頭などでチェックしてみていただきたい。

【お詫びと訂正:2019/06/09 12:30】
初出時、製品名に誤りがありました。読者の皆様にご迷惑をおかけしましたこと、お詫びいたします。記事本文は訂正済みです。




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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