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携帯解約金は何のため?上限1000円に憶える違和感:本田雅一のウィークリー5Gサマリー

両者見落としているところに着地点があるのでは?

本田雅一, @rokuzouhonda
2019年6月12日, 午前07:30 in 5g
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折りたたみスマホ Galaxy Fold レビュー。ガチ勢専用の高コスト可変機
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折りたたみスマホ Galaxy Fold レビュー。ガチ勢専用の高コスト可変機

Ittousai, 10月11日
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先週の5G関連の動きで気になったのは、中国における5Gサービス開始に向けて、中央政府が4社に営業許可証を発行したという話題でしょうか。米中貿易戦争とファーウェイ排斥の動きは、5Gの時代に向けての"知財戦争"的な側面が強く、5G普及期にはグローバルにおけるモバイルユーザーの3割を占めるだろうと言われる中国でのサービスを前倒しにすることで、米国の動きを牽制しようとしているのかもしれません。

......なんて話は、あまり本誌の読者には関心の薄いところかもしれませんね。

と、このように重い話題もあったわけですが、本筋はもう少し軽めの話題を取り上げ得たいと思います。

先週はAppleのWWDCをEngadget 日本版編集長のACCN(記事書きました?)とこなしていたため、E3に絡んでのGoogle Stadiaの発表も生では見逃してしまいました。

Stadiaに関しても、それなりに書きたいことはあるのですが、それより何より不可解に感じているのが日経新聞による「2年縛り契約の解除料が現在、キャリア3社横並びの9500円であることを改めて最大1000円とする」という政府方針のリーク。

あくまでもリーク記事なので、どこまでのニュアンスが正確なのかはわかりません。しかし、この方針そのものにはもちろん、賛否両論出ている双方の意見にも少々違和感を憶えます。

それ、5Gと何か関係あるの? と言われるかもしれませんが、ほんのりと関係があります。

将来的に5Gを基礎にした社会変革が起きるとしても、当初は電波の利用効率向上などにより長期的な通信コスト削減を狙って5G化への道を歩み始めることになると思うのですが、このところの政府方針を反映しての動きが顧客の流動性を高める一方、5G端末の普及には遅れが出る可能性があります。

もちろん、政府の狙いは携帯電話事業者間の競争を促し、今や生活基盤にもなっている通信料金を下げることが目的なのでしょうけれど、これが各社の5G戦略にどう影響するのかは、まだ見えにくいところです。

5g

顧客の流動性が高まれば(携帯電話事業者間の乗り換えがしやすくなれば)、5Gサービスの品質やサービス内容によって、顧客の事業者間移動がしやすくなることがインフラの質を高める結果につながるかもしれません。その場合、端末買い替えが少々遅れても、最終的には"日本国として全体では良かったね"となるかもしれません。

現時点では結果を予想するのは時期尚早かなぁとも思っていますが、そもそも複数年契約による割り引きに関して、諸々の疑問があるのでまとめてみましょう。

そもそも"なぜ複数年契約で安くなる"のか

なぜ複数年契約をすると安くなるのでしょう。顧客獲得コストに対し、その顧客が一定期間留まってくれるという利点だけに、料金割引のインセンティブが生じているわけではありません。

ネットワークへの投資回収の進行や、オペレーションの最適化などで、通信の原価は少しずつ安くなっています。複数年縛りによる料金割引は、この"将来の原価下落"先取りによる部分も大きいのです。

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"今後、5Gへの投資が嵩む"という部分を抜きにして、過去10年をふり返ってみると、通信容量あたりの原価は年平均で23%ぐらいずつ下がっています(MVNOなどに提出された資料による)。この掛け算を3年続けると半分以下、控え目に言っても半額になります。

もちろんこれは通信回線の原価であるため、商品となるサービス価格を決める要素のひとつであって、全てではありません。しかし原価が下がれば料金も下げられるため、複数年契約では安くなるのです。

これはあくまで「将来のコスト下落を先取りしている」のですから、途中解約した場合は違約金が発生します。厳密には「いつ解約したか」で、先取りしていたコスト下落分は異なりますが、それでは仕組みとして複雑になりすぎるため、一律で9500円としているのでしょう。

原価下落のペースは各携帯電話事業者でおおよそ同じのようですから、3社横並びで解約料が同じというのも、実はおかしな話ではありません。

しかし、解約した場合の違約金を1000円一律とするのであれば、そもそもの計算が狂ってきます。間接コストや業務効率改善でのコスト削減分ではなく、原価コストの下落分先取りがなくなるのですから、当然、消費者向けの価格は高くなるでしょう(もし高くならないとすれば、間接費用で吸収出来るぐらいに暴利をむさぼっていたことになってしまいます)。

同じテーマで石川温さんもコラムを書いており、そうした視点での混乱もあるでしょうが、通信原価にかかる料金プランの部分で政府が介入することには、違和感を憶えざるを得ません。

では、今の複数年契約プランに問題がないのか? と言えば、これはこれで問題があります。


契約年数を超えたなら、いつでも解約できるべき

さて、複数年契約で価格が安くなる理由には、長期契約してもらうことによる収益源の安定という、ある意味、企業側にとっての安心料、悪く言えば囲い込み的な部分もあるわけです。一方で、原価下落の先取りという側面が大きいこともわかってもらえたと思います。

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前者の戦略的な部分をどの程度まで勘案するかにもよりますが、通信容量あたりの原価を元に考えるならば、2年契約、あるいは3年契約といった長期契約を終えたならば、その先は"自由の身"になっていいはずです。

何年か後にはさらに通信コストが安くなり、別の携帯電話事業者、あるいはMVNOがより魅力的なプランを用意しているかもしれません。契約を終え、自由の身になっているはずなのに、解約期間を過ぎると次の長期契約が自動的に始まるというのは、あまり合理的な話とは言えません。

まずは契約者を自由にし(無料で解約できるようにする)、その上で、長期契約でさらにお得な料金を提示するか、あるいは別事業者へと切り替えるか、余裕をもって選べるようにすべきでしょう。

いつの間にか複数年契約が終わり、そのままだった......なんて場合もあるはずです。事務手続き上のコストや、前述した安心料的に引き下げている部分があったとしても、ここは1000円以下の契約解除料であるべきなのは間違いありません。

いずれにしろ、複数年契約の解除料金を一律上限1000円とするなんて、馬鹿馬鹿しいと思うのですが、本当に政府はそんなことを考えているのでしょうか?

あとから総務省や官房に近い議員さんから話を伺うと、「実はね......」なんて本当のところは違うことがありますけれど、世の中、忖度の塊で動いている部分もあるため実態は見えません。いち消費者としては不幸な着地点に降りないことを祈るばかりです。




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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