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「iPadOS」でiPadはどう変わったのか?Sidecarだけじゃない進化点を総ざらい(西田宗千佳)

痒いところに手が届くアップデートが多数

西田宗千佳
2019年6月25日, 午後12:40 in ipados
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Ittousai, 9月20日
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iOS 13 / iPadOS / macOS Catalinaのパブリックベータテストが開始された。取り急ぎ、取材に基づく特別な許可を得た上でファーストインプレッションをお届けする。

特に多くの読者が気になっているのは、「iPadOSがどうなったか」「macOSと連携するSidecarの使い勝手はどうか」といったところではないだろうか。本記事では、特にそこに絞って解説していきたい。


ファイルの扱いがより「PCっぽく」なった

「iPadOSで、iPadはさらにPCっぽく使えるようになる」

そう期待している人は多いだろう。実際、それは正しい。iOS 12の時代に比べ、いろんな部分がずっとPCに近くなる。

もっとも象徴的なのが、「USBメモリなどが扱えるようになる」こと、そして「Safariでファイルのダウンロードができるようになる」ことだろう。使い勝手も機能も、PCやMacにかなり近い。Zipの圧縮・解凍やNASへの接続もできる。

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▲「UNTITLED」という項目がUSBメモリ。中身がちゃんと見えている点に注目

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▲Safariで「ダウンロード」も可能に。UIはMacとほぼ同じ

今回Appleは、「iPadの中でファイルをどう扱うのか」という宙ぶらりんだった部分にそれなりの決着を付けている。PCと全く同じとまではいかないものの、「自分でフォルダを作り、そこに文書を保存する」という形をちゃんと作ったのである。これなら、出来上がった文書データをUSBメモリやクラウドストレージにコピーして誰かに渡す......といった作業もずいぶんスムーズになるだろう。

重要なのは、「USBメモリやインターネットから取得したデータをいかに隔離して安全に扱うか」ということ。そういうことができるように、「ここにはファイルを置いていいけれど、アプリには直接実行させない」というモデルをうまく作ったわけだ。その仲立ちとなるのが「ファイル」アプリである。

なので、こんな面白いことができる。SafariからダウンロードしたデータはiPadの中だけでなく、「ファイル」に紐付けられたクラウドストレージ、例えばiCloudやDropboxにも保存できるのだ。もちろん、いったんダウンロードしてからそれらのストレージにわざわざ「アップロード」するので、時間はかかるが。

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▲ダウンロード先は自分で指定可能。クラウドであるiCloud Driveの他、iPhoneやiPadの中、他のクラウドストレージでもいい。

実はこのあたりの機能、別にiPadOSに限ったものではない。iOS 13でも、同じことができるようになっている。要は、iOS 13で「ファイル」周りの基盤整備をしたうえで、iPadOSという「タブレットUIの整備」に乗り出した──つまりはそういうことである。

日本後入力のスペースがついに「全角スペース」標準に!

ああ、そうそう。

整備という意味では、日本人にはとても重要な変化があったことをお伝えしなければならない。

なんと、iOS 13 / iPadOSでは、「日本語入力時のスペースが、基本的に全角スペース」になったのだ。iOSではずっと基本が半角スペースで、Macを含めた他のプラットフォームとは違っていた。なぜそうなっていたかは正直疑問だが(実際なんどもAppleの関係者に疑問をぶつけたが、納得のいく答えは返ってこなかった)、それがようやく「全角」になった。ちなみに、半角スペースの入力は「Shift+スペース」である。

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▲スペースがようやく「全角スペース」基本に。Shiftを入れた状態だと「半角スペース」になる

改善された「マルチタスク」「Apple Pencil」「文字選択」

じゃあiPadOSの美点はなにか?

筆者が使ってみた限りでは、「マルチタスク」「Apple Pencil対応」「文字選択の改善」「Sidecar」にあると感じた。

「マルチタスク」は以前から採用されているものだが、「1アプリ1枠」という制限が外れたことと、Slide Overで複数のアプリ利用履歴が切り換えられるようになった。前者により、「ファイル」アプリを2つ並べてファイル整理をしたり、「メモ」を並べて文章を比較したりできるようになる。これはかなりPCっぽい。実際便利だ。だが、「1アプリで複数の枠を使う」にはアプリ側の対応が必要で、現状では、OSに付属するアプリでしか使えない。主要アプリの対応が進めばかなり状況は改善するだろう。

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▲同じ「ファイル」アプリが左右に並んで表示されている。これができるのはiPadOSだけだ

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▲Slide Overでは複数のアプリからの切替が可能に。いろんな情報を確認しながら作業する時などに向いている

2つ目の「Apple Pencil」は読んで字のごとく。特に今回は「PencilKit」というフレームワークが用意された結果、対応アプリではリッチなOS標準のペン入力機能が使える。ペン対応アプリに拡充が期待できるわけだ。スクリーンショットを作成して「注釈」を入れる機能でも、表示されている画面領域だけでなく、文書やウェブページ全体をキャプチャできるようになった。これは非常に便利である。

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▲注釈を入れる機能はさらに向上。今回はページ全体を一度に、スクロールさせることなくキャプチャすることができ、より簡単だ

文字選択などのジェスチャーは大きく変わった。三本指で画面を触り、「コピー」「ペースト」「アンドウ」などが行える。ただ正直、三本指を開いたり閉じたりスワイプしたりという動作は、どうにも筆者にはわかりづらい。どの操作がどれにあたるのか、正直まだピンと来ていない。

だが、そこはあまり気にしていない。実は「三本指タップ」という機能が用意されていたからだ。こっちの方が重要な操作である。

三本指で画面をタップすると補助メニューが表れ、ボタンを押すだけでコピーやアンドゥができる。貼り付けのために、貼り付けたい場所で長押しするより、三本指タップの方がずっと簡単だ。

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▲上に出ている細長いメニューが「三本指タップ」で出てくるサブメニュー。アイコンをタップすると、コピーやペーストが可能だ

カーソル移動や選択はかなり賢く、スムーズになった。指一本でなぞって選択し、三本指タップでメニューを出してカット......といった操作は苦も無くできる。タッチ操作でカーソルキーが使えない環境での文字入力は、ずいぶん楽になった印象がある。

非常に便利なSidecar、だが意外な弱点も

最後の「Sidecar」は、macOS Catalinaとの組み合わせで使える機能だ。

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▲MacとiPadをつないでSidecarを使ってみた。左のiPad ProがMacBook Airのサブ画面になっている

iPadのディスプレイをMacでサブ画面として使いたい、そんなニーズはかなり一般的なものだと思う。複数のサードパーティ・ソリューションがあることからも明白だ。

ただ、サードパーティ・ソリューションは、なかなか「これ」という決定打がなかった。昨年、Astopad社が「Luna Display」とその技術を活用したアプリ群を出したことで、ずいぶん使い勝手も上がったと思う。

一方Appleは、そこにゆっくり参入し、OS標準の強みを活かそうとしている。Apple界隈ではよく見かける光景でもあるが。

では、サードパーティーのものに比べ、Sidecarはどこがいいのか?

まず「シンプル」なのがいい。別にハードウェアを用意する必要もないし、OSへのドライバなどのインストールも不要。iPadもmacOSも最新OSである必要はあるが、シンプルといえばこれ以上シンプルな構成はない。

ネットワークなどの条件もシンプルだ。サードパーティ・ソリューションでは、企業内LANやコワーキングスペースなどの公衆Wi-Fiでは動かないものもある。だが、Sidecarなら特に問題なく動く。

表示品質もいい。サードパーティのものは画面が素早く動くと表示が荒れることもあるが、Sidecarはそれがない。

Apple Pencilを使うことだってできる。もちろん、筆圧などもちゃんと検知してくれる。iPadで直接Apple Pencilを使うのに比べると遅延があるので、気になる人はいるかもしれないが、補助的に使うなら十分だと感じた。キーボードショートカットやTouch Bar互換の機能も備えている。

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▲Sidecarを使っている最中のiPadの画面。キーボードショートカット代わりのボタンや、Touch Barが表示できる。オフにして画面を大きくすることも可能

驚くほどシンプルに、驚くほど普通に「サブディスプレイ」になるのがSidecarの利点だ。

一方で使ってみると欠点も見えてきた。

最大の問題は、ソフトウェアで実現されたソリューションなので、処理負荷が意外と高いことだ。特に、サブディスプレイ側に動画を表示するとかなり厳しい。MacBook Air(2018年後半モデル)では、動画再生時にCPU負荷が5割を超えてしまい、操作がかなり重くなった。MacBook Pro(13インチ、2017年モデル)でも動画再生をすると重かった。動画再生などをせず、普通にウェブを見たり文書を書いたりするなら問題は起きないので、要は「使い方次第」ということなのだろう。CPU性能に余裕がある、より上位のMacBook ProやiMac Proなどなら、あまり気にならない可能性が高い。

また、意外なことに「タッチ」にも対応していない。いや、正確には、Sidecarのタッチ対応は「タッチパッドのエミュレーション」に近く、iPadで我々が思い描く「タッチ」ではないのだ。例えば、SidecarでMacのSafariをiPad側に表示しているとしよう。我々の生理的には、「一本指でスクロールし、タッチでリンクをジャンプする」挙動を期待する。だがそうはならず、「二本指のタッチでスクロール」するだけだ。クリックするには、マウスカーソルをサブディスプレイ側に移動させ、普通に「クリック」する。

要は、Sidecarは「マシンパワーを使ってシンプルなサブディスプレイ+Apple Pencil対応を実現する」ものなのだ。利点は多いが、タッチ対応やパフォーマンスの面で、サードパーティー・ソリューションが有利な面もある。

とはいうものの、「誰もがこれを使える」ことの価値は大きい。MacとiPadを両方持っている人にとっては、なによりの贈り物といえるだろう。




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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