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相転移時の原子の振る舞いを4D捕捉した結果、理論的な予測との矛盾点見つかる

「物質の三態、はい、ここテスト出るよー」

Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年7月3日, 午前11:58 in Science
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学校の化学の授業で「物質の三態」という言葉を学んだことを覚えているでしょうか。あらゆる物質には、固体・液体・気体の3つの状態があるという話です。そして、ある状態から別の状態へと移行する際に起こる凝固、融解、蒸発などといった以降現象は、「核生成(もしくは核形成)」と呼ばれ原子や分子のごく小さな核(クラスター)の合体が起こります。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)を筆頭とする科学者からなる研究グループは、物質が状態を変えてゆく際の原子の動きを、3Dに時間を加えた4Dで捉え観察しました。その結果、核生成現象には従来の理論からは矛盾する点をみつけたとのこと。これは材料や化学、生物学的プロセスにおける開発や研究に大きな価値をもたらすかもしれません。

研究者らは、ローレンス・バークレー国立研究所にある原子の中身まで調べることができる最新の3D電子顕微鏡を使い、人毛の1/10000ほどのナノ寸法でスライスした鉄 - 白金合金を調べてみました。このサンプルを520℃に加熱し、回転させつつある固体状態から別の固体状態へと変化させました。そしてその様子を開始9分後、16分後、26分後に3D画像として取得しました(多くの物質は複数の固相を持ちます。たとえば炭素はグラファイトやダイヤモンド、フラーレンといった具合)。

さらに、チームは特殊なアルゴリズムを使い、単一ナノ粒子内にある13の原子幅を持つ33の原子核を追跡して調べてみました。すると予想どおり、合金はやや不規則な形状から、白金と鉄の原子が整然と並びきれいな形に変化したとのこと。ただし、科学者らは理論的に予測される整然とした整列状態でなく、不規則な状態が形成されていたことに注目しました。そして原子の状態の境界かっちりと揃っているわけではなく、物質の表面近くでより強く乱れることがわかりました。これはルービックキューブの開始から完成までのあいだに、様々な色の配置状態ができる様子に似ているかもしれません。

肉眼では到底見ることのできない世界で何が起こっているかを突き止めたところで、多くの人は関係ないと思っているかもしれません。しかし、これは核生成が実際に起こっていることを捉えた最初の研究結果といえます。この論文を共著したPeter Ercius氏は「核生成は基本的に多くの分野で未解決の問題です」と前置きしつつ「その様子をイメージできるようになれば、次はそれを制御する方法を考え始められます」と述べました。

この研究は今後、いまより強く軽く求められる条件を満たせるわれわれにとって都合の良い材料であったり、これまでできなかったような科学的、生物学的反応の深い理解につながる可能性があると考えられます。



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