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ソラコム、iPhone用eSIMプロファイルの配信に成功:週刊モバイル通信 石野純也

技術をお披露目

石野純也 (Junya Ishino)
2019年7月3日, 午後01:25 in mobile
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矢崎 飛鳥, 10月29日
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IoT専業のMVNOで、17年にKDDI傘下になったソラコムは、自社イベントの「SORACOM Discovery 2019」で、テクノロジープレビューとして、eSIMプロファイルをiPhoneにダウンロードするデモを披露しました。

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▲ソラコムが、iPhone用のeSIMプロファイル配信に成功

ソラコムのIoT SIMは、もともと「グローバルSIM」という名称で、海外のローミング専業キャリアから回線を借りることで実現していました。端末に組み込む形でのeSIMはすでに提供されていますが、今回披露したのは、いわゆるコンシューマーデバイス向けのeSIM内蔵型デバイスに、自社のプロファイルを書き込むというものです。

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▲eSIMとして配布したのは、左のIoT SIM。海外キャリアのMVNOとして、ソラコムが自前で加入者管理機能を運用している

ただし、これは商用サービスを前提にしているものではなく、あくまで位置づけは技術のお披露目といったところ。ソラコムのビジネスモデルはB2Bに特化しているため、一般のコンシューマーに、同社が直接eSIMのプロファイルを提供する可能性は低いでしょう。どちらかといえば、この技術を使いたい事業者に対してアピールする狙いがありそうです。
 
同社の代表取締役社長、玉川憲氏も「現状はテクノロジープレビューという位置づけで、今後はお客様やパートナーのご要望をうかがったうえで、協議していきたい」と語っていました。とはいえ、活用の幅は広く、ビジネスとして展開される可能性は十分ありそうです。

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▲技術を公開した狙いを語った玉川社長

たとえば、ソラコムがMVNEとして、他のMVNOにこの技術を提供することもできます。実際、物理的なSIMカードでは、ソラコムをMVNEとして活用し、MVNOが訪日外国人向けのサービスを提供するといった事例もあります。同じような形でMVNOがコンシューマーとの間に入れば、eSIMを使った海外用サービスが実現できるでしょう。玉川氏も「ご要望があれば可能」(同)と語っていました。
 
また、ソースネクストが販売する「POCKETALK」も、ソラコムのSIMカードを採用するIoTデバイスの1つですが、こうした端末にeSIMを組み込んでおけば、物理的なSIMカードを挿すことなく、ユーザーがオンラインで回線を契約でき、利便性が上がります。IoT SIMは世界130カ国でつながるエリアの広さが魅力なだけに、翻訳機のような端末とも、特に相性がよさそうです。

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▲POCKETALKの回線にも、SORACOMのIoT SIMが利用されている

ちなみに、SORACOM Discovery 2019では、IoT SIMの料金値下げも発表されました。もともと同社のSIMカードはIoT向けということで、従量制の安価な料金が採用されていました。基本料金は1日0.08ドル(約8.7円)、データ通信料も1MBあたり0.08ドルからでした。この1MBあたり0.08ドルという料金が、欧州の主要国で0.02ドル(約2.1円)に引き下げられました。
 
日本では少々割高で、ドコモにローミングでつながり、0.2ドル(約21.7円)の料金がかかっていましたが、これも親会社であるKDDIに接続することで、0.02ドルまで料金を抑えることが可能になります。KDDI回線への接続はあくまでプレビューという形ですが、上記に挙げたPOCKETALKのように、日本での使用例がある場合には、うれしい値下げといえるでしょう。

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▲IoT SIMはMBあたりの料金が値下げされ、日本ではKDDIにも接続するようになる

この価格でそのままコンシューマーに提供できるわけではありませんが、ソラコムの回線を活用する事業者が、ここにいくらかを乗せて料金設定することは十分可能なはず。値下げにより、競争力も上がるため、サービスを提供できる可能性は高くなったといえます。親会社のKDDIも現在、eSIMを活用した海外向けのサービスとしてGigskyの北米向けプランを提供していますが、子会社のソラコムを活用すれば、より柔軟な料金設計ができるはず。国際ローミングとバッティングする問題もありますが、何かしら、ビジネスにつなげてほしいと感じました。

ソラコムのeSIMプロファイルは、単に基調講演で紹介されただけでなく、実際にSORACOM Discovery 2019の会場で、100名に配布されました。筆者も、いつものとおり、手持ちのiPhone XRにこのeSIMプロファイルをダウンロードし、簡単なテストをしています。まず、プロファイルのダウンロードですが、他のeSIMサービスと同様で、QRコードをiPhoneのカメラで読むだけと、操作は簡単です。あとは画面の指示に従って、設定をしていくだけで、iPhoneがDSDS(デュアルSIM/デュアルスタンバイ)になります。

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▲QRコードをスキャンしたところ、あっさりとプロファイルがダウンロードされた


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▲主回線で待受けしつつ、ソラコムのIoT SIMで通信できた

データ通信の速度は、下りがおおむね4Mbps弱といったところ。AmazonのAWS上にコアネットワークを置いているソラコムらしく、スピードテストアプリのプロバイダーが「Amazon」になっていたのは、おもしろいポイントといえるかもしれません。ローミングを介している割に遅延が小さいのは、ソラコムが「ランデブーポイント」と呼ぶ設備を日本に置き、データ通信の中身を日本で完結させているためとみられます。なお、このランデブーポイントによる遅延の低減についても、SORACOM Discovery 2019で発表されたものです。

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▲データ通信のスループットはおおむね4Mbps弱。遅延が小さい点にも注目

やや蛇足気味の話になりますが、基調講演では、eSIMプロファイルの配布をどのように実現したのかの詳細が語られていなかったので、もう少し深堀りしてみようと、QRコードの中身もチェックしてみました。eSIMを設定するためのQRコードには、「SM-DP+アドレス」や「アクティベーションコード」などが含まれており、これはiPhoneでも、手動で入力することができます。このアドレスを見ることで、どこのサーバーを使っているかなどの情報が、ある程度明らかになります。

eSIMに対応していないAndroid端末でQRコードを読み込んでみたところ、このアドレスの一部に、「truphone」の文字を発見しました。Truphoneとは、イギリスに拠点を置くローミング専業キャリアで、iPhone向けのeSIMサービスをコンシューマーに直接提供しているほか、ソリューションとして、同業他社にもeSIMのプロビジョニングを展開しています。おそらくソラコムは、このサービスを使い、自社のプロファイルを書き込んだものとみられます。

いずれにせよ、eSIMの提供主体が増えるのは、ユーザーとして歓迎できること。上記のように応用できそうな事例も多く、ソラコムの既存のサービスとも相性がよさそうです。技術のプレビューを踏まえ、サービス化を検討する事業者が登場することを期待したいところです。




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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関連キーワード: esim, iphone, mobile, soracom
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