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ポルシェ911をシリコンバレーの新興企業がハイブリッド化

どんな911でも電気のパワーで150馬力アップ

Hirokazu Kusakabe
2019年7月14日, 午前11:00 in 911
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ポルシェ911といえば、1963年に初代モデルが登場して以来、世界中の自動車ファンが憧れるピュア・スポーツカーとしての地位を守り続けてきました。そんな911も時代の波には逆らえず、現在ドイツ・シュトゥットガルトのポルシェ本社では、現行モデルをベースにしたハイブリッド仕様の開発が進んでいるとの噂です。

しかし、ポルシェよりも先に米国カリフォルニア州のシリコンバレーにある小さな会社が、911のハイブリッド化に成功しました。しかも2〜3年後にポルシェから発売される911ハイブリッドと違って、あなたが現在所有している911を買い換える必要がありません。Vonnenという新興企業が開発したシステムをインストールすれば、既存のポルシェ911をハイブリッド化できるのです。そのプロトタイプに、Engadget 米国版の記者が試乗しました。

Vonnen's Shadow Drive 911 hybrid

Vonnenの「シャドウ・ドライブ」システムは、既存の911にモーターとバッテリー、そしてコントロール・ユニットとインバーターを追加することで、最高出力150馬力、最大トルク20.7kgmを発揮し、駆動力を増大させます。

いわゆるピザボックス型の電動モーターは、911の車体後部に搭載された水平対向6気筒エンジンと、その前方に位置するトランスミッションの間に挟む形で組み込まれます。このユニットの幅は25mmしかありませんが、既存の911のシャシーに押し込むためにはトランスミッションをそれだけ前方に移動させる必要があります。代わりにスターター・モーターとフライホイールは不要になるため取り外されます。

ポルシェ自身が開発しているハイブリッド911も同様のレイアウトになる見込みですが、最新型の911では、Vonnenが開発のベースにした旧型よりも、トランスミッションの全長が100mmも短くなっています。つまり、最初からここにモーターを組み込む前提で設計されているわけです。

Vonnen's Shadow Drive 911 hybrid

バッテリーパック(容量や種類は未公開)は、ボンネットの下(一般的なクルマならエンジンが収まっているスペースですが、エンジンを車体後方に積む911では荷室となります)に搭載。インバーターは後部座席の後方に置かれます。リア・ウィンドウを通して見えるこのインバーターのケースが、外から見てVonnenのハイブリッド911だと分かる唯一の識別点ですが、電動化によってパワーアップしたことを周囲には内緒にしたいとオーナーが望めば、他の場所に移す(隠す)ことも可能です。

他にモーターとバッテリーの冷却装置が追加されており、システム全体の重量は約95kgになるものの、スターター・モーターとフライホイールが除かれるので、実質的な重量増は約77kgほど。助手席に誰かを乗せた程度の違いですが、パフォーマンスの向上はそれを補って余りあるようです。

Vonnen's Shadow Drive 911 hybrid

北カリフォルニアの山道で、Engadget 米国版のRoberto Baldwinが試乗したプロトタイプは、991型と呼ばれる先代モデルのベース・グレード「911カレラ」に、開発段階のシャドウ・ドライブを組み込んだクルマです。ちなみにストック状態では最高出力350ps、最大トルク39.8kgmとなります。

Baldwinは「アクセル・ペダルを踏み込むと高周波音と共にパワーが押し寄せる」と書いています。そのフィールは「ターボに似ているが、ラグがなくてさらにパワフル。とても良い」とのこと。「数え切れないほどシートの背もたれに身体を押しつけられた」そうです。

車内には改造された形跡は全く見当たりません。シャドウ・ドライブは「ストリート」「スポーツ」「オーバーブースト」という3種類のモードに切り替えられるのですが、その操作は車載コントロール・ユニットとBluetoothで接続したスマートフォンの専用アプリによって行います。選択したモードによって、モーターによるアシストの仕方が変わります。スマートフォンの画面には、どれくらいパワーとトルクがブーストされているか、数値とグラフで表示されます。

Vonnen's Shadow Drive 911 hybrid

「ストリート」モードを選んでアクセルを踏み込んでいくと、比較的早くモーターがアシストを開始しますが、そのパワーは抑えられています。「スポーツ」モードはアクセルをさらに踏み込まなければモーターは機能しませんが、そこからさらに強力なパワーを発揮します。

そして「オーバーブースト」モードは、テスラの「ルーディクラス」モードと同様、ドラッグレース用の全開加速モード。自然吸気エンジンのクルマなら排気量2.0リッターのエンジンをもう1つ追加したほどのパワーとトルクを、モーターから引き出すことができます。ただし使用できる時間は限られており、モーターの発熱またはバッテリーの残量が限界に達したらそれで終了。サーキットか、あるいは他の911と信号待ちで並んだときに最大の効果を発揮するでしょう。

ちなみに米国の自動車雑誌『ロード&トラック』がテストしたところ、0-60mph(約96.6km/h)加速はノーマルの911カレラが5.0秒、シャドウ・ドライブのストリート・モードは4.0秒、そしてオーバーブースト・モードでは3.6秒を記録しました。さらに電動アシスト効果が顕著に現れるのは高速での追い越し加速です。5速ギアで50mphから70mph(約80km/hから113km/h)に加速する際、ノーマルの911カレラでは6.4秒を要するの対し、シャドウ・ドライブを使えばストリート・モードでも4.6秒、オーバーブースト・モードなら3.9秒に短縮されたそうです。



Vonnenによれば、このシャドウ・ドライブは、年式やグレードを問わず、ほとんどすべての911に装着可能とのこと。エンジンは水冷でも空冷でも、自然吸気でもターボでも、電子制御ユニットを改造する必要もなく、CANバスを介して得られるスロットル開度の情報に合わせて、シャドウ・ドライブのコントロール・ユニットがブースト量を調整します。トランスミッションも、マニュアルとオートマチックのどちらにも対応できますが、デュアルクラッチ式オートマチックのPDKと組み合わせる場合は、クラッチのスリップ量を制御するため、プログラムの書き換えが必要になります。また、4輪駆動モデルに搭載するには、フロントに駆動力を伝えるプロペラシャフトを、モーターの幅の分だけ(つまり25mm)、短く切り詰めなければなりません。911より安価な「ケイマン」や「ボクスター」にも搭載できるそうです。

旧い911でもエンジン自体に負担を掛けるリスクを冒さずに、大幅なパワーアップが可能ですが、しかしそのための費用は7万5000ドル(約810万円)と、決して安くありません。また、モーターが搭載されていても電気のみで走行できるわけではなく、ある程度アクセルを踏み込まなければ恩恵が得られないとなれば、燃費の改善もそれほど見込めそうにありません。では、何のためのハイブリッドなのかというと、Vonnenのチャック・モアランドCEOが掲げる目標は1つ。既に速いポルシェを「ただ、もっと速くするため」。実に明快ですね。

Gallery: Vonnen's Shadow Drive 911 hybrid | 7 Photos

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