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『マインクラフトのパチモノ』論争から見る中国人の意識変化(山谷剛史)

中国キッズはMinecraft派とMiniWorld派に別れ、日夜論戦を繰り広げている

山谷剛史, @YamayaT
2019年8月12日, 午後12:00 in Gaming
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今、中国のキッズゲーマーの間で論争が起きているという。日本人が昔学校で、任天堂派とソニー派、あるいはセガ派が加わって舌戦がおこなわれたようなことが、中国の学校の休み時間に起きている。トピックは「迷你世界(Mini World)」なるゲームの是非についてだ。

「Mini World」は、深センのMini Worldが2015年にリリースしたサンドボックスゲームだ。ゲームデザインは米マイクロソフトのMinecraft(マインクラフト)にそっくりな作りになっている。

Twitterに対する微博(Weibo)や、Googleに対する百度(Baidu)のように、"米国製を真似た"中国発のサービスは、本家サービスよりも中国人のハートを射抜き、中国国民に愛されることが多い。Mini Worldもその例に漏れず、中国ではマインクラフトよりも人気を博している。

Mini Worldは本家をしのぐ部分もあり、サンドボックスゲームでありながら、動きは本家マインクラフトよりも滑らかになり、カクカクさが減っている。また、アイテムや生物やキャラクターの種類もマインクラフトより多い。



本家マインクラフトは中国で2011年にリリースされている。2017年には大手ネット企業の網易(NetEase)が運営を開始したが、筆者がそれ以前にもマインクラフトは中国で人気を得ていたと記憶している。

筆者自身、当時の中国でのマインクラフトの人気ぶりについてとあるメディアの記事で「掲示板サイトのマインクラフトフォーラムのフォロワー数や書き込み数は当時売り出されたPS4以上の人気」「ゲーム実況動画や、作品紹介動画が人気」と書いていた。

当時から今に至るまでレゴブロックと互換でレゴ未承認、マインクラフト未承認の激安ブロックおもちゃが多数販売されている。有象無象の会社からブロックおもちゃが出るのは人気の証であり、ブロックおもちゃによりますますマインクラフトはキッズの間で認知されていった。2019年現在の中国キッズは、Mini Worldとマインクラフトが両方とも遊べる状況となっている。

Mini World
▲Mini World派(水色)とマインクラフト派(黄緑)で拮抗している。両派とも夏休みや冬休み、または週末に遊ばれているようだ

かくして、元祖「マインクラフト」推しと、後発の「Mini World」推しが、日々学校やネット論壇で論戦しているのである。

マインクラフト派はこれこそが大正義、Mini Worldは見た目がよい進化系だとそれぞれ主張する。マインクラフト派のキッズはMini Worldについて、「あんなものはパクリだ邪道だ中国の恥だ」「網易が権利を購入したのにパチモンを出すとはどういうことだ」とけなす動画をこれでもかとアップした。また、彼らはWeChat(微信)のスタンプを作成した。すなわち推しのサービスのスタンプを作成し拡散するとともに、敵対するサービスを非難するスタンプも作成し拡散させた。

マインクラフト派はMini Worldユーザーのことを「迷你狗(Mini狗、※)」と呼ぶ。中国の検索サイトで迷你狗と検索すると、Mini Worldをディスる動画などのコンテンツを多数見つけることができよう(※中国で「狗(いぬ)」は、ペットとして人気であるが、一方で言葉として使うとネガティブなニュアンスとなる)。

Mini World
▲マインクラフト派とMini World派の動画による宣教は続く

さて、中国市場で百度がGoogleのシェアを奪ったのはまだ中国のインターネット人口が少ない時であり、Google利用者は中国でインターネット利用歴の長い「インターネット老人」だけであり、新参のインターネット利用者は百度を利用していった。

チャット・SNSの微博(Weibo)や微信(WeChat)も動画サイトも、TwitterやWhatsAppやYouTubeが中国で火が付く前に登場し、外国のサイトは中国が作る国境のような「網境」の前に利用できなくなり、後追いの中国ネットサービスが栄えた。もはや中国のイントラネット内にはパクリ元の存在すら知らない人が多い。

ところがマインクラフトについては、本家が長く中国でサービスを続けることができた結果、すこぶる中国で人気となっている。そのため、マインクラフト派が一定数いて、後続のMini World派を許すまじ、パクリサービスはよくないと、学校やネットで宣教活動している状況だ。単なるマインクラフトのまがい物の論考を超え、はじめて中国のまがい物ネットサービスの可否についての論考がマスで行われていると言っていい。

加えて中国は世代交代が日本と比べて恐ろしく早い。中国のネットユーザーの主役は、80后(1980年代生まれ)から90后(1990年代生まれ)、そして95后(1995年~99年生まれ)と代わり、古い世代は蚊帳の外とばかりに追い出されている。変化が激しい中国らしい現象だ。ともなれば、マインクラフト論争を起こしている00后(2000年代生まれ)の人々がもうすぐ大学生になり社会人になり、消費やネットの主役となる。

10年前、それ以上前には、『千と千尋の神隠し』が「安いから」いう理由で無料の海賊版で見られることが常識だった。今はたくさんの消費者が金を払って映画館で「千と千尋の神隠し」を見るようになった。中国では10歳も違えば、モラルも変わる。10年後、あるいは数年後には「パクリゲームやパクリサービスはよくない」という考えが常識となるかもしれない。

関連記事:「小覇王」——中国でニセファミコンを作り続けたメーカー(山谷剛史)




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Source: Mini World
関連キーワード: China, Gaming, Minecraft, MiniWorld
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