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AppleのHomePodは本当に高音質なのかを検証。導入するなら2台でステレオがベスト(本田雅一)

高級オーディオに敵わなくとも、高級オーディオにない魅力がある

本田雅一, @rokuzouhonda
2019年8月13日, 午前09:30 in homepod
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WWDC 2017にて発表され、米国では昨年発売されたAppleの「HomePod」が日本でも8月23日に発売されます。価格は一般的なスマートスピーカーの2倍近くとなる3万2800円(税別)。なぜこんなに高価なのか? と驚いている読者もいるかもしれません。しかし、実際に自宅でテストしてみると、HomePodは一般的なスピーカーとは異なるオーディオ製品だとわかりました。

スマートスピーカーとしての機能、Apple製品やサービスおよびSiriとの連携、マルチルーム再生時の体験などについては別の記事にお任せするとして、ここではHomePodをオーディオ機器として考えた場合の音質や注目点にフォーカスして話を進めてみたいと思います。


理屈抜きでまずは音質をチェック

HomePodの設計は実に特徴的で、どのような信号処理で実現しているのか、丸一日かけて取材したい気分ですが、相変わらずAppleは詳細な内容を公開していません。あくまでも"使ってみて感じたこと"だけで判断してほしい、というのが近年のAppleのやり方です。

ならばということで、HomePodの技術的にユニークな部分は後回しにして、リビングルームにHomePodがあるとどんな(音質面での)体験が得られるかをまずはお伝えします。

HomePod

AV製品やコンテンツの評価用システムとして我が家に導入しているLINN Products「Klimax DSM」「Akubarik」を使って再生する音と、2台のHomePodをそれぞれのスピーカー上に置いて再生する場合でどう違いがあるのか。同じ位置からリスニングしながら、その音質を確認してみようという、実にアンバランスな比較から始めてみましょう。HomePodは周囲の音響特性を測定しながら自己補正をかけるので、音楽を再生してしばらく放っておいてからチェックしました。

価格差で言えばケーブル類を除いても75倍ぐらいの開きがありますから、さすがに低音の伸びやかさも、ダイナミックレンジの広さも、演奏のニュアンス、音場描写の的確さなど、ありとあらゆる面でHomePodは負けます。......が、おそらくオーディオ好きでもなんでもない人にとってみれば「HomePodやるじゃん!!」と思うに違いありません。

HomePodでもっとも印象的なことは、オフセンターでも高いリスニング体験が保たれることです。

通常、ステレオシステムでは左右スピーカーのちょうど真ん中正面、できれば正三角形の頂点あたりに座ることが推奨されています。実際、優れた録音などでセッティングを追い込むと、まさに「頭をここから動かすな!」というポイントが見つかったりします。ただ、そんなにピーキーなセッティングをしてもリラックスして楽しめないので、もっと緩く楽しめるように曖昧さを残すものです(少なくとも私はそう)。とはいえ部屋全体をサービスエリアにするのは現実的ではありません。

しかし、HomePodのステレオ再生はこのサービスエリアが極めて広く、細かいこと抜きに部屋のどこにいても「音楽を心地よく浴び続ける」感覚が得られます。私はこの一点だけでも価値があるのでは? と思いました。

HomePodの音の善し悪しは、あなたの音楽との接し方によって変わる

こうしたサービスエリアの広さは、360度に音を放出し、また方向によって周波数特性や音の強さを変えられる独特のスピーカー構成がもたらしています。

HomePod

ミッドレンジ以上の周波数を担当する7つのドライバユニットが円周状に並べられ、そのすべてが中心下部に向けられています。その先のドーナツ状のホーンを通じて音が反転して地を這うよう本体外に放出されると、壁やテーブル、床や天井などからの反射音を6つ配置されているマイクが拾い、再生している音楽と照らし合わせて周囲の状況を推測。隣接するドライバユニットの音がホーンで互いに干渉しあうはずですが、そうした部分も含めて信号処理が適切に行われ、方向ごとに異なる音圧と特性に調整されます。このため、スピーカーの背面側に音が回っても直接聴こえるわけです。

14センチのウーファユニットは上方向に向けられ、20ミリのダイアフラムトラベルにより、小型スピーカーとしては豊かな低域のボリューム感を引き出します。モノラルの1個使いでもそれなりに量感はありますが、ステレオになるとなおさら。

スタジオのラージモニターでなければ再現不能な低音は望めませんが、一般的なポピュラー音楽における「低めの音」なら、質の高い再生音で音場全体を支えてくれます。低音の質が、どこにポン置きしてもそれなりに調整されてしまうのです。

6つのマイクから拾う音で定在波を検出するだけでなく、ウーファ専用の測定マイクが1個装備され、これを用いてウーファの音響補正を入れているのだとか。まぁ、ストリーミング音楽やSiriの処理などがあるとはいえ、ほぼほぼApple A8プロセッサの能力を独占して信号処理しているのですから、これぐらいのことはできるだろうとは思いますが......。結果として新しい体験を引き出しているところは流石です。

HomePod

ただ、純粋に音質だけを求めるのであれば、HomPodは適した製品とは言えません。たとえば残響や反射音がたっぷり入ったウェットな録音の音楽ソースをHomePodで聴くと、ヴォーカルのセンター定位が曖昧になりました。ひたすらに広い音場も不自然です。ドライな録音や、映画のセリフのように独立したトラックで他の音と混ぜられていない音などは、しっかりと真ん中から聴こえてくるのですが、そうではない場合、一気に音場からリアリティが失われます。

もっとも、打ち込み系の音楽やEDMなどにおいて、それらが問題かと言えば、心地よく音楽を浴びられればいいんじゃないの? とも思いますし、クラシックやジャズなどのアコースティックな演奏でも、心地よく音楽が漂う空間は、それはそれでとても気持ちいいと感じられます。

つまり、音楽との接し方、楽しみ方次第でというわけです。音場再現を純粋に追い求めるなら、HomePodは適した製品とは言えません。置いただけでここまで整った音が出るうえ、リスニングポジションを選ばないところに本製品の価値があると思います。

もちろん、1台でも

HomePod

......と、ここまで書き進め、勢い余ってステレオ再生時のレポートばかりだったと気付きましたが、もちろん、1台だけでもそれなりに拡がりのある音が楽しめるのは、360度に音が拡がる無指向性スピーカーならでは。部屋のどこかに1台置いておけば、部屋の中のどこにいても、それなりに明瞭な音楽が楽しめます。もっとも、そうしたスマートスピーカー的使い方については、他のレビューアがたくさん伝えてくれていることでしょう。

HomePodはAppleの発表会などで、プレス用の作業部屋に設置されていることがあり、広い部屋でも朗々とした鳴りをすることは知っていたのですが、それより何より、ステレオ再生での心地よさに感心しました。

1台でも「ちょっと高いんじゃない?」と思っている人も多いかもしれませんけれど、個人的にはHomePodを導入するなら2台。ステレオで使いたいですね。




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