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楽天モバイルに『十分な時間的余裕』なし。サービス開始を延期してもいいのでは(石野純也)

料金プランの周知期間が短すぎる懸念

石野純也 (Junya Ishino)
2019年8月28日, 午前09:00 in Mobile
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Ittousai, 9月20日
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楽天モバイルは、8月26日に、総務省から行政指導を受けました。楽天モバイルに対する行政指導は、約1カ月ぶり3回目。これまでは、口頭でのやり取りのみでしたが、3回目はとうとう文書が総務省に公表されてしまいました。8月に開催された第1四半期の決算説明会では、サービスインが10月1日と明かされた一方、当初は限定的な内容になることも初めて公開されました。

基地局の建設や、その前提のなる用地確保の遅れについては、すでに過去の行政指導でも明らかになっていました。ただし、こちらについてはある意味想定の範囲内。内情を知るさまざまな業界関係者が、10月に間に合わないのでは......という話をささやいていました。直接、間接的にも、内部のドタバタぶりは伝わってきています。

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▲7月に開催された楽天OPTIMISMでは、「携帯電話業界の常識をひっくり返す」と語っていた楽天の三木谷会長兼社長だが......

一方で、今回の行政指導で新たに注文がついたのが、ユーザーに対する情報提供や問い合わせ窓口の体制整備に関して。サービスの周知方法や運用面についても、監督官庁からのお叱りを受けてしまったというわけです。確かに、10月1日にサービスインするにしては、まだ具体的なエリアはおろか、料金プランやサービス内容の詳細は一切発表されていません。その間、時は刻々とすぎ、間もなくサービスインまで1カ月を切ろうとしています。

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▲総務省からは、基地局建設だけでなく、サービス内容の周知体制についても注文がついた

そもそもとして、限定的なスタートになるため、一般のユーザーがすぐに契約できるようにならないのかもしれませんが、それを判断するための情報も一切表になっていないというわけです。これは、インフラともいえる携帯電話のサービスとしては、異例といえます。一般的に、携帯電話業界では、新料金を導入する場合、周知期間を十分取る必要もあり、かなり前倒しで発表されます。特にプランの内容を抜本的に変える場合、発表から開始までの期間を長く取る傾向にあります。

直近では、ドコモの「ギガホ」「ギガライト」の事例が分かりやすいでしょう。ギガホ、ギガライトはそれ以前の料金から大きく体系を変え、パッケージで金額を打ち出し、2本柱でシンプルになりました。この料金が発表されたのは4月のこと。5月の新製品と同時に発表された「スマホおかえしプログラム」と同時に披露する案もあったようですが、それだと十分な周知期間が取れず、かといって端末を巻き上げるのも難しいため、4月にまず料金だけ公表した経緯があります。

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▲ドコモは、新料金プラン開始の1カ月半前に発表。料金シミュレーションも公開するなど、用意周到だった

もちろん、全部が全部というわけではなく、auが分離プランである「auピタットプラン」「auフラットプラン」を導入した際は、発表が7月10日発表、開始が14日でした。かなり慌ただしいスケジュールで、「夏モデルと同時に発表してよ......」と思ったユーザーも多かったと思いますが、こちらは旧プランとの選択制。当時はiPhoneが「アップグレードプログラムEX」に含まれていなかったこともあり、早めに始めて9月の発売日に備えていた感があります。

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▲auが分離プランを発表したときは、開始まで1週間もなかったが、むしろこちらが異例といえる

さらに振り返ってみると、新規参入組は、もっと準備がよかったことが分かります。たとえば、イーモバイル(現ソフトバンク)が2007年に参入した際は、2月の段階ですでに料金や端末のラインナップが明らかになっていました。サービス開始は3月末日だったため、1カ月半程度の周知期間があったわけです。

UQコミュニケーションズがWiMAXを開始したときは、それよりももっと早く、7月のサービスインに先立ち、2月には4480円という金額を打ち出していました。その後、直前に1日だけ使える「UQ 1 Day」などが追加されましたが、サービスの概要や料金体系は、約半年前に打ち出していたというわけです。

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▲UQ WiMAXは、本サービス開始に先立ち、無料モニターを募集。その際に約5カ月前にも関わらず料金やエリアをきちんと発表していた

翻って、楽天モバイルを見てみると、料金はおろか、サービスエリアやサービス内容、端末ラインナップに至るまで、いまだ、すべてがベールに包まれています。エリアやエリアを類推できる基地局の設置状況に関しては、MWCや決算の場などでたびたびメディアから質問が出ていますが、明確な回答は控えられたまま。

サービス内容に関しても、VoLTEがどうなるのか、留守番電話はどうか、通信速度はどのぐらいになるのか、さらにはauや海外とのローミングはどうするのか、eSIMはやるのかやらないのか......などなど、知りたいことが山積みの状態です。

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▲MWCなどで詳細を突っ込まれても、明確な回答は得られなかった

料金については、ドコモをはじめ、大手キャリア各社が対抗する姿勢を表明しているため、戦略上、すぐに発表できない事情があることは分かります。とはいえ、それもいつかは追随されるもので、ユーザーへの周知期間を削ってまで、秘密にしておくべき内容とは思えません。いわんやサービスをや、です。

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▲電気通信事業法改正や楽天を踏まえ、料金を改定する意向を示した吉澤社長。写真はインタビュー時のもの

楽天モバイルは、9月上旬に料金やサービス体制を発表する旨を明かしていますが、現段階では、上旬がいつなのかも案内がありません。仮に上旬のギリギリまで引っ張ったとすると、わずか20日程度でサービスインしてしまうことになりますが、本当にそれでいいのでしょうか。

総務省は「十分な時間的余裕を持って」と指導していますが、すでにそんな余裕はありません。新規参入を期待する総務省からの強烈なプレッシャーがあるのは少々かわいそうなところですが、基地局の遅れも考慮すれば、サービスインを少し遅らせていいのではと感じました。




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