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妊婦健診ロボット、溶ける基板のオムツセンサーなどロボット学会で新技術披露

重さ4分の1の油圧アクチュエータ、乾電池で動くポンプ……

石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2019年9月3日, 午後07:30 in robotics
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近い将来、生活にかかせない存在となっていくロボット。その最新の研究成果が3日、披露されました。日本ロボット学会は、早稲田大学にて9月3日から7日にかけて開催する「第37回 日本ロボット学会 学術講演会」にあわせ、最新ロボット技術の発表会が実施しました。

学会開催にあわせて報道向けの発表会を実施するのは、1983年から続くロボット学会の歴史の中でも初めてのこと。日本ロボット学会の村上弘記副会長は、これまで産業用途がほとんどだったロボットが広く社会に拡がりつつある現状を指摘。「ロボット学が、工学のみならず、人と機械がどう暮らしていくべきかのあり方を取り込んでいくのが学会としての最新の方針」と説明しました。

ロボット学会▲日本ロボット学会の村上弘記副会長

■妊婦健診を身近にするロボット化

早大初のベンチャーのINOWAは、妊婦や赤ちゃんの状態を確認する「妊婦健診」の自動検査ロボットを発表しました。妊婦健診は妊娠期間中に複数回行うもので、遠くの産婦人科まで通ったり、病院の窓口で数時間待たされたりと、妊婦にとって大きな負担となります。

ロボット学会

INOWAが開発した自動検査ロボットは、これまで医師が行っていた「エコー検査」をロボット化。妊婦に負担をかけず、鮮明な超音波画像を撮影します。医師にとっては撮影の負担がなくなり、エコー画像と問診表による遠隔地からの診療も実現可能としてます。同社はあわせて、AIによってエコー画像から胎児の状態を判断する、診断補助システムの開発も進めています。

ロボット学会

■溶ける基板で「オムツセンサー」

9月2日に会社を立ち上げたばかりという早大初ベンチャーのオムツテックが発表したのは、「次世代オムツセンサー」による介護ソリューション。オムツセンサーは、介護を受けている人の排泄を検知して、介護者に知らせるデバイスのこと。介護時に負担となる、オムツチェックの手間を軽減し、被介護者の尊厳を守る仕組みです。

ロボット学会

これまでのオムツセンサーでは、オムツに装着した際に違和感や回収の手間、価格が高いといったの課題がありました。オムツテックが開発したセンサーは使い捨て型の超薄型、そして量産単価は1枚数円〜とこれらの課題を克服しています。

新型オムツセンサーは、基板印刷技術と非接触通信を活用したシンプルな仕組みとなっています。オブラートに薄いプリント基板を組み込み、ICタグを配置したシート上のもので市販のオムツなどに埋め込む形で装着。ベッドの下などに設置したICタグリーダーによって、タグの内容を読み取れます。


ロボット学会ロボット学会
被介護者が排泄をすると、オブラートが溶けて通信が切断されます。それを持って「排泄をした」という検知がなされる、という仕組みです。

現時点での技術では有効通信距離は1m程度と、ベッドから離れると検知できないのがネック。ベッドに設置するICタグリーダーは4万円とそれなりに高価ですが、今後、通信距離の改善が進めば、病院や介護施設などで部屋に1台設置し、複数人の排泄検知に活用することも可能になるとしています。

■軽量なパワードスーツを作れる油圧アクチュエータ

東工大初のベンチャーH-MUSCLE(エイチマスル)は、ロボットに欠かせない駆動機構・アクチュエータの新たな製品を発表しました。一般に、ヒューマノイドサイズのロボットでは、電動アクチュエータが多く利用されています。

ロボット学会

一方、H-MUSCLEは、これまで産業機器向けが中心だった油圧式アクチュエータをロボットの手足に入るサイズに小型化。さらに今回発表した新製品では、金属部に新素材「多軸鍛造マグネシウム合金」を採用し、鉄と同じ引っ張り強度を持ちながら、重さを4分の1にまで削減しています。

油圧式アクチュエータの特徴はパワフルかつスムーズに動作すること。厚さ3cmのコンクリート板をロボットの手で破ることも可能です。作業支援ロボットに応用することで、装着者の負担を抑えつつ、力作業をパワフルにこなすロボットを作成できそうです。

■21世紀のロボット像? 「いいかげん」も認めるソフトロボット学

近年では従来のロボット工学とは異なる方向性の研究も進められています。科研費補助金研究として開始された「ソフトロボット学」という分野が対象とするロボット像は、これまでの「力強くパワフルな」ロボットとは全く異なるもの。「やわらかく」「いいかげん」という生物に近いようなロボットの実現を目指す技術を集めています。

ロボット学会
ロボット学会
「ソフトロボット学」の研究は分野横断的で、機械・電子光学分野だけでなく、材料科学や生物学といった分野の科学者も参加しています。芝浦工業大学、電気通信大学がスイス連邦工科大学ローザンヌ校と共同では「伸縮する小型ポンプ」を開発。学術雑誌Natureの電子版にて論文を発表しました。

ソフトロボット学

この小型ポンプは従来のポンプとは全く違う発想のもので、折り曲げられるシリコーンエラストマーなどで作られたシート状をしています。ポンプ上下の電極から電気を流すことで、内部に満たされた導電性の液体を動かします。駆動時は無音で、乾電池程度の電力で動作します。重さは1gと軽く柔軟なことから、ウェアラブルデバイスや軽量パワードスーツなどに応用が見込めるとしています。

ソフトロボット学

また、東京工業大学の研究チームはソフトロボット学の枠組みで「ハチドリ型ロボット」を開発。小鳥の羽ばたきを機械的に再現し、左右への角度調節機構も付けています。尾羽はまだ再現できておらず、揚力も足りないため飛ぶことはできませんが、ロボットによる模倣から生物の運動の仕組みを理解する、新たなアプローチの研究を進めるとしています。

ソフトロボット学




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