HMD Globalは「IFA 2019」にてスマートフォンの新モデル「Nokia 7.2」を発表しました。前モデルのNokia 7.1も好評を博していますが、その後継機も野心的な仕上がりになっています。Nokiaブランドのスマホ製造を引き継いだフィンランドのスタートアップが、ミドルレンジスマホに全精力を傾けていることは想像にかたくありません。
Nokia 7.2でHMDが強化したのは、ディスプレイとカメラという2つ(すなわち、スマホで最も使われる部分です)。昨年のNokia 7.1が5.8インチディスプレイだったのに対し、今年のNokia 7.2は6.3インチの大画面を搭載します。しかし、大画面化だけでなく、ディスプレイ品質の向上こそ注目すべき点と言えます。フルHD+ディスプレイは期待通りの鮮明さで、箱から出してすぐ発色の良さを体感できるほど。環境光センサーにより、部屋を移って異なる色の光の下に晒しても、Nokia 7.2のディスプレイは同じような見栄えを維持しました。
そして、Nokia 7.2ではPixelworksのHDR化技術が導入されています。350ドルのスマホがHDR対応である必要があるかは議論の分かれるところですが、筆者(米EngadgetのChris Velazco)は安価にHDR動画を楽しめる方法があることがよろこばしいことに思えます。
画面の鮮やかさと同じくらい素晴らしいのが、魅力的なカメラシステムです。NMDの多眼カメラが大好きなようでこのNokia 7.2も背面にトリプルカメラを配置しています。クレイジーさはNokia 9 PureViewの5眼カメラには負けますが、ミドルレンジとは思えないパフォーマンスを誇ります。メインは48MP(メガピクセル)のセンサーで、その気になればこの高解像度で1日中とり続けることもできます。ただし、写りは初期設定の12MPモードの方が良いでしょう。高解像度センサーの複数のピクセル情報をまとめて、鮮やかさと鮮明さを両立させたのがこのモードです。
それに加え、前方の視界をワイドに切り取れる8MPの超広角カメラ、ポートレートをリッチにする深度計測用センサーを搭載します。そしてカールツァイス(ZEISS)ブランドのレンズの組み合わせにより、350ドルという価格からはかけ離れた画質表現を可能にしています。
Nokia 7.2のカメラを試すために他のレビュアー(筆者の古くからの友人です)を簡単に撮ってみたところ、顔のしわまであまりにも精緻に映し出すため、友人が「いつ歳を撮ったんだ?」と聞いてくるほどでした(知らないよ、バディ)。
Nokia 9 PureViewの経験を積み、HMDは優れたソフトウェアの価値を十分に理解しているようです。ZEISSとのコラボによる新しいポートレート機能は、昔ながらのレンズのテイストを表現します。ナイトモードでは、最大20フレームの連写から、1枚の明るい夜景写真を作成します。
ディスプレイとカメラ以外も、Nokia 7.2はアグレッシブです。チップセットはSnapdragon 660で4GBのRAMを搭載。余計なメーカーアプリが入って異ないAndroid Oneを採用しています。保存領域は128GBのストレージ+最大512GBのmicroSDスロットで、バッテリーも3500mAhと不満のない範囲です。