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ソニー最新スピーカーが驚愕コスパである理由、1000万円級が100万円以下

ニアフィールドパワードスピーカー「SA-Z1」

小口貴宏(Takahiro Koguchi), @TKoguchi787
2019年9月9日, 午後03:00 in audio
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ソニーがIFAに展示したニアフィールドパワードスピーカー「SA-Z1」。高級ヘッドホンやイヤホンの音の良さは体感したことがありますが、スピーカーによる高級オーディオとなると、製品単価が上がるだけではなく、"聴くための部屋"も必要となり、気軽に試せないのが実情です。

ということで、ソニーのブースで実際に体感してみたところ、これまで経験したスピーカーとは別次元のリアリティのある音でした。欧州での発売は来年4月ごろ、価格は未定とのことですが、ブースの担当者によると7000ユーロくらい(約82万円)と答えていました。

engadget

Signatureシリーズは、その名の通りソニーのエンジニアが自らの銘を刻み込むような思い入れで開発した商品です。今回の製品はソニー・ビジュアル&サウンド事業本部商品設計部門商品技術1部の加来欣志氏が設計とチューニングを担当したとのこと。

加来氏に「SA-Z1」のコンセプトを伺うと『ヘッドホンやイヤホンなど、音を出すドライバと耳の距離が近いデバイスと同等の"解像度"と"情報量"を実現しながら、スピーカーならではの"広大なステージ感"。すなわち、豊かなで広い音場の表現を行うこと』という説明が返ってきました。

確かに、高級ヘッドフォンやイヤホンのように、細かな演奏のニュアンスや演奏者の息づかいまでが伝わってくる感じなのに、ヘッドフォンのように頭の周りにまとわりつく音場の狭さがありません。

しかし、あまりに今までの体験と違いすぎ、比較対象となるたとえが思いつかない。

そこでEngadget筆者陣の中で、高級オーディオ&ビジュアル評論家もつとめている本田雅一さんに、本機のポイントについて聞いてみました。

以下、本田雅一氏

1000万以上のシステムに匹敵する音が100万以下なら安いに決まってる

この製品を開発した加来さんは、海外の有名オーディオブランドもリファレンスとして採用したことでも知られるSS-AR1という名機を開発したスピーカーエンジニアです。その後もI-Arrayというメインツイーターを2個のアシストツイーターで挟み、位相干渉で高音域特有の指向性の高さを大幅に緩和する技術を用いたスピーカーなど、実にユニークな製品を開発していました。

SA-Z1の技術的なポイントはいくつもあるんですが、技術的なポイントは後回しにして、この製品で体験できることの価値について先に話しておきたい。というのも、オーディオ経験値の高い人ならすぐに理解できるでしょうが、解像度や情報量といった要素で評価すると、この製品は100万円クラスのプレーヤー、アンプ、スピーカーを揃えても到達できない音なんですよ。

2つのウーファーユニットを連結し正反対に向けて動かすことで振動をキャンセルする仕組みを採用し、低域再生能力を高めてはいますが、小型スピーカーですから"空気を動かす量"はあまり期待できません。

ですから、身体を全体で感じるような低音は再現できませんが、そうした点を除けば、コンポーネントあたり数100万円クラスの世界に近い。それも、部屋......リスニングルームをキッチリチューニングして音響特性を整えた専用室で聴く感覚に近い。

そう考えると、部屋作りやコンポーネント、それに電源周りのケアなども含めて軽く1000万円は軽く超えるようなオーディオ世界を垣間見えるスピーカーです。価格が発表されていませんが、これまでのSignatureシリーズの価格を考えれば、常識的にいって100万円は大きく割り込むのでは?

もしそうだとしたら、これまで高級ヘッドフォンやアンプ、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)に散在してきたひとたちからすると、むしろお買い得なバーゲン製品ですよ。

「ニアフィールド(スピーカー近傍で聴くこと)」「バスレフポートなどがない」「高域の指向性が広い」「テーブル上に置いた状態でチューニング」「DACとアンプ内蔵で音質が一気通貫で調えられている」といった特徴があるので、いつもの書斎机の上に置いて鳴らすだけでハイエンドの世界を垣間見える。

しかもニアフィールドでバスレフポートなどもないから、大音量を出さなくとも充分楽しめ、部屋の音響特性による影響も受けにくい。オーディオ専用室なしで高音質を突きつめたいなら、他に選択肢はないですね。何しろ競合が思いつかない。

"あの"、D.A.Hybrid AMPがとうとうスピーカーに

今回の製品、D.A.Hybrid AMPというアンプ方式にも注目ですよ。このアンプはTA-ZH1ESという、同じSignatureシリーズのヘッドフォンアンプに使われていた技術です。デジタルアンプには様々ないいところもあるんですが、デジタルであるが故に誤差成分が必ず発生して、それがノイズとして乗ってきます。

フワッとした空気感がなくなったり、音のニュアンスが単純化するといった解りやすい劣化もありますが、D.A.Hybrid AMPは理想領域で動かすアナログアンプを並列に動作させ、デジタルノイズがないアナログ信号と比較差分を取り、それをノイズキャンセリングとして使っています。

デジタルアンプの長所とアナログアンプの長所を組み合わせた画期的な方式なんですが、大きな出力を得るのが難しいという問題がありました。

というのも、大きな出力ではスイッチング素子の応答遅れが大きくなり、デジタルアンプを補正する量が増えてしまう音質的によくないためです。そこでデジタルアンプのスイッチング素子に、一般的なMOS-FETではなくGaN(窒化ガリウム)を用いています。

GaNはテクニクスの高級デジタルアンプなどでも用いられていますが、ベースとなるデジタルアンプの性能を大幅に改善し、そのうえでノイズ、歪、その他を補正するD.A.Hybrid技術によって高音質のなな今回のスピーカーを駆動できるだけの出力を得られたのでしょう。

ヘッドホンやイヤホンのような小径で慣性モーメントが低いダイアフラムのドライバと同等のスピード感で、ガツンガツン立ち上がりの早い音を出しますね。

完全点音源の同軸設計もあって、ハイエンドのヘッドフォンユーザーが、同じだけの解像度を保ったまま"スピーカーのような音"を得るために最適だと思います。

というかこんなの出されると欲しくなりますよね。いろいろなシステムを試聴してきましたが、こんな体験初めてですよ。しかもUSBでパソコンや音楽ソース機材をつなぐだけ完結するでしょ?

アンプ内蔵のアクティブスピーカーはグローバルでの流れなので、この製品が成功すれば、新しいジャンルとして定着し、フォロワーとなるメーカーも出てくるのではないでしょうか?

(本田雅一)

(更新:2019/09/11)
GaN(窒化ガリウム)に関する記述に一部誤りがあったため訂正




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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