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Apple Cardがもたらす未来のファイナンス思考(神田敏晶)

日本への上陸はいつ頃?

神田 敏晶(Toshiaki Paul Kanda), @knnkanda
2019年9月10日, 午前09:17 in Apple
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9月11日に新型iPhoneが発表される予定だが、ここで今年の3月の発表会で登場し米国では8月20日提供を開始したクレジットカード「Apple Card」についての考察してみよう。


▲Engadget US版の動画レポートでも洗練されたUXは感じてもらえることだろう...。




▲しかも、物理カードもパッケージを開けるところから、所有するステイタスを存分に感じさせてくれる

「Apple Card」はAppleユーザーで米国の社会保障番号を持っている人が手にできるクレジットカードだ。まずは簡単に「Apple Card」の特長を3つ紹介しよう。

①「Apple Cash」での還元率2%
なんといっても「Apple Card」の最大の特徴は、「Apple Pay」で支払った場合、常に2%の「Apple Cash」でのポイント還元率がその場で実施されることだ。しかも、ApplePayの支払いで、Apple Storeでの買い物は3%のポイント還元が行われる。

②すべて無料の最高のUXの提供
最大の特徴が、AppleCardの入会金や年会費、手数料などが無料。さらに、Apple Mapsの位置情報とあわせて消費したカテゴリー分類まで自動化している。ユーザーに最高の金融のUXを提供している。なぜそんなことが実現できたのか?

③プライバシー、無印チタンの物理クレジットカード
チタンの番号がまったく無刻印の名前しかない物理クレジットカード。
重さも14.75gと、他のクレジットカード5gだから、他のカードの3枚分の重厚感がある。Apple Payが使えない店舗で物理カードのApple Cardを使う。しかし、この時の「Apple Cash」の還元率は1%となる...。そのことから、Apple Cardのビジネスモデルが明確になってくる。

Apple Cardの秘密は「イシュア(カード発行会社)」に強いビジネスモデルだから


「ダイナース」のクレジットカードの誕生(1950年)から来年は70年を迎える。その頃からクレジットカードのビジネスモデルは、このとおりだ。

1.ショップは、顧客が利用したクレジットカード代金を「アクワイアラ(加盟店契約会社)」へ請求する。
2.「アクワイアラ」は手数料を引いた金額をショップへ振り込む。
3.「アクワイアラ」は、「国際ブランド」と「イシュア(カード発行会社)」へ定額の手数料を支払う。
4.「イシュア」は「アクワイアラ」からの情報をもとに、顧客へ「クレジット金額」を請求する。
5.顧客が「イシュア」に金額を支払い、「アクワイアラ」が回収する。


この流れがクレジットカードの基本的な流れだ。

「イシュア」からも手数料が取れるAppleのビジネスモデル

2014年10月24日(※日本では2016年10月25日のFeliCa方式) Appleは「Apple Pay」を開始しペイメントから金融ビジネスに参入する。一説によるとAppleは、「イシュア」から0.15%の手数料を獲得するビジネスモデルとして「Apple Pay」をスタートしている。それは顧客側に請求する「イシュア」がApplePay利用者であれば、事故率が低いと見積もったことによる。ナンバーと裏面の3桁のCVVナンバーしかないクレジットカードと違い、iPhoneの進化と共にセキュリティ機能は、その後、生体認証となりさらに偽造されにくくなり圧倒的に事故率が低くなった。

「ゴールドマンサックス」が「イシュア」を担当する意味

今回の 2019年8月20日開始の「Apple Card」では「イシュア」が「ゴールドマン・サックス」で国際ブランドは「マスターカード」である。

1869年創業のゴールドマン・サックスは、世界最大級の投資銀行であり、トレーディング事業の典型的なBtoB企業であるが、近年の金融事業は成熟期を迎えており、新たなフィンテック事業での成功をめざし、BtoC事業へのチャレンジに積極的だ。創業者のマーカス・ゴールドマン(Marcus Goldman)の名前をとった個人向け金融事業の「マーカス(Marcus)」を2016年に開始したが、思ったほどの成果が出ていなかった背景がある。
そんな中、2014年から「Apple Pay」を手掛けているアップルと手を組むことにより、ゴールドマンのフィンテック事業はアクセラレートすることを期待したのだろう。

Apple Cardの入会員無料、年会費無料の原資は、このゴールドマンがイシュアである交渉に意味があることだろう。また、Apple Storeの3%はアップルの管理化であるが、ApplePayでの還元率2%は、Appleが「アクワイアラ」側にも強い影響力を持っていることを示している。基本的に、Apple Payは非接触 NFC A/Bコンタクトレス決済(日本のApplePayはFeliCa対応)なので、店舗側さえ対応していれば、電子決済による効率化をさらに促進できるので「アクワイアラ」側からも手数料を交渉し、それをユーザーの還元率に与えたと推測することは容易である。ただ、確証できるエビデンスはない。ただ、2%の還元率はさらに「Apple Card」の利用率を高めていくリテンションのエンジンとなることは確かだろう。

最大の疑問は「Apple Card」はいつ日本に上陸するのか?

日本のアップルユーザーは本国米国との時差を、常に感じなければならないのは今にはじまったことではない。新たな噂が流れ出した「HomePod」が今ごろ発売になるというリージョンの後進国なのだ。

しかも、日本の Apple PayはiPhoneの日本販売独自仕様の「FeliCa対応』」版によって、利用できる特別なバージョンであることも考慮しなければならない。しかし、日本でも国際的なインバウンド客を考慮して、「NFC Pay(NFC決済 EMV Contactless)(※EMVはEuropay International、Mastercard、Visaの略称)」の対応が増えているので、シェアの拡大と共に利用できる土壌は整備されつつある。

日本のFeliCaの方が高度なスピード重視の設計であるが、決済では「NFC Pay」で十分であるのと、日本の「免許証」や「マイナンバー」なども、NFC Bコンタクトレス対応なので、規格の柔軟性や個人IDをセキュリティを強めて対応するならば、改札などで極めて高速な処理が必要な「SUICA(FeliCa利用)」とは、別立てで、国際的なAppe Pay対応の「NFC Pay」の「Apple Card」の上陸も考えられる。チタンの重たい物理カードはあまり重要ではなくなるだろう。還元率が低いからだ。

まずは、米国でのApple Cardのシェア獲得と、それによるゴールドマン・サックスの個人向け融資事業とサブスクリプションモデルの成功にかかっていると言えよう。これだけのファイナンスに関する「個人情報」を持ちながらも、プライバシーを尊重し、個人データを保持しないというアップルの姿勢が米国でどう評価されるかにもかかっている。

日本で乱立する、個人行動の情報獲得を目的としたQRコード決済キャンペーンと、たかだか9か月で、終わる政府のキャッシュレス推進という単略的な施策や10月1日からの10%増税と東京五輪特需よりも、より真剣なデータドリブンな世界的なキャッシュレスによるフィンテックの未来を考える必要があるだろう。




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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