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「A13 Bionicはパフォーマンスと省電力の両立を重視」フィル・シラー氏が語る

機械学習が省電力にも使われるとのこと

Kiyoshi Tane
2019年9月20日, 午後04:30 in a13bionic
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先日のスペシャルイベントで、iPhone 11シリーズとともに発表されたアップル最新プロセッサのA13 Bionic。その設計思想について、同社のグローバルマーケティング担当上級副社長フィル・シラー氏と、プラットフォーム・アーキテクチャーチーム所属のアナンド・シンピ(Anand Lal Shimpi)氏が語っている内容が報じられています。
イベントでも紹介されたように、iPhone 11シリーズ全てに搭載されたA13 Bionicチップは、85億個のトランジスタと合計6つのコア(「高性能」CPU2コア+消費電力が低く性能が要求されない処理に使う「高効率」4コア)、4コアGPU、8コアのニューラルエンジン、1秒間に1兆回の操作を処理できる2つの機械学習アクセラレータを備えたもの。

これら全てが、A12よりも最大20%高速化されつつ、30%もの消費電力を削減。そうした設計の背後にある技術的な詳細を、フィル・シラー氏とアナンド・シンピ氏は海外テックメディアWiredのインタビューにて語っています。

1年前に登場した際も競合他社のプロセッサーを圧倒したA12でしたが、後継プロセッサーA13のパフォーマンスが向上したのは、アップルによるハードウェアとソフトウェアの緊密な統合あってこそ。こうした進化は「すでに高性能なチップがこのように大幅な高速化を成し遂げたことは、ウサイン・ボルトが短距離走で自分自身を打ち負かすのを見るようなものです」と表現されています。

さらにシラー氏とシンピ氏の2人は、処理の効率化を重視したチップ開発の手法にも言及。それはただ高速化を追求することと違い、「ワット(消費電力)あたりのパフォーマンスを考えています。我々はそれをエネルギー効率とみなし、効率的な設計をすると同時にパフォーマンスを引き出す設計をしています」とのコンセプトが述べられています。

そうしたチップ開発プロセスの一環として、特定アプリの使用状況を分析してCPU設計の目安とするアプローチも語られています。「たとえばCPUチームは、iOS上でアプリケーションがどのように使われているかを調査し、そのデータを使用して将来のCPU設計を最適化します。そうすることで、次のiPhoneが出たときに、ほとんどの人が操作することがよりよく処理できるようになる」とのことです。

シンピ氏は、そのような追加の最適化を必要としないアプリでも、最終的には消費電力が少なくなると述べています。こうしたアプローチはCPUだけではなく、GPUや機械学習アクセラレータ開発にも活かされているそう。たとえばiPhoneのカメラアプリにてGPUの使用率が高い場合は、GPUチームと協力してよりよい方法が探され、将来のグラフィックチップ設計がより効率的になるということです。

以上はチップ単体で完結した手法ですが、アップルのもう1つの強みは(チップとスマートフォン両方の設計を手がけているため)iPhone内の他のチップと緊密に連携させられること。その仕組みは、以下のような例え話で語られています。

一般的なスマートフォンでは、特定のタスクを実行するためにチップの一部がオンになります。彼らが夕食のとき『Game of Thrones』を見るために近所全体の電源をオンになり、(終われば)電源がオフになる。そして別の隣人がビデオゲームをプレイするときも、近所全体の電源がオンにされる事態を想像してみて下さい。

A13で、同じようなオン/オフをするときは、ただ1つの家庭に限られています。より少ない消費電力で済むわけです


そしてシラー氏いわく、機械学習がバッテリー駆動時間の管理であれ、パフォーマンスの最適化であれ、すべての処理に実行されているとのこと。つまり、使えば使うほどアプリの消費電力やユーザーの使用傾向が学ばれてフィードバックされ、より賢く節電するようになるというわけです。

iPhone 11シリーズは3モデルとも前年よりもバッテリー駆動時間が長くなったとうたわれ、実際にバッテリー容量が大型化していることも確認されています。最新モデルでは主にカメラの強化がアピールされていますが、「処理速度とバッテリー保ちの両立」こそがもう1つの訴求点と言えそうです。



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