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【検証】楽天モバイル自社回線。都内は薄く広く繋がり、短期の割に頑張った感(石野純也)

山手線1周では電波が弱くなる箇所も

石野純也 (Junya Ishino)
2019年10月30日, 午前10:30 in mobile
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楽天モバイルのはずが、悲劇の落選モバイルになってから約2週間。悲嘆にくれていた筆者に、「試してみる?」とお声がけしてくれたありがたい無料サポーターが現れました。

ようやく筆者も、楽天モバイルの自社回線を使えることになり、25日から、5日間ほど、さまざまな場所で電波状況などをチェックしてみました。今回は、そのレポートをお届けします。なお、回線は楽天モバイル用のアップデートがかかったファーウェイのP30 liteを使用しています。

楽天モバイルの自社回線を使って都内のエリアをチェックした

最初に結論から書いてしまうと、東京都内では、筆者の予想を裏切り、思っていた以上につながります。利用前の期待値が低かったこともあり、想像していたよりは、はるかにしっかり電波をつかみます。

25日には新橋駅から筆者の事務所がある渋谷まで、ずっとディスプレイとにらめっこしながら電波状況を確認してみましたが、「圏外」になった場所はありませんでした。駅構内から事務所まで、すべて楽天モバイルの自社回線でつながっています。自宅もしっかり楽天モバイルの電波が入り、速度も上々でした。

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▲都内の屋外では、予想以上につながり、圏外は少なかった

日曜日には、自宅から六本木ヒルズまでバスで、帰りはタクシーで移動してみましたが、ここでも圏外にはなりませんでした。電車や幹線道路沿いは、想定以上にしっかりエリア化していることがうかがえます。

ただし、場所によっては電波強度が非常に弱くなることも。ここまで挙げた範囲で言うと、たとえば、山手線の品川-大崎間や、恵比寿-渋谷間は、RSRPと呼ばれるいわゆる電波強度が、かなり低下しました。自宅から六本木では、六本木駅前の交差点付近で、RSRPが急低下しています。
▲六本木ヒルズから自宅までの電波状況。厳しい場所はある一方で、接続自体は保っていた

端末のアンテナピクトは普通に1〜3本ほど立っており、アプリで電波強度を見ていなければ、そこが弱電界エリアだったかどうかは気づけなかったかもしれません。アンテナピクトはあくまで相対値、しかも閾値はキャリアやメーカー側が決められるため、サービスイン直後の状況に鑑み、ある程度甘めに設定している可能性があります。

ドコモ回線と比べてみると、かなりRSRPの数値が低めに出ることが多いため、少ない基地局でギリギリまでカバーし、エリアを何とか確保した様子が垣間見えます。

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▲六本木交差点付近での電波状況。電波強度がかなり落ちている一方で、アンテナピクトは1本立っている。ピクトはあまり信用しない方がよさそうだ

確かにつながれば速い一方で、電波強度の弱い場所では、通信速度が十分に出ません。特に影響を受けやすいのが、上りの速度。端末から基地局に向けて電波を送信する上りの速度は、基地局から端末に向けて電波を出す下りに比べて出力が限られるためで、RSRPの低いエリアでは、1Mbpsを下回ることもありました。つながってはいるものの、十分な速度が出せるエリアは限られている印象も受けます。

また、au回線のローミングエリアも、事前の予想以上に広い場所で利用できました。地下鉄や地下道、駅構内はもちろん、商業ビルでもauローミングになる場所は非常に多い印象です。KDDIによると、ローミングには800MHz帯しか提供しておらず、キャリアアグリゲーションも行っていないとのことでしたが、こちらも速度は十分。ローミングのお陰もあり、筆者が思っていた以上に、圏外になる頻度はかなり低めです。

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▲建物内ではauにローミング接続することが多い

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▲auが屋内基地局でカバーできていないエリアだと、圏外になってしまうことも

ただ、これだと東京都のごく一部でしかなく、偶然ということも十分ありえます。そこで29日には、山手線を一周しながら、ドコモと楽天モバイルのネットワークを比較してみました。スタート地点は、新橋です(本当は品川にしたかったのですが、アプリの操作に失敗し、新橋スタートになってしまいました)。

まず全体を通しての結果として取り上げておきたいのは、1回も圏外にはならず、すべて楽天モバイルの自社回線でつながったことです。電波強度を見ると、「実質圏外では......?」という箇所があったのも事実ですが、アンテナピクト上は、一度も圏外にはなりませんでした。

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▲山手線を一周してみた

一方で、厳しい見方をすると、あくまでつながっただけと言うこともできます。駅や駅間では、かなり電波強度が落ちてしまう場所もあり、速度が十分出ないおそれがあります。一例を挙げておくと、東京駅や浜松町駅、上野駅、御徒町駅ほか数駅では、かなり電波が弱くなってしまいました。

どちらかと言うと、見通しの悪い駅でこのようになる印象で、おそらくですが、駅構内ではなく、駅の外のビルなどに基地局を設置しているためだと思われます。

▲水色のグラフに注目。圏外表示にはならなかった一方で、電波強度は全体的に弱めだった

▲参考までにドコモの電波強度の推移も掲載。左側のスケールが楽天より大きいことが多く、電波状況が全体的にいい。ただし、同じ山手線一周だが、筆者の操作ミスでこちらは田町が起点になっている

また、駅間でも、上記のとおり、大崎から品川の間は、かなり電波状況が悪化しました。大塚-池袋や、高田馬場-新大久保、代々木-原宿間や、鶯谷周辺も、極端に電波強度が落ちる場所があります。このような場所では、十分な速度が出ないため、本サービス開始までには、改善が必要になりそうです。

特に電波状況の悪かった大崎-品川間では、逆向きの品川-大崎で通話テストも実施してみました。厳密に言えば、電車内で通話するのはNGなため、天気予報に電話をかけ、音漏れしないようにそれを聞いています。

結果は、残念ながら、かなり音声が途切れ途切れになってしまいました。電車内で電話をかけるシーンは限られているかもしれませんが、留守番電話の音声を聞くといったことはありえます。このようなときに、相手の声がきちんと聞き取れないため、本サービスまでには、ぜひ改善してほしいポイントと言えます。

楽天モバイル自社回線とauローミングが切り替わるとき、通話がブツっと切れてしまうのも難点です。こちらに関しては、すでにローミングの接続方式を変えることで改善できることが明らかになっているため、その時期が来るのを待つだけですが、現時点ではやはり通話に使うのはためらわれます。

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▲山手線のホームから電話をかけ続け、半蔵門線や田園都市線のある地下に降りたところ、ローミングに切り替わり電話が切断された

そんなこんなで5日間ほど使ってみた楽天モバイルの自社回線ですが、冒頭で記したように、予想以上につながるというのが筆者の第一印象です。参入決定からあまり時間がなかったことを考えると、ネットワーク部隊はかなりエリア構築を頑張ったと言えるのではないでしょうか。

とは言え、大手3キャリアと比べるとまだまだ穴も多く、特に電波強度の問題で通信品質が落ちてしまうのは難点。今のところは、広く薄くネットワークを広げている状態です。現状のまま無料サポータープログラムが終わり、一般のユーザーが入ってきてしまうと、そのぶん品質はさらに悪化してしまうおそれがあります。

ビジネス視点で見ると、都内では屋内エリアがローミング頼りになっているのも課題と言えそうです。auローミングは、ユーザーにとって便利な反面、楽天モバイル側からKDDIへの支払いが発生するため、多用するようだと料金が高止まりしてしまいます。大手3社に比べ、割安な料金を打ち出すことを至上命題にしていた楽天にとって、これはなるべく避けたいのではないでしょうか。

無料サポータープログラムを提供していない地域に、どうエリアを拡大していくのかも、まだはっきり見えていません。今回は借り物の回線のため試せていませんが、なかなかつながらないと言われるサポートの改善も、急務と言えそうです。



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