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即日払い「Uber Money」、狙いは非キャッシュレス層の総なめ:モバイル決済最前線

世界のUberドライバーの35%が銀行口座を持たずに契約しているそう

鈴木淳也 (Junya Suzuki), @j17sf
2019年11月2日, 午前11:00 in Uber
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配車サービスをはじめ、日本では「Uber Eats」の食品デリバリーサービスで有名な米Uber Technologiesは10月28日(米国時間)、同日に米ネバダ州ラスベガスで開催されたMoney20/20 USAにおいて「Uber Money」の提供を発表した。

Uber Moneyとは、同社のクレジットカードを含む既存の金融系サービスを1つにまとめ、新機能を加えつつ、再ローンチしたサービスの総称となる。

Money20/20 USAのステージに登壇したUber Money担当トップのPeter Hazlehurst氏は「なぜいまUberが金融系市場にフォーカスするのか」を説明した。

Uber Money
▲Uber Money担当トップのPeter Hazlehurst氏

Uberドライバーを自社金融サービス経済圏に引き込む

Uber Moneyの中核をなすのが「Uber Debitアカウント」とリアルカードの「Uber Debit Card」だ。当初は米国での提供が開始され、順次米国外へと拡大されるという。月額利用料無料のデビットカードが利用できるサービスで、Apple Pay Cashのバックエンドを提供しているGreen Dotの仕組みを用いている。これが"送金"を受け取るための一種の"銀行口座的なもの"として作用するわけだ。

Uber Moneyの特徴の1つに、受け取ったお金をすぐに支払いへと充てられることが挙げられる。たとえばUberのドライバがその報酬の受け取り先をUber Debitアカウントにしておくことで、従来の月間・週間といった単位ではなく、「Uberの仕事1回が終了するごとに支払いが行われる」ように。そして入金されたら、すぐにそのお金を何かの買い物に利用できるのだ。

また、Uberドライバー向けの特典として、ロイヤリティプログラムである「Uber Pro」に該当するドライバーで、かつ特定条件を満たした場合に、通常3%のガソリン給油時のキャッシュバック率3%が、最大6%になるというサービスもある。この点だけをみても、Uber Moneyの主要ターゲットがUber利用者というよりも、むしろUberドライバー側にあるという狙いが垣間見える。

Uber Money
▲Uber MoneyはUberが持つ既存の金融系サービスをまとめ、新機能を加えつつ再ローンチしたもの。新機能の1つがUber Moneyの中核となる「モバイルウォレット」

Uber Money
▲Uber Debit Card利用の特典の1つとして、Uber Proのドライバーでかつ条件を満たせば、ガソリン給油時のキャッシュバックが通常の3%から最大6%まで上昇する

ドライバー向けの特典が多いUber Moneyだが、一般ユーザーの利用も想定されている。たとえばUberのヒット商品の1つである「Uber Credit Card」は、Uber関連のサービスを利用すればキャッシュバック率が高くなるよう設定されており、特にUber利用の多い出張者やビジネスマンに好まれていた。当初4%で設定されていた最大還元率だが、今回のUber Moneyリリースに合わせて5%まで引き上げられている。

Uber Money
▲すでにメジャー商品となっているUber Credit Cardはリフレッシュされ、Uber系サービス利用時に最大5%のキャッシュバックが行われる

非キャッシュレス層や低所得層を取り込む仕組み

Uberは、クレジットカードなど支払い方法を事前に設定しておけば、目的地まで移動すると同時に支払いが自動的に終了しているというサービス設計の斬新さで決済事業関係者の話題を呼んだサービスだ。

ただし、これは誰もがクレジットカードやデビットカードを持っている先進国での話で、世界的にみればスマートフォンのようなモバイル端末は持っているものの、カードはおろか銀行口座さえ持たず、日々の生活をキャッシュ(現金)で過ごす人は少なくない。

Hazlehurst氏が紹介した事例だが、2016年6月にメキシコ市でUberサービスを提供して以降、Uber利用者の4割がキャッシュでの支払いを選択しているという。同様に、Uberドライバーの35%が銀行口座を持たない状態でUberとの契約を行っているということで、ドライバーでさえキャッシュレスでは報酬の受け取り手段がない状態なのだ。今回のUber Moneyの主力機能が「Uber Debitアカウント」と「Uber Debit Card」であることは先ほど述べた通りだが、こうした施策は先進国においてUberドライバーを自社の金融サービスの経済圏に取り込むという狙いだけでなく、今後米国外にサービスを拡大するなかで、銀行口座を持たない「アンバンクト(Unbanked)」と呼ばれる層にキャッシュ以外の金融サービスを提供し、キャッシュレス経済圏のボトムアップを図るという狙いもある。

Uber Money
▲世界のUberドライバーの35%が銀行口座を持たずに契約しているという

同様に、Uber Moneyが「Real-Time Earnings」と呼ばれる報酬がすぐに支払われる仕組みを備えることも、多くのUberドライバーの経済事情を反映したものと言える。Hazlehurst氏が示したデータによれば、米国における人口の40%が貯金額400ドル未満とのこと。つまり収入を得てもすぐに生活費にまわす自転車操業に近い経済状態であり、もしこれをUberドライバーに当てはめた場合、仕事の報酬がすぐに支払われなければ、高騰するガソリン代や車の維持管理費さえ支払いが厳しくなる可能性があるということであり、この経済状態を改善する仕組みがReal-Time Earningsというわけだ。

Uber Money▲また米国における▲米国40%の人口が貯金額400ドル未満だという。この慢性金欠状態を支援するのがUber Moneyの役割の1つ

こういった話を聞くと、非常に危なげなバランスの下にサービスが成り立っているという印象を強く受けるが、これもまた昨今のシェアリングエコノミーを取り巻く現実なのだろう。実際にサービスをよく利用する者としても、いろいろ考え込んでしまう話ではなくもないが、キャッシュレス社会というのはこうした地道な取り組みがあってこそ実現するものなのかもしれない。



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