iPad版Illustrator先行体験。プレビューでもわかる使い勝手の良さ
正式リリースは2020年
米国時間の11月4日から6日にかけて開催されている「Adobe MAX 2019」に合わせ、iPad版Illustratorが発表されました。同アプリはまだプレビュー扱いとなり、2020年に製品として提供される予定。価格などの情報はまだ公開されていません。
Adobe MAX 2019の会場にてデモ展示されているiPad版iIllustratorのプレビューを触ってきたので、本稿ではその印象をひと足お先にお届けします。
Gallery: Adobe Illustrator iPad版を試した | 6 Photos
パスで描画しやすい
これまでiPad向けにはIllustrator Drawというアプリが提供されていましたが、ベクターデータでフリーハンドの描画が行えるものの、PC版のIllustratorとは別物でした。しかし、今回発表されたiPad版Illustratorは、ベジェ曲線での描画やパターン化の機能にも対応。フリーハンドよりも精彩かつ幾何学な曲線を描きやすくなりました。フォントを活用したテキストの配置も行えます。筆者は普段、iPadでパス・ベジェ曲線を使ってイラストを描く際にAffinity Designerを使っていますが、こちらと書き心地を比べたところ、円のように線を閉じるとき(クローズドパスの場合)に差が感じられました。iPad版Illustratorでは、書き出し部分に筆を近づけるだけで、書き終わり部分のノードを自然に合わせて閉じた状態にしてくれるので、クローズドパスを描画するのが非常にラクに感じるのです。
また、生成されるノードの数も多すぎず、無駄なノードが生成されない分、自然なカーブが再現されていたのも印象的でした。おそらくAdobe Senseiによって最適化されているのでしょう。
リピート機能が秀逸でした
描画したオブジェクトを選択し、「Radical Repeat」または「Pattern Repeat」の操作を行うことで、オブジェクトを複製して規則正しく並べることができます。Radical Repeatでは、オブジェクトが円形に並び、配置する角度や幅などを微調整可能。Pattern Repeatを選択すると平面的にオブジェクトを繰り返し配置できます。▲オブジェクトを選択して、丸が重なったアイコンをタップ
▲Radical Repeatを選択した場合
▲Pattern Repeatを選択した場合
また「Symmetry」を適用させると、選択したオブジェクトを線対称に複製できます。例えば、ハートマークのようなデザインで、左右を完全に対象に整えたいときに活用する機能ですね。どちらも簡単なイントロダクションを見ただけで、本当に直感的に操作できました。
注目のキャプチャー機能は、まだ試せず
キーノートでは、手書きのシェイプをキャプチャーできる機能も紹介されていました。手書きの図形などをカメラで撮影して取り込むことで、自然にシェイプを生成してくれるというもの。しかし、今回さわったデモ機ではこの機能がまだ使えなかったので、こちらの使い勝手についてはわかりません。とはいえ、従来のようにAdobe Captureを介さずに直接手書きの図形やイラストをベクター化できるのは便利なはず。下書きをアナログで行う人にとっては、作業を間違いなく効率化してくれると期待できます。
いずれにせよIllustrator派もiPadでほとんど済んじゃう日が近いと思うと、なんだかワクワクしますね。正式リリースまでもう少しの間、首を長くして待ちたいと思います。
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