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LINEがAI戦略を紹介。「2020年はAI実用化の年」

Googleより先に日本で浸透させてしまおう作戦

石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2020年1月22日, 午後12:50 in Ai
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「AI」は、2019年の流行語にして、米IT大手の「GAFA」(Google、Amazon、Facebook、Apple)や中国IT大手の「BAT」(バイドゥ、アリババ、テンセント)が紹介されるときにかならずといって良いほど出てくるキーワードです。

もちろん、AIの活用自体はこれらの米中のIT大手以外でも進められていて、日本でも研究開発を続けている企業があります。そのなかのひとつLINEは1月21日、AI活用に関する方針を報道向けに紹介しました。

はじめに補足しておくと、現代のいわゆる「AI」技術は、その訳語である"人工知能"という語感からイメージするほど万能なものではありません。現代のAI技術は「機械学習」をベースにした技術を指すことが多く、LINEが「AI」と呼んでいるものもそれに相当します。機械学習は、ざっくり説明すると、多くの選択肢を取り得るものから正解に近い選択肢を選ぶような仕組みを作る計算技術です。

機械学習技術は多くの分野に適用できる技術ではありますが、それほど単純に応用できるものではなく、それが「どこでどう使うか」についての発想が求められることと、使うシーンに応じたチューニングが必要になることに技術のキモがあります。

LINE AI 事業戦略説明会▲LINEが「LINE BRAIN」ブランドで展開するAI関連の技術

LINEの全社的な方針として、AIの研究開発、投資、人材育成を進めており、内部でAI関連の技術を持ち、グループ外の企業への販売も目指しています。特に日本語と韓国語に特化したAI技術が特徴としています。

「LINE BRAIN」というブランド名を持つLINEのAI事業を統括する砂金信一郎氏は「GAFAはAIを世界中のユーザーへの最大公約数的なサービスとして提供するが、我々LINEはユーザーに徹底してチューニングしていく」と強みを紹介しました。

人材育成については、 社内で他のサービスを開発しているエンジニアに機械学習スキルを学んでもらうことで、サービス開発にAI活用の視点を取り入れる方針です。

■テキスト・スピーチ・ビジョンに集中

LINEがAI活用の重点分野として取り組んでいるのは「テキスト」「スピーチ」「ビジョン」という大きく3つの分野。その具体例としては、音声認識や画像からの物体認識、文字認識(OCR)といったものがあります。

LINE AI 事業戦略説明会

これらは機械学習技術の代表的な活用分野で、GAFAをはじめ、多くの企業で研究・活用が進められている分野でもあります。

このうちLINEで最も活用が進んでいるのがOCRとチャットボットの技術。この2つについては、1月22日より、企業向けのサービスとして提供することが発表されました。

LINE AI 事業戦略説明会LINE AI 事業戦略説明会LINE AI 事業戦略説明会

OCRは手書きや写真で撮られた文字がテキストに起こす技術で、チャットボットは会話を受け答えする技術です。どちらも"AIブーム"以前から存在する歴史の長い技術でもあります。

砂金氏は従来型の(機械学習を用いていない)OCR・チャットボットよりも高い精度を保ちつつ、改善を続けることで同じ機械学習の仕組みを取り入れた他社よりも優位なサービスを実現したいと紹介しました。

このほかにLINEが取り組んでいるのは、音声合成、音声認識、物体認識、顔認識、ビデオ解析といった分野。

LINE AI 事業戦略説明会

AI技術はLINEのサービスにも取り入れられており、たとえばLINE MUSICでは「紙やパソコンのプレイリストを取り込んで、聴き放題のラインナップで再現する」という機能にOCRの技術が使われています。

また、スマートスピーカー・音声アシスタントのClovaやGateboxでは、音声合成と音声認識、チャットボットの技術を組み合わせることで、「声での問いかけに声で返す」という仕組みを実現しています。

LINE AI 事業戦略説明会

Clova DeskGatebox

このほか、LINEでは「来店予約電話の自動化」サービスも開発中。コードネームLINE DUETから「LINE AiCall」へと改名されたこのサービスは、営業中の店舗で実験を行う段階に進んでいます。LINE AiCallは、電話口で予約者が話した内容から、予約に必要な要件(来店日時、何人か、名前や連絡先)を聞き出して、 予約システムなどにリストアップする仕組み。簡単なようですが、音声品質に制約がある電話で、自然言語を認識して、人間にとっても違和感がない受け答えが必要となるなど、高い応答精度が求められます。

LINE AI 事業戦略説明会

とはいえ、「電話口での予約者の対応」ぐらいまで限定されたシーンであれば、現代の日本語AI技術でも十分対応できる範囲にあると言えます。一方で、たとえば(分野を問わない)議事録の文字起こしツールのような、シーンが限定されていない用途では、まだまだ対応できるレベルには無いようです。

砂金氏は「 LINEのAI技術を『誰でも、どんな分野でも』提供するようにはしない。ただ、テキスト化で言えば、たとえば医療分野など、特定の分野の会話を書き起こす仕組みをサービスの中で用意することはあり得る。一方で、そういった特定分野に特化した機能の集合体としてある程度、汎用的な用途に対応できるような仕組みは作れるかもしれない」とLINEのAI技術に対するアプローチについて、最初は分野を限定して精度を高めていく方針を示しました。

LINE AI 事業戦略説明会▲LINEでAI事業を統括するLINE BRAIN室 室長の砂金(いさご)信一郎氏


繰り返しになりますが、今回LINEが紹介した「AI」にまつわる技術は米中のIT大手だけでなく日本でも開発している企業が多く存在します。今回LINEが紹介した「AI」にまつわる技術は米中のIT大手だけでなく日本でも開発している企業が多く存在するもので、特別目新しい技術ではありません。

LINEの戦略をまとめると「日本での浸透度を生かし、米IT大手が進出する前にサービス化を進めてしまおう」ということ。この方針はYahoo! JAPANとLINEの経営統合についての会見で語られた「日本市場向け特化で米中IT大手に対抗」という企業方針とも呼応するものと言えます。

そしてLINEにとって、2020年の課題はAI関連サービスをいかに素早く実用化できるかが鍵となります。砂金氏は「PoC(実証実験)は2019年で終わり。LINEが今後、AI関連で発表する内容はほぼ導入事例になってくるだろう」と、実用化を本格化させていくことを表明しました。

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