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迷いのない「Xperia 1 II」のコンセプトを考えると、ソニーが抱える5Gへの悩みがみえてくる(本田雅一)

"PRO"としてミリ波モデルは分離

本田雅一, @rokuzouhonda
2020年2月25日, 午後01:30 in Accessory
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今年は各社とも上位モデルのモデムを5Gへと切り替えていく年になります。ソニーモバイルも例に漏れず、Xperiaシリーズを5G化。発表された通り、プレミアムクラスのXperia 1を第二世代の「Mark II」とし、5Gモデムを実装しています。6GHz以下の周波数帯(sub6と言われている帯域です)に対応する5Gモデムを搭載しますが、さらにXperia 1をベースにミリ波対応とした「Xperia PRO」を開発していることも発表しています。

端末の進化も気になるところで、とりわけカメラの進化は注目したいところ。リアルタイム瞳AFは、どこまでガッツリとαの最新機種並と訴求されていますし、1/60秒ごとにAF/AEの演算を内部で繰り返す手法もα上位モデルとそっくり。デュアルPD(位相差)センサーとToFセンサーを用いたAFは......っと、いかん、本題とどんどんズレていきますね。

発表されたとはいえ、国内モデルに関しては取り扱いキャリアを含め、まだ未確定の要素は残っています。いずれにしろ、実際に評価用端末が使えるようになるのは先のことなので、カメラとしての評価は実機を入手してからとして、まずは"ソニーが5Gモデムをどう料理するか?"という視点で話を進めていきましょう。

●コンテンツの"創作"と"消費"の両方に跨がってリアリティとリアルタイムを提供

Engadgetでの5Gをテーマにした連載の中でも初期の頃に何度か指摘していましたが、スマートフォンで5Gの価値を出す......というのは、なかなか難しいことです。なぜなら、スマートフォンに5Gモデムを搭載したとしても、端末の機能を刷新するほどの価値を引き出すことは難しいからです。

昨年、先行して5Gモデム搭載端末が発売され、特に韓国では多くの端末が売れた......とはいうものの、それは韓国政府の方針もあって5G端末普及に手厚い支援が加えられていたから。要は割安だから売れたのであって、5Gモデムを搭載することの利点あって売れていたわけではないと、僕は観ています。

そんな中、スマートフォンという商品の枠組み内で5Gモデムをどう料理し、商品戦略に組み込んでくるのかな?と思ったのですが、ソニーグループ全体として取り組んでいる「リアリティ」と「リアルタイム」をテーマに、コンテンツ制作とコンテンツ消費をよりリッチなものにしていくというコンセプトを披露してます。

映像に関してはそろそろ4K/HDRが当たり前になってきていますが、8K/HDRの撮影や視聴も視野に入れながら、音質面ではハイレゾはもちろん360 Reality Audioなどの材料がありますが、まだ明確に"これこそが"という意思までは感じられません。

ソニーの担当者は「5Gによるアップリンク(上り接続)帯域の拡大は映像制作などコンテンツを生み出す側で、ダウンリンク(下り接続)はメディア消費で役立つ。それに合わせて制作・視聴体験を徹底して高めることがソニーの5G戦略だ」と話しています。

そのために、写真家、シネマトグラファー(映像作家)、映画ファン、オーディオファン、音楽ファン、さまざまなジャンルにおいて、深く興味を持ってスマートフォンを使いこなしたいと考えている利用者層に"刺さる"端末を......ということなのでしょう。

●コンテンツ制作と消費の質を高めることで端末の価値を磨き込む

Engadget
目標が定まっていれば、端末仕様にも迷いはありません。Xperia 1 IIをみて、最初に感じたのは"迷いの無さ"でした。先代モデルのコンセプトを引き継ぎながら、カメラや音質などを磨き込むことで、より完成度を高め、コンテンツ制作でも消費でも最高の端末にした先に、さらなる通信帯域拡大の欲求が生まれると考えているのでしょう。

カメラの超絶進化やマニアックに写真、動画が撮影できる専用ソフトのさらなる磨き込み、ゲーム専用モードでタッチパネルを倍速で動かせるようにするなど、コンテンツを楽しむこと、作り込むことの両方に対して、これまでソニーが培ってきた各ジャンルでの技術やノウハウを詰め込んできました。実際、スマートフォン端末として考えた場合、Xperia 1 IIのカメラや搭載アプリはとても魅力的ですよね。

さらにディスプレイに関しては、残像低減技術が組み込まれて動きボケが抑え込まれていることに加え、ホワイトバランスに極めて拘った設定が行えます(標準光源や色温度を自分で指定できる!)。どっちでもいいじゃん!って人にはどっちでもいいけれど、コンテンツ制作のワークフローなどを知っている人には「おっ!」と思う機能が仕込まれています。シンプルさを重んじるアップルとは正反対ではあるけれど、個人的には本格派であることをさりげなく主張していて気に入ったところですね。

これだけ薄いのに有線イヤホン用の3.5ミリ・ミニステレオフォンジャックが装備され「音質がいいよ」と訴求されているところも、実機でのテストに期待したいですね。AI技術を採用して高音質化したというDSEE Ultimateも是非試したいところです。

もっとも、ここでの迷いの無さとは、5Gの特性をどう活かすか?といった難しいことを考えるのではなく、シンプルに5GモデムをよりLTEより高性能なモデムとして捕らえることで得られているもので、「5Gが〜」というストーリーテリングを考え始めると、なかなかクリアには先が見えないものです。

たとえば、Xperia PROは技術的な目標は定まっているものの、用途に関しては"模索"という印象を受けました。

●"PRO"として分離したミリ波モデル

Xperia PRO

5Gには大容量、低遅延、超高速・広帯域といった特徴があることはご存知でしょう。

このうち大容量に関しては、まだ現在の5Gネットワークには実装されていません。低遅延に関しては、現在のスマートフォンのアプリケーションではあまり必要とされないでしょう。となると超高速・広帯域で、スマートフォンをどう変えていくか?という話になります。

そして超高速・広帯域を究めようとすると対応が不可欠になってくるのが、ミリ波への対応です。ミリ波の定義は30〜300GHzの電波なのですが、日本で通信事業者が使えるのは27〜29.5GHzの周波数帯です。

従来の携帯電話で使ってきた周波数帯はもちろん、sub6と比べても桁違いに高い周波数のため、直進性が強く家屋などへの浸透性も低い難しい周波数帯ですが、水による減衰が大きいため、雨天などには通信品質が落ちやすいなどの問題があります。

一方で高い周波数帯であるが故に幅広い帯域を活用できる利点もあり、現在、日本の各キャリアに割り当てられているのは400MHz幅。5G NRでの通信速度は、実効速度で1Gbpsを超えるぐらいの速度になるでしょう。

ミリ波に関しては、エリアを作る側の技術進歩で、特定の施設や場所に関してエリアを作る技術やノウハウが溜められてきていますが、問題はその使い途。光ファイバーを引き込まなくとも広帯域通信を実現できることは利点だが、では端末単位でというとなかなか答えは見つかっていません。

「エイヤ!」と最上位モデルに詰め込めると、ミリ波対応端末の設計には制約も出てきます。Xperiaシリーズのミリ波対応機に"PRO"と名付けられているのは、実際、対応のハードルや得られる利点などを考えたとき、コンシューマ向けに良い用途を思いつけなかったのではないでしょうか。

●業務用映像機材を提供しているが故の割り切り

Xperia PRO

しかし、だからこそ"割切って"作っている印象も受けました。Xperia PROは外装の質感や色などではなく、あくまでも性能にこだわり、誘電率低い外装素材を用いています。4方向それぞれにアンテナを配置することで360度どの方向にも高い受信感度が得られるよう工夫を施しているとのことで、デザインも無骨(格好悪いという意味じゃないですよ)。

昔のラジカセではありませんが、ミリ波ではアンテナの方向や本体を置く位置や向き、高さなどで信号の品質も変化しやすくなります。このため専用のユーティリティを開発し、現在、通信に使っているアンテナの位置や通信帯域を表示、確認できるように工夫もされています。

極めつけはHDMI入力機能でしょう。カメラのHDMI出力をXperia PROに接続すると、Xperia Proをモニター代わりにしながら、そのまま5Gで映像をアップロードできます。この機能は特に一眼カメラの動画撮影機能と組み合わせるときに役立ちそうですね。

用途としては、テレビや映画など業務用カメラと組み合わせ、5Gで映像を中継したりなのでしょうが、プロでなくともYouTubeでの発信など様々な使い方ができそうです。

現時点では、どのようなチャネルで販売するかも含めて「検討中」とのことですし、最終スペックも価格も見えてきません。しかし、この製品を使って映像を発信する人が増えてくれば、これまでとは異なる進化軸の製品として新しい柱になったり、あるいはHDMI入力機能などがXperia 1シリーズにフィードバックされるなどの期待が持てるかもしれません。


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関連キーワード: accessory, android, smartphone, sony, Xperia 10 II
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