[名称] Magneto-Optical Disk(5.25インチ)
[種類] 光磁気ディスク
[記録方法] 光強度変調方式
[サイズ] 約130mm
[容量] 600MB~9.1GB
[登場年] 1988年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

連載:スイートメモリーズ

「5.25インチMO」は、ランダムアクセス性、大容量、長期保存可能な信頼性の高さなどを特徴としていた光磁気ディスク。主にサーバーのバックアップ用途、企業や官公庁などでの文書保存など、信頼性を重視する用途で利用されました。

個人で使っていたという人は多くないため、3.5インチMOと比べると知名度が低くなりますが、登場したのは5.25インチMOが先となります。

採用されている技術は基本的に3.5インチMOと同じ(……というか、5.25インチMOを元に3.5インチMOが開発されてます)。高温で磁化されやすく、常温で磁化されにくい素材を記録層に用い、レーザー光で加熱しながら磁界の向きを変えることで、データを記録します。読み出し時は、出力を抑えた偏光レーザー光を照射。反射光の回転角の違いで磁気の向き……つまり、データを読み取ります。

物理的な違いとしては、3.5インチMOが片面記録だったのに対し、5.25インチMOは両面記録で、裏返してA面、B面を利用できる点があげられます。また、書き換え可能なメディアだけでなく、1度だけ書き込み可能な追記型メディア(WORM、Write Onece Read Manyの略)も用意されていたというのが大きな違いでしょう。

ちなみに容量は両面を合計したもの。5.2GBのカートリッジであれば、片面2.6GBとなります。

5.25インチMOは5世代ありますが、世代ごとに紹介するほどメジャーではないので、ザックリまとめて紹介します。主な技術の違いに関しては、すでに紹介済みの「MO(128MB)」(File009)「第2世代MO(230MB)」(File023)「第3世代MO(640MB)」(File037)を参考にどうぞ。第4世代以降の3.5インチMOもそのうち紹介する予定です。

形状は世代によらず共通となっていますので、まずはカートリッジを見ていきましょう。ここでは初期のものとなる、第1世代の600MBを例にします。

カートリッジに入っていることもあり、見た目はPDやDVD-RAMなどと似ています。ただし、DVD-RAMのシャッターが左右どちらにも動いたのに対し、5.25インチMOのシャッターは動くのは一方向。そのため、裏返して使う場合は逆向きとなります。

左下にある赤いスライドスイッチは、ライトプロテクト用。データを保護したい場合は、このスイッチを矢印の方向へと動かします。

この写真だけだとサイズ感がよくわからないと思いますので、3.5インチMOと比較してみましょう。

5.25インチMOのカートリッジサイズは135×153×11mm、対して3.5インチMOは90×94×6mmですから、並べてみるとどれだけサイズが違うのかが実感できます。とくに厚みの差が結構エグイですね。

ちなみに重量は製品によって変わるとはいえ、この写真のカートリッジで約163g。こちらもエグイです。

中のディスクは両面ということもあって、2枚背合わせに貼り付けたような構造となっています。

ちょっと見づらいですが、ディスクの厚みは2.4mmとかなりのもの。これだけ厚みがあると当然ディスクも重たく、安定して回転させるにはかなりの力強いモーターが必要そうです。

ディスク表面をよく見ると、記録面の反射が一定角で分割されている様子がわかります。これは第1世代の5.25インチMOは回転速度が一定のCAVとなっているため。第2世代以降はZCAVとなるので、外周にいくほど分割位置がズレていきます。

いきなり世代の違いを言われても分からないと思いますので、容量や記録方式の違いなどを調べた範囲で簡単にまとめてみました。

基本的な特徴は世代ごとに同じで、セクタサイズの違いで容量が変わるといったものになります。資料によっては第1世代を基準として、第2世代が2倍密度、第3世代が4倍密度、第4世代が8倍密度、第5世代が14倍密度といったように、世代ではなく倍率で書かれていることもあります。

注意しておきたいのが、第2世代は2倍密度だけでなく3倍密度も規格化されていること。容量が1.7/2.0GBとなっているのが3倍密度のもので、同じ世代でも記録方式が異なっています。

なお、5.25インチMOドライブの方が3倍密度に対応していないことが多いようで、同じ第2世代でも若干マイナー感があります。

せっかくなので、集めた5.25インチMOタワーを。残念ながら第2世代の1.7GBカートリッジは入手できていません……絶賛募集中!

連載:スイートメモリーズ

参考:

5.25型MOディスク EDM-600C/EDM-650C..., Sony

光変調ダイレクトオーバーライト方式の採用により記録速度を従来比2倍に向上, Sony

5.25インチで2Gバイトを実現した大容量光磁気ディスク装置とライブラリ装置, 日立評論

5.25型MOディスク(8倍容量)の発売について, 三菱化学株式会社

従来比2倍の大容量5.2GBを実現, Sony

磁気超解像技術とランド&グルーブ記録方式の採用により大容量9.1GBを実現, Sony