TF5G

5Gの普及はまだまだこれからですが、各スマートフォンメーカーから5G製品が相次いでいます。その動きはメジャーメーカーだけではなく、海外通販などで知られる中堅メーカーにも及んでいます。Ulefone、Blackview、Ouktel、Doogeeといった名前を見たことのある人もいるかと思います。いずれも通販が主体、主にタフボディーのスマートフォンを展開しています。価格は200から400ドル程度、手ごろな価格のものをよく見かけます。

TF5G

この4社がタフボディーのスマートフォンを出す理由は、もはや価格だけでは大手メーカーに勝てないからでしょう。シャオミの「Redmi」など大手メーカーは低価格ブランドを作り、格安端末を次々と出しています。スマートフォンの値段がまだ高かったころは上記4社も低価格モデルを出して差別化ができましたが、今やそのクラスの製品も大手にカバーされてしまっています。Redmi Note 9Sは日本でも2万4800円。この価格に対して中堅メーカーが普通のスマートフォンで打ち勝つことは不可能です。

TF5G

一方、タフボディーのスマートフォンはサムスンの「Xcover」や「Galaxy S Active」シリーズが目立つ程度で、あとはCATブランドの製品が知られているくらい。ターゲットはニッチですが、タフな製品は工場や建築現場向けだけはなく、アウトドアユース需要も見込めます。中堅メーカーはここに目を付け、大手がやらないタフ仕様のスマートフォンを展開しているわけです。

TF5G

さて、2019年4月から本格的に始まったNR方式による5Gサービスは、これまでの3Gや4Gサービスがネットワークの拡張に合わせるように端末が登場したのに対し、端末が先に次々と登場し、ネットワークの広がりが追いついていません。そのため5Gスマートフォンを買っても5Gが使える場所がない、というケースが各国で見られます。

韓国メディアの報道によれば、この1年半で5Gを契約したものの4Gに戻った人が約56万人にのぼったとのこと。韓国の5G契約者数は9月末時点で865万人。5Gを契約した後にやめた消費者の数はざっと1割を切っているとはいえ、エリアなどに不満を持つユーザーがそれだけいたということでしょう。

とはいえ中国メーカーはすでに低価格モデルすら5G端末への切り替えを進めています。Relameが中国で出している「V3」は999元(約1万6000円)で買える5Gスマートフォンです。スペックは低いものの、ここまで安く5Gスマートフォンを作れるのであれば、もはや4Gスマートフォンの開発を縮小していくこともうなづけます。

TF5G

このようにハイエンドモデルだけではなくエントリーモデルまでもが次々と5Gに対応していくと、中堅メーカーも「タフボディー」だけでは差別化が難しくなり、4G対応では技術的な古さを感じさせてしまいます。各社は高画質カメラの搭載などを進め、最新モデルであることをアピールしていますが、格安端末ですら5Gに対応するとなれば、それに対抗せざるを得ないでしょう。

この秋に各社が相次いで投入しているのが5G対応のタフボディースマートフォン。最初に発表したのはUlefoneで、それに対抗するように他のメーカーも相次いで製品を発表しています。

Ulefone Armor 8 5G

  • MediaTek Dimensity 800、RAM8GB、ROM256GB

  • 6.67インチ1560x720ピクセルディスプレイ

  • 6400万画素+カメラ2つ(トリプルカメラ)

  • 5080mAhバッテリー

  • 999.99ドル(予定)

TF5G

Ulefone Armor 10 5G

  • MediaTek Dimensity 800、RAM8GB、ROM128GB

  • 6.67インチ2400x1080ピクセルディスプレイ

  • 6400万+800万(超広角)+500万(マクロ)+200万(深度測定)画素カメラ

  • 5800mAhバッテリー

  • 価格未定

TF5G

Blackview BL6000 Pro 5G

  • MediaTek Dimensity 800、RAM8GB、ROM256GB

  • 6.36インチ2340x1080ピクセルディスプレイ

  • 4800万画素+カメラ2つ(トリプルカメラ)

  • 5280mAhバッテリー

  • 399.99ドル(約4万2000円):Indiegogoのアーリーバード価格(500台

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Oukitel WP10

  • MediaTek Dimensity 800

  • 6.67インチディスプレイ

  • カメラ不明

  • 8000mAhバッテリー

  • 価格未定

TF5G

各社の製品を見てみると、チップセットはDimensity 800で横並び。このため端末の価格を抑えることができるのでしょう。しかしUlefoneのArmor 8 5Gは予価が999.99(約10万5000円)ドル。これは同チップセット搭載スマートフォンとしては高すぎます。また、Ulefoneより後にタフボディー5Gモデルを発表したBlackview、Oukitelの製品は一部のスペックや価格がまだ未定です。

Armor 8 5Gは11月に発売予定なので、おそらく実際に販売されるときは相応の価格に落ち着くと思われます。そしてBlackview、Oukitelもその実売価格を参考にカメラスペックや販売価格を決めようとしているのかもしれません。

グローバルではシャオミの「Mi 10T Lite 5G」が279ユーロ(約3万4000円)で発売されます。そうなるとこれらのタフボディー5Gスマートフォンはこれより極端に高い価格で販売することは難しいでしょう。となると一体いくらなら売れるのか、まずは製品を発表して市場の反応をうかがっていると思われます。

各社の製品はIP68、IP69K、MIL-STD-810Gなどタフ仕様は本格的です。とはいえ「タフボディー」に加え「5G」がほしいユーザーと、各社の販売チャネルがマッチしていなければ一定の販売数は見込めないでしょう。5G対応を機会に各国のキャリアに売り込み、キャリア経由でB2B向けに販売してもらう、といった販路拡大も必要でしょう。アウトドアショップやスポーツ店での取り扱いも必要かもしれません。

大手メーカーの寡占状態が広がるスマートフォン市場、生き残りのためには製品の差別化だけではなく、今以上の販路拡大は必須です。