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AIの市場での成功の鍵を握るUX

さまざまな産業におけるリソースが、AI(人工知能)の急速な進歩に注がれ、AIを継続的に“賢く”するために、多大な努力が払われています。しかし、賢くなることは常にAIの成功を意味するのでしょうか? AIを実際に使用して成功するかどうかは、その製品をユーザーに受け入れられる形で提供することが重要であり、ユーザーにとって価値の高い体験ができるかどうかにかかっています。すなわち、AI技術を市場に導入する際には、UX(ユーザーエクスペリエンス)が重要な役割を果たすことになります。

本書では、家庭でもオフィスでも外出先でも、タスクを実行している人に直接触れるAIを中心に紹介しています。金融取引のアルゴリズムや疫学的なモデル化、産業オートメーションの背景にある、人に情報を依存したり提示したりしないAIに焦点を当てているわけではありません。私たちのほとんどが経験するであろうAI-具体的には、一般的に使われているアプリケーションで私たち全員が経験するAIに焦点を当てています。

最初の方の章では、AIとUXの両方に関連する歴史と、その歴史が影響力のある研究者たちの生活の中でどのように絡み合っていたのかを説明するように構成されています。そして、第4章で具体的な問題を明らかにします。第5章では、UXがユーザー中心のデザインモデルを通じてAIにどのように利益をもたらすのかについて説明しています。

 <目次>

第1章 AIとUXの紹介 
第2章 AIとUX:パラレルジャーニー 
第3章 身近なところでAIを活用した製品が登場している 
第4章 ガベージイン、ガベージアウト 
第5章 UXフレームワークの適用

この本の中では、友人や同僚と話すように、よりカジュアルに、より多くのコミュニケーションをとることができるダイアログを採り入れています。時には、要点を主張するためにダイアログを使うこともあれば、それを補強するために使うこともあります。

 


書名: AI and UX: Why Artificial Intelligence Needs User Experience
著:ギャビン・ルー
  ロバート・M・シューマッハJr.
発行国:アメリカ
発行年:2020年
ジャンル:ビジネス・コンピュータ
ISBN:978-1-484257-74-6

ギャビン・ルー(Gavin Lew)
企業および学術分野で25年以上の経験を持つ。User Centric社を設立し、会社を米国最大のプライベートUXコンサルタント会社に成長させた。国内および国際会議で頻繁に発表し、いくつかの特許を発明しています。デポール大学とノースウェスタン大学では非常勤教授も務めている。大学で実験心理学の修士号を取得。ロヨラ大学で実験心理学の修士号を取得しており、現在は、北米、ヨーロッパ、アジアでグローバルに資金提供されているUXコンサルティング事業を展開しているReSightGlobalの一部であるBoldInsightのマネージング・パートナーを務めている。

ロバート・M・シューマッハJr.(Robert M. Schumacher Jr.)
学術、代理店、企業の世界で30年以上の経験がある。User Centric社の初期段階から2012年にGfK社に売却されるまでの間、ギャビンと同社を共同所有していた。User Centric社にいる間、UXエージェンシーのグローバルアライアンスであるUser Experience Alliance社の設立を支援。北京ではUXエージェンシーのUser Experience Ltdを設立。グローバルUX企業であるReSightGlobalの一部であるBoldInsightの共同創設者、共同所有者、およびマネージングパートナー。米国政府の健康記録のユーザーインタフェース標準を含む、いくつかの特許と数十の技術出版物を持っている。ノースウェスタン大学の非常勤教授でもあり、イリノイ大学アーバナシャンペーン校で認知・実験心理学の博士号を取得している。
 


社会実装としてのAI活用のフェーズに向けて
発起人・翻訳:飯塚 重善より

 新型コロナウイルスの感染拡大による移動制限と、デジタル庁の創設に向けた行政改革によって、日本国内の、データやデジタル技術を取り巻く環境は大きく変化しました。さらに、AIの存在価値は大きく変化していきます。AIを活用してイノベーションを起こしたければ、「動く」から「うまく動く」へとシフトさせる必要があり、それが普及率を高める大きな要因となります。

 一方で、AI技術は飛躍的に進歩し、これからもまだ続くと思われますが、精度だけではなく、実際に現場でどれほどの効果を発揮するのか、成果が求められるようになってきています。技術的な試行錯誤も大切ですが、それ以上に現場での使われ方、現場が受け入れられる画面設計が重要です。それはユーザーにとって身近で使いやすいものでなければなりません。つまり、社会実装としてのAI活用が求められるフェーズになってきています。

 本書は、AI を企業に導入させるには、UX デザインが重要であること、また、AI をサービスに利用するには、AI の正解の指標としてUX デザインが必要であることを述べており、AIの利用と成功が優れたユーザーエクスペリエンスに依存していることを理解するとともに、サービスデザインに関する主張の延長上にあるもの、という捉え方もできます。ただし、UX デザイナーには、工学的なことに明るくない人も少なくなく、そういった人向けに、AI との親和性を主張するものになると考えられます。もう少し対象を広げて、AI を使ったシステムを売りたいベンダーや、DX を考えている企業担当向けにアピールすることもできると考えられます。また、UX デザイナー界隈とAI 技術者界隈を橋渡しする位置づけ、という見方もできます。さらには、AI 技術者に対して、UX デザインを採り入れることの重要性を説く、啓蒙的な内容ともいえることから、たとえば、大学(理工系)の教養(1・2 年生)向けに、とも考えられます。AI の過去の経緯が、記事や論文を引用しながら追われているので、歴史的な勉強にもなります。
 


飯塚重善(いいづか しげよし)

1990年静岡大学理学部数学科卒業。同年、日本電信電話株式会社入社。2009年4月より神奈川大学経営学部 准教授。特定非営利活動法人人間中心設計機構理事。HCD-Net 認定人間中心設計専門家。UX デザイン、コミュニケーションデザイン、インタラクションデザインの研究に従事。 博士(情報学)。訳書に『SF映画で学ぶインタフェースデザイン-アイデアと想像力を鍛え上げるための141のレッスン』(丸善出版)(共訳)、『患者は今あなたを見ている -なぜ、認知度、患者体験(PX)、デジタルマーケティングが医療機関の発展のカギを握っているのか?』(丸善出版)(単訳)。
 


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