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イヤホン・ヘッドホン売れ筋ランキングで常に上位に顔を出すのが、Apple AirPods Proです。スマートフォン市場でiPhone利用者が約半数をしめる日本においては、一番普及しているノイズキャンセリング搭載完全ワイヤレスイヤホンと言えるでしょう。

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ノイキャン標準機となりつつあるApple AirPods Pro

音質、伝送の途切れにくさ、ノイズキャンセリング性能、Apple製品だから、と様々な理由で支持されているわけですが、一方でアップデートによってノイズキャンセリング性能が落ちているのではないか、という指摘もあるところです。おそらく強いノイズキャンセリングに起因する、耳が詰まるような不快感とキャンセル具合のバランスを探っているため、アップデートによって効き具合が変化しているのではないかと推測するのですが、皆さんのところではいかがでしょうか。

さてそんなノイズキャンセリングですが、なにも電気的な処理だけに頼っているわけではありません。AirPodsの耳乗せ型から、Proの耳栓型(カナル型)に変更された理由は、耳穴をふざぐイヤーチップによって周囲のノイズを低減しつつ、電気的にも処理するという二重構造にするためです。現在ほとんどのノイズキャンセリング型イヤホンは、カナル型を採用しています。

AirPods Pro純正のイヤーチップはシリコンカップ型で、装着感は非常にいいのですが、遮音性という面ではうまくマッチする人と、しない人がいます。人間の耳の穴は全員が綺麗に円形をしているわけではありませんので、どうしても隙間ができる人もいるわけです。かといって大きめのイヤーチップで無理矢理塞ぐと、今度は装着感がキツいという事になります。

カナル型イヤホンの中には、シリコンチップとフォームチップの両方を同梱する製品もあります。これなら快適性を重視するならシリコン、遮音性を重視するならフォームをと、使い分ける事ができます。

一方AirPods Proにはシリコンチップしか同梱されていません。サイズ変更などでチップを取り外してみた方はお分かりだと思いますが、AirPods Proには耳穴に差し込む音導管にチップを差し込むタイプではなく、音導管ごとカパッと取り外すという、大胆な構造になっています。

こういう特殊構造だと、汎用のフォームチップが流用できません。AirPods Pro発売から約1年、フォームチップ派の皆さんは忸怩たる思いを抱えてきたと思われます。しかし11月21日、汎用フォームチップの雄「COMPLY」から、ついにAirPods Pro専用フォームチップが発売となりました。価格は3300円。サイズはS/M/Lのほか、3種類がミックスされたものもあります。それぞれペアで3セット入ってますので、1ペア1100円という事になります。

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あのCOMPLYからついに専用チップ登場

今回は評価機をお借りすることができましたので、早速試しているところです。

■「さすがCOMPLY」な遮音性

純正シリコンチップに対して、サイズ、形状はほぼ同じです。同じにしないと充電ケースに入りませんので、当然といえば当然です。購入される方は、現在使用中のサイズを発注すれば、ほぼ間違いないかと思います。

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交換しても充電ケースにはきちんと入る

装着方法は純正チップと同じで、チップの先をつまんでイヤホン側にギュッと押しつければ、パチッと音がしてはまります。ただしいったんはめるとものすごく外れにくいので、ご注意ください。

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チップの装着方法は純正と完全互換
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交換しても充電ケースにはきちんと入る

フォーム型チップに慣れている方もいらっしゃると思いますが、ここで正しい装着法をおさらいしておきます。

1. 装着前に、フォームチップの全方向をギュッギュッとつまんで小さく固めます。

2. 素早く耳穴に入れます。なるべく奥まで入れるのが望ましいです。

3. 指でイヤホンを押さえて、そのままの状態を5秒〜10秒キープします。

4. フォームが自然に膨れてフィットしたのを確認したら、そっと指を離します。

この手順を左右で行ってください。装着後はシリコンと比べて、かなり「耳栓してる」感があると思います。フォームチップは柔軟性が高いので、耳穴の形が特殊でも大抵の方はぴったりフィットするはずです。

ウレタンフォームチップ最大のポイントは、遮音性の改善です。シリコン型でもぴったりはまっていればある程度の遮音性はありますが、所詮は薄い皮ですので、高いエネルギーを持つ高音や大きな音は通り抜けてしまいます。一方ウレタンフォームは厚みがあり、内部に気泡を沢山有していますので、そうした何十もの「壁」が遮音性を向上させます。

実際に繁華街のスタバでCOMPLY装着のAirPods Proで音楽を聞きながらこの原稿を書いているわけですが、あちこちから聞こえてくるクリスマスソングや隣の人の会話、通路を掃除する掃除機の音などに邪魔されることなく、快適に原稿を進めることができました。純正シリコンチップよりも遮音性はかなり上がっていると感じます。

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年末の繁華街でも問題なく遮音

もう一つのポイントは、低音域の改善です。シリコンチップで耳穴に隙間ができている場合、低音域の音が抜けてしまいますので、「低音がスカスカ」という評価になります。一般の方々のレビューで音質評価にバラツキが出るのは、装着方法にバラツキがあるからです。

フォームチップを使用すると、上記の装着方法を守れば大抵の方は隙間なくフィットするで、低音域の大幅な改善が見込めます。ただしシリコンでこれまでも上手く装着できていた人にとっては、大して変わらないということもあり得ます。

さらに追加ポイントとして、外れにくくなるというメリットがあります。完全ワイヤレス型は片方だけ落とすという事故が起こりがちですが、人の耳の穴は左右同じ大きさではありませんので、ユルい方が落ちやすくなるのは当然です。一方ウレタンフォームは多少の大きさの違いがあってもピッタリ隙間を埋めてしまいますので、格段に外れにくくなります。

最後にご注意を。ウレタンフォームは体温で暖まることで柔らかくなりますので、寒い場所で装着しようとすると、つまんだ状態で固まってしまってなかなか耳中でフォームが膨らまない事があります。この状態では落ちやすくなりますので、一端手の中で握って温めてから装着するといいでしょう。

また遮音性がかなり高くなりますので、危険がある場所でのアナウンス等も聞こえにくくなります。人混みを歩きながら、電車を待っているホームなどで使用する際は、歩きスマホなどせず周囲の状況に十分ご注意のうえ、お楽しみください。

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