Airspeeder
Airspeeder

南オーストラリアの砂漠での大規模なテストを経て、世界初となる電気フライングカーによる国際レースシリーズ「Airspeeder EXA Series」が、今年後半に開幕する見通しとなりました。まだ開催地は公表されていなものの、その最初のシーズンは3戦が行われストリーミング配信される予定です。

シリーズを開催するのは超小型衛星会社Fleet Space Technologiesの共同設立者マット・ピアソン氏が新たに設立したAirspeederとAlauda Aeronautics。ピアソン氏は「レースほど技術革新を促進するものはない」との考えにたっており「世界は先進的なエアモビリティを求めており、空飛ぶ電気自動車による世界初のレースシリーズの開始で歴史を作ることを誇らしく思うと述べました。

使用される機体はAlauda Aeronautics製のMk3 EXAレース機でその開発はマクラーレン、ブラバム、ロールスロイス、ボーイングといったF1コンストラクターから自動車、航空宇宙分野からデザイナーやエンジニアを集めて行われました。ワンメイク供給されるこの機体は現在、オーストラリア・アデレードにあるAeronauticsで10機が制作中です。

Mk3のロングノーズな外観は1950~60年代のクラシックなレーシングカーからインスピレーションを受けたものとなっており、レーダーその他のセンシング技術によって互いが空中で接触することがないようにできているとのこと。スペック的には最大320kWを出力し、0-100 km/h加速は2.8秒、自動車では考えられないようなヘアピン旋回性能を有します。最高高度は500m。スライドロック機構を備えるバッテリーは”ピットストップ”で素早く交換が可能になっています(バッテリー仕様は未公表)。

デザインを担当したフェリックス・ピエロン氏は「F1マシンの運動能力と戦闘機の性能およびヘリコプターの機動性を融合させるというヴィジョンを具現化した」「その結果、eVTOL(電動垂直離着陸機)として非常に高いパフォーマンスを実現し、この革新的な新しいエアモビリティー技術が持つ、無限の可能性を世界中の人々に伝えられることを約束します」としています。

年内に3戦を予定するレースには、航空業界、モータースポーツ、eSportsの世界から選ばれた最大で4つのチームが、それぞれ2名のリモートパイロットを連れて参加し、従来のモータースポーツでは考えられないようなロケーションでホイール・トゥ・ホイールならぬブレード・トゥ・ブレードな接近戦を展開することになるだろうとのこと。なお、コースはストリーミング配信ではAR的に表示される模様。これはフォーミュラEの加速レーン表示などで使用される技術に似た感じかもしれません。

パイロットが乗り込まないのなら、このシリーズは要するに「機体がデカいドローンレース」なんじゃないの?とツッコミたくなる人もいるかもしれません。確かに言われてみればそのとおりです。ただ、Airspeederは2022年にはパイロットが乗り込んだ有人の電気フライングカーレースに移行したいと望んでいます。そのためには安全の確保が重要な課題になりそうですが、もし実現すればまさに緊迫の空中ドッグファイトが見られることになりそうです。

Source:Airspeeder