米空軍、有人戦闘機VS無人AI戦闘機のドッグファイトを2021年に予定

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Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年06月9日, 午後 04:00 in us air force
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Three F-35 fighter jets flying over clouds in vic formation 3d render
Getty Images/iStockphoto

米空軍は開発中の新型無人戦闘機と人間のパイロットが乗った戦闘機を対決させる模擬戦を、2021年7月に予定していると発表しました。その目標は、空対空戦で無人機が有人機を撃破できる能力とされています。

米国防総省の統合AIセンター(Joint Artificial Intelligence Center)を率いるジャック・シャナハン中将はミッチェル航空宇宙研究所でのイベントにて、米空軍研究所(AFRL)が現行戦闘機に匹敵する無人戦闘機の開発に取り組んでいることを明らかにしました。

AFRLが無人のAI戦闘機の開発を始めたことは、すでに2018年5月に報告されていたこと。この「ビッグムーンショット」(実現が困難とされる目標に挑むこと)はF-16のような最先端とは言えない機体に導入し、ゆくゆくはF-22やF-35など新鋭機にも投入される展望とされていました。ただし当時は開発目標が「18ヶ月後」(つまり2019年11月に完成予定)とされていたことから、予定より少し遅れ気味と推測されます。

開発チームリーダーのスティーブ・ロジャース(キャプテンアメリカではなく実在の人物です)氏は、人間の優れたパイロットは数千時間の経験を持っているが、AIシステムならば数百万時間の仮想トレーニングにより能力を増強できると示唆。そして「人が考え始めるよりも早く決定できるシステムで戦術的な自動操縦により空対空戦闘が実現したらどうなるか」と期待を煽っています。

ただしシャナハン中将は、こうした先進技術への取組みが上手く行くとは限らず、自動運転車業界での教訓に学ぶべきだと但し書きを付けています。同業界では数十億ドルも投資しているにもかかわらず「まだレベル4の完全自動運転車は路上を走っていない」と指摘しつつ「一方で、軍はそこから10年分の経験が得られる」とのこと。地上を走る自動車から戦闘機に経験が直輸入できるとは考えがたいことですが、高まりすぎた期待値を下げる意図もありそうです。

米空軍はそれ以上の無人機の詳細を明かしていませんが、「人工知能が操る無人機VSエースパイロットの乗る有人機」のドッグファイトはSF小説やアニメの定番とも言えるテーマです。それら作品群では意志決定の速さや戦術予測のほか、人間が乗っていると不可能な挙動ができることがアドバンテージとされていましたが、実際の模擬戦はどうなるのか。

AIによる自律的兵器システムの規制に賛同していたイーロン・マスク氏は「F-35は自律型ドローン戦闘機に勝ち目はない」と語っていましたが、世紀の一戦を待ちたいところです。

Source:Air Force Magazine

 
 

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