natasaadzic via Getty Images
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Alphabetの先端研究部門”X”が、聴覚を補助するデバイスの開発に取り組んでいると報じられています。聴覚を補助すると言ってもいわゆる補聴器とは異なり、様々な会話が飛び交う複数のグループの中にあって特定の一人の発する声だけに集中したい場合に役立つ、センサー満載のウェアラブルだそう。

具体的にはインイヤータイプのデバイスとマイクを組み合わせたもので、開発コード名は「Wolverine(ウルヴァリン)」。その初期バージョンのいくつかは、耳を覆う巨大なものであったり、耳から突き出た珍奇な形状をしていたとBusines Insiderは伝えています。

初期バージョンがいくつかの形状を持っているのは、このデバイスが多様なフォームファクターに適用できるからで、現時点でAlphabet がウルヴァリンの商業化にGOを出すためには、まずプロジェクトを進展させて複数のデバイスに仕立て上げる必要があり、さらに特定のユースケースを示さなければならないとされています。

AlphabetはBusiness Insiderに対して「聴覚の未来を探求している」と述べ、2019年にはXのリーダーであるアストロ・テラー氏やGoogleの共同創業者セルゲイ・ブリン氏にデモを行ったとしました。しかし、これまでにXが携わってきた他のプロジェクト同様、将来的なビジネスとしての道筋が見いだせなければ、ウルヴァリンもXによって抹消されるおそれがあると伝えています。たとえばWaymoはX発のプロジェクトとして最も成功しており、Wingのドローン配送プロジェクトも成功に向かって進んでいるように見えます。一方で、気球インターネットLoonは生き残ることができませんでした。

ではウルヴァリンは今後どうなっていくのか。それについてはまだだれも予想できない状態です。機能的な説明からはFacebook傘下のOculusが開発しているようなデバイスとか、聴覚情報処理障害(APD)の人が使うのに役立つようなものとも想像できますが、もう少し概要が見えてこないことにはなんとも言えません。

これまでにXが開発したウェアラブルデバイスでは、Google I/O 2012で発表され、2013年に開発者向けバージョンが発売されたGoogle Glassが思い浮かびます。Google Glassは発表時こそ衝撃を持って伝えられましたが、実際にそれを使って何かをしたいと考えたのはごく一部の人々だったようで、一般消費者向けの計画はいつのまにかなくなり、エンタープライズ向けとして生き延びたに過ぎませんでした。

ちなみに、Business InsiderはAlphabetの情報筋から得た話として、ウルヴァリンとは別のプロジェクトで全知全能の北欧の神にちなんだコードネーム「Heimdallr」と名付けられた顔装着型デバイスにも取り組んでいるとも伝えています。こちらはおそらく何らかのARヘッドセットになると見られますが、やはり詳細は述べられていません。

Source:Business Insider

via:9to5 Google