米Amazonの主張に反し、ロボット導入の倉庫で重傷災害が業界平均の2倍に増加との調査報告

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Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年09月30日, 午後 06:30 in business
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Marcos del Mazo via Getty Images
Marcos del Mazo via Getty Images

米Amazonは数千万ドルを投じたロボットの導入により、物流センター業務の効率と安全性を高めていると宣伝してきました。

しかし、非営利メディアのRevealは、調査報告センター(Center for Investigative Reporting)から入手した情報とAmazon社内の安全報告書と150か所のアマゾンフルフィルメントセンターからの毎週の負傷者数を分析したところ、2016年以降、Amazon従業員の負傷率が年々増加の一途であることが判明したと報じました。

Amazonは、労働災害の発生率で世間を欺いていると主張するこの報告に対しては「強く反論する」と述べています。米労働安全衛生局(OSHA)が言うところの”重傷”には「ほんの筋違いや捻挫による痛みなど、あらゆる種類の傷害が含まれる可能性がある」と主張しました。さらに作業スペース支援機器の提供、フォークリフト用ガードレールの設置による従業員との区画分離、人間工学的な面にフォーカスした改善プログラムなどを通じて「怪我の予防と減少のための改善」を継続的に実施していると主張します。

ただ、Revealが報告で述べた、従業員の負傷率が年々増えているという点に関しては、否定の言葉はなかったとCNBCは伝えています。

報告では他にも、Amazonは2019年に物流センター全体で1万4000人もの”重傷者”を出していると記録されています。これは従業員100人あたり7.7人に相当します。

さらにRevealは、OSHAから派遣されてAmazonの物流センターを調査した医師が、いくつかの職場において従業員が萎縮しており、怪我の報告や、外部医療機関での治療を躊躇していることを発見、特に休業災害を減らすための会社の方針は、結局休業を報告させないように機能していると報告したことが、Amazon幹部が職場安全性の強化によって災害が減少したとする主張とは異なると指摘しました。

ロボットによる自動化を進めた結果、怪我をする従業員が増えてしまうのは、会社側がそこで働く人たちに非現実的な期待を抱いているからかもしれません。Amazonは以前(非自動化職場では現在も)、ピッカーと呼ばれる人々に棚からの商品スキャンを1時間あたり100件行うよう指示していました。しかし、業務の一部をロボットに置き換えた結果、いまはAmazonはピッカーに対し時間あたり400件ものスキャンを要求しています。これでは、人々が無理せず安全に作業をすることなどできそうもありません。

また毎年7月前後に開催するプライムデーの時期は特に災害が急増しており、職場における安全担当者の人数も不足しているとされます。

Amazonは2012年のKiva Systems(現Amazon Robotics)買収以後、「効率性と安全性の向上」のために物流センターへのロボット導入を増やしています。しかしRevealはこれまでの調査でもAmazonの施設での重傷者数は業界における平均に比べてはるかに多いことを報告しています

なお、米Amazonはいくつかのメディアに声明を出し「われわれは誰かを誤解させたとする主張に強く反論します。Amazonは顧客最重要視するのと同様に従業員とその安全も大切にしています。Revealはジャーナリズムではなく活動家的な感覚に導かれた誤った情報を提供しています。記者はデータを誤解釈しており、入手したとする内部文書も、正しく読めば最終的に当社がチームの安全性を重視していることが分かります」と主張、Revealの報告を逐一否定しています。

Amazonの物流センターにおける労働環境が過酷だとされる報道は今回が初めてではありません。繰り返しこうした報道が出ることを考えると、やはりそこには何かがあるのでは、と思われても致し方のないところです。CNBCが指摘するように、けが人の発生率が増加していることへの反論がなく、もし実際にけが人が増えているのなら、いくら安全への取り組みを主張したところで、それが功を奏しているとは言えないように思えます。

source:Reveal

via:CNBC


 

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