小さな子供を持つ親に向けたGPSみまもりデバイスがいま人気を集めています。その多くは複数の測位衛星による位置情報とクラウドサービス、専用のスマホアプリを通じて、子供の現在地を地図上で確認できるというもの。確かに居場所がわかれば安心ですが、一方でそれだけで本当に十分なのかという気もします。

ソニーからリリースされた「amue link」は、まさにそうした従来のみまもりデバイスの“物足りなさ”に応えるもの。GPSによるみまもり機能に加えて、最大8秒間のボイスメッセージを双方向にやり取りできる機能が備わっています。

キッズケータイを持たせるには少し早いけど、いざというときにコミュニケーションがとれるデバイスを持たせたいというニーズに応えてくれそうです。

従来のGPSみまもりデバイスの多くは、端末の購入代金と別に月額料金を支払うサブスク型ですが、「amue link」は3年間の利用料金があらかじめセットになった買い切り型で販売されているのも、他のデバイスとは異なるポイントとなっています。

amue link Yuriko Ota
▲サイズは高さ約60×幅26×厚さ12.3mmと、子供の手にも隠れるくらいのコンパクトさ。重さはは約23.7gで、筆者が普段使用している「iPhone 12 Pro Max」の10分の1ほど
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▲背面にはストラップホールもあり首からかけても負担にならない軽さ。IP68の防水・防塵にも対応しています
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▲バッテリーはUSB Type-Cによる充電式。仕様では通信及びセンサー情報取得間隔2分、1日2時間程度使用で、最大5日間使用可能となっていますが、ボイスメッセージをやり取りせず移動しないときには通信を抑えられることもあり、1週間ほど充電なしで使えました

使い方は拍子抜けするほど簡単で、スマホに専用アプリをダウンロードしてメール、パスワードを設定。ユーザー登録を済ませたら、あらかじめ充電しておいたデバイスの裏にあるQRコードをスマホのカメラで読み込むだけ。あとは子供の名前をつけて登録し、デバイスを子供に持たせればOKです。

アプリのインターフェースがシンプルでわかりやすく、難しいと感じる要素はほぼありません。今回試したのは1台だけですが、アプリでは最大5台までのデバイスを管理できるようになっています。

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▲デバイスの登録は、背面にプリントされているQRコードを読み取るだけ。アイコンや名前をつけて保存すればすぐに使えるようになります
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▲アプリを起動するだけで、子供の居場所をすぐに地図上で確認できます。足跡マークから移動の履歴、フキダシマークからボイスメッセージの画面が開きます
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▲位置情報に加えてデバイスの各種センサーの情報から、歩く・止まる・自転車・車・バス・電車を自動判定して、子供がどのように行動しているかを詳しく知ることができます
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▲デバイスごとに学校や学童保育、習い事の教室といったスポットを登録しておけば、その場所に着いたとき、離れたときに通知を受け取ることもできます

ボイスメッセージをやり取りする方法も極めてシンプルで、スマートフォンからデバイスへ送る場合は、アプリのメッセージの画面で「ボイスメッセージ」ボタンを押して話し、送信するだけ。デバイス側で再生されると、メッセージアプリの既読通知のように、そのボイスメッセージが再生されたことがわかるしくみになっています。

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▲デバイス側で音声が再生されると、そのことがメッセージのところに表示されます。一般的なメッセージアプリに近い使い勝手となっていて、とれもわかりやすいです

デバイス側の操作はさらにシンプルで、ボタンは前面にあるホームボタンとサイドの音量ボリュームのたった2つだけ。ホームボタンを押したときにボイスメッセージが届いていれば、ボタン周囲のリングが緑色に点滅して知らせてくれ、ボタンを2度押しすれば再生されます。

デバイスからスマホへボイスメッセージを送信するときは、ボタンを長押しするだけ。ピッと音がすれば録音開始で、ボタンから手を離すと自動的にメッセージが送信されるようになっています。

amue link Yuriko Ota
▲ボタンを押したときに周囲のリングが緑色に光ったら、ボイスメッセージあり。白く光った場合はメッセージなし。なお、もし赤く光ったら通信ができていないという合図です

このように子供の居場所を確認できたり、子供の行動を把握できるだけでも安心はできますが、何かを伝えたいときにボイスメッセージを送れるというのは、さらに大きな安心につながるのではないでしょうか。しかも一方通行ではなく、双方向なやり取りが可能。音声を録音して送るだけなら、まだ読み書きが難しい小さな子供や、文字入力が不得手な高齢者とも気軽にメッセージをやり取りできます。年齢を問わず誰もが使えるという意味では、まさにユニバーサルなデバイスと言えるでしょう。

通信方式はIoT機器などに採用されているLTE-Mで、通信間隔は初期設定では2分置き。設定で1分、2分、6分から選べるようになっていますが、初期設定のままでもそれほど待たされることなくメーセージを受け取って再生し、録音して返信することが可能。もちろん電話のようにリアルタイムに話せるわけではありませんが、ややタイムラグのあるトランシーバーくらいの感覚で「会話」ができます。録音時間も最大8秒と聞くと短いように思えますが、ひと言ふた言のメッセージを届けるには十分な長さだと感じました。

デバイスの操作が2度押しで再生、長押しで録音となっている点は直感的に使えるだけでなく、誤動作による不用意な再生、録音を防止するという意味でとてもよく考えられていると思います。再生時にデバイス側で何か特別な操作しなくても、再生されたことが自動でスマホに通知されるのも便利です。

一方で録音時にはピッと音が鳴ってしまうので、周りに気づかれずにこっそりメッセージを送りたいといった場面では、使いづらいかもしれません。

月額料金ではなく買い切りなのもシンプルでわかりやすいですが、3年分の利用料が込みとはいえ4万7190円(税込、以下同)はイニシャルコストとしては、少々思い切りが必要な価格です。ソニーストアでは、1300円×36回の分割払いもできるようになっていますが、一括でも分割でも、利用できるのは3年まで。それ以上使う場合は買い替える必要があります。

3年以上使いたい場合は、「NURO 光」とのセット利用を条件に、端末代1万3860円、初期費用3300円かつ、月額1078円で利用可能なサブスク型の「amue link for NURO」というプランも提供されていますので、こちらを選ぶと良いでしょう。

月額1078円も他のGPS見守りデバイスの月額料金と比べるとやや高めの設定ですが、ボイスメッセージを回数に制限なく双方向にやり取りできること、その通信費料金も込みであることを考えれば納得感のあるプライスと言えます。キッズケータイを持たせるまでのつなぎの安心デバイスとして、検討してみるのもありかもしれません。