Apple iPad Pro 5G Junya Ishino

チップセットをMacと同じ「M1」に刷新した、新しいiPad Proが発表されました。これまでのAシリーズを搭載したiPad、iPad Proからパフォーマンスが飛躍的に上がっているのが特徴で、12.9インチ版には1万以上のミニLEDを使った「Liquid Retina XDRディスプレイ」が搭載されています。こうした仕様以上に、筆者が注目したのはWi-Fi+Cellular版の5G対応。iPhone 12シリーズと同様、日本版(というかアメリカ版以外)は、Sub-6の5Gに対応しています。

Apple iPad Pro 5G Junya Ishino
▲M1チップを搭載し、パフォーマンスが大きく上がったiPad Pro

Apple iPad Pro 5G Junya Ishino
▲筆者が注目したのは、やはり5G対応

Cellular版をすでにお使いの方には今さらかもしれませんが、便利なのは、いつでもどこでも通信できる点に尽きます。移動中にメールなどをバックグラウンドで受信しておき、席に着いたらすぐに作業し始められるのは、Cellular版ならでは。よりケータイライクな使い方が可能になり、Wi-Fiスポットを探したり、iPhoneやスマホ側のテザリングをオンにしたりする必要もなくなります。

Apple iPad Pro 5G Junya Ishino
▲外出先でも、Wi-Fiスポットを探す必要なく、すぐに作業に取り掛かれる

コロナ禍で、ビデオ会議に出先のカフェなどから参加する人も増えていますが、Cellular版のiPad Proはこうした使い方にも最適。エリア内ならば、という但し書きはつきますが、5Gであれば映像が乱れる心配も少なくなりそうです。新しいiPad Proはインカメラが広角になり、被写体を追尾する「センターフレーム」と呼ばれる機能が搭載されていますが、これもビデオ会議と相性がいい機能。FaceTime以外では、ZoomやWebexなどもこの機能に対応しているようで、5Gでの活用機会が増えそうです。

Apple iPad Pro 5G Junya Ishino
▲センターフレームに対応。5Gと合わせて、ビデオ会議もさらに使いやすくなる

仕様を見ると、日本版の対応周波数はn77、78、79以外に、4Gから転用したn3やn28なども含まれています。4Gから5Gへの周波数転用を進めているKDDIやソフトバンクでは、比較的広いエリアで5Gを利用できる可能性があります。

Apple iPad Pro 5G Junya Ishino
▲仕様面では、国内キャリアのSub-6と4Gからの転用周波数帯には一通り対応している

周波数的には、楽天モバイルのLTEや5Gにも対応していますが、iPhone 12では、アップル側が許可したキャリアでのみ、5Gをオンにできる仕様でした。そのため、現時点ではiPhone 12シリーズで楽天モバイルの5Gをつかむことができません。iPad Proでもこの仕様が踏襲されているかどうかは未知数ですが、今のところ、対応キャリアリストに同社の名前が挙げられていないため、iPhone 12シリーズと同様LTEまでの可能性もあります。接続の可否は、実機でのチェックを待った方がいいかもしれません。

残念だったのは、ミリ波に非対応な点。iPhoneと比べ、筐体が大きくアンテナの実装面積も広そうなだけに、日本版のミリ波対応をひそかに期待していましたが、今回はSub-6のみとなりました。ただし、現時点ではミリ波のエリアはSub-6以上に限定的。事前に使える場所を調べて、ピンポイントで受信しに行くぐらいの心づもりでなければ利用できないため、実利用上のデメリットは少ないはずです。こちらに関しては、次機種以降に期待したいところです。

Apple iPad Pro 5G Junya Ishino
▲米国版はミリ波に対応している

iPad Proだけのために通信料を払うのは、さすがにためらわれるかもしれませんが、各社とも、5Gタブレットの利用に適した料金プランを用意しています。ドコモ、au、ソフトバンクともに、5Gの無制限プランと紐づけられるデータシェア的なオプションがあり、1100円追加だけでSIMカードを1枚プラスできます。

ドコモは「データプラス」、auは「タブレットプランライト5G」、ソフトバンクは「データシェアプラス」を用意。シェアと言いつつも、1回線目が無制限だとシェアしようがないので、それぞれ30GBの上限が設けられていますが、2台目端末として使うのであれば十分な容量と言えそうです。ただし、クリエイターなどのプロ向けをうたうiPad Proなだけに、扱うデータは非常に大きくなる可能性があります。

Apple iPad Pro 5G Junya Ishino
▲画像はドコモのデータプラス。iPad Proは、5G用のシェアプランを生かせる初のタブレットでもある

4Kで動画を編集して、そのままGoogleドライブなどのクラウドストレージに上げて、チーム内で共有するといったことも容易にできてしまうのがiPad Pro。これを5Gのモバイルネットワークでやろうとすると、すぐにデータ容量が尽きてしまうことも考えられます。ドコモなら、上記の場合、スマホ側のテザリングは無制限になるため、それで通信をまかなうこともできますが、それならWi-Fi版で事足りてしまいます。30GB制限をスマホ側に設定した月は、タブレット側が無制限になるなど、もう少し柔軟な使い方ができる仕組みを導入してほしいと感じています。

また、仕様上、iPad ProはeSIMにも対応しています。iPhoneと違い、データ通信専用端末に位置づけられるため、DSDS(デュアルSIM/デュアルスタンバイ)には非対応ですが、物理SIMを入れ替えることなく使えるのは手軽です。一方で、上記のようなデータシェアは、いずれも物理SIM。eSIMを提供済みのワイモバイルやLINEMO、povoとも相性がよさそうなだけに、データシェア的な仕組みがあってもいいのではないでしょうか。iPad Proのアップデートに合わせた、キャリア側の進化も期待したいところです。

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