App Store

アップルは1日、日本の公正取引委員会と「リーダー」アプリの運営方法を変更することを条件に、App Storeの調査を終結することに合意したと発表しました。この変更により、該当するアプリ内に「アカウントを設定および管理」できるようにウェブサイトへのリンクを1つだけ設置できるようになり、App Store以外の支払い方法を使って新規登録などが可能となる見通しです。

ここでいう「リーダー」アプリとは、「デジタル版の雑誌、新聞、書籍、オーディオ、音楽、ビデオの購入済みコンテンツまたはサブスクリプションコンテンツを提供」する類のもの。具体的には動画や音楽ストリーミングサービス、電子書籍アプリなどが該当すると思われます。

アップルの公式リリースによると、この「アプリ内に自社ウェブサイトへのリンクを含めてもいい」変更は来年初め、(日本だけでなく)世界中のリーダーアプリに適用されるとのことです。

今回のルール変更につき、BloombergはNetflixやSpotifyなどのサービスが対象になると指摘。また同誌の名物記者であるMark Gurman氏は、2022年初めにはNetflixアプリ内に自社サイトに繋がるボタンが追加され、そこでサインアップや支払いができるようになり、アップルによる詮索を大幅に減らす構造的変化になるとの予想を述べています。

つまりApp Storeのアプリ内課金システムを使わず、アップルの最大30%もの手数料を回避できる道が開かれたというわけです。

その一方でアップルは、この変更が2022年初めに適用されるまでに、App Storeのガイドラインと審査プロセスを更新して「リーダーアプリケーションのユーザーがApp Storeで引き続き、安全な体験ができるようにします」と述べています。

それに加えて、App Storeでのアプリ内課金が「ユーザーにとって最も安全で、最も信頼できる決済方法」と以前からの主張を繰り返しつつ、リーダーアプリの開発者が 「購入のためにユーザーを外部ウェブサイトにリンクする場合のユーザーの保護」もサポートしていくとして、詐欺アプリが出ないよう目を光らせることを約束しています。

先週、アップルは集団訴訟でアプリ開発者と和解し「他の決済方法をアプリ外でユーザーに通知してもいい」とポリシーを変更すると約束しました。が、そちらはメールなどで連絡できるにすぎず(通知を受けるかどうかもユーザーが選択)、アプリ内での告知は従来通り許可されていませんでした。

本日発表された「リーダー」アプリに関するポリシー変更は、開発者にとってより大きな勝利と言えます。主に影響を受けるのが、上記でGurman氏が指摘したとおり、SpotifyとNetflixというストリーミング大手の2つでしょう。かつてSpotifyは自社サイトで会員登録すれば3ヶ月の無料視聴ができるキャンペーンを行ったところアップルと衝突し、かたやNetflixはアップルにアプリ内購入の継続を懇願されたことが明らかとなっています

今回の「リーダー」アプリにはゲームが含まれていないため、Epic Gamesとの「フォートナイト」をめぐる法廷闘争に終止符を打つことにはならなさそうです。そちらの行方も、引き続き注視していきたいところです。

Source:Apple