Apple headset
AppleInsider

最近アップルが開発中と噂のAR(拡張現実)ヘッドセットが、まもなく発表されるとの予想が相次いでいます。そんななか、アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏が、「Macと同等のプロセッサを搭載し、iPhoneに依存せず独立して動作する」との予想を述べています。

米9to5Macが見たというKuo氏の投資家向けメモによると、アップル製ARヘッドセットは「Macと同じコンピューティングパワー水準」のプロセッサを搭載し、そのチップ設計が競合他社製品との最も大きな差別化になるとのことです。

さらにKuo氏は「Mac(PC)やiPhone(スマートフォン)に頼らずに独立して動作できる」「特定のアプリケーションではなく、包括的なアプリをサポートしている」とも付け加えています。

Kuo氏いわく、アップルの目標は10年後にiPhoneをARに置き換えることであり、ARヘッドセットはこの計画を達成するための最初のステップとのことです。

さらにKuo氏は、本製品が「2つのプロセッサを搭載して22年第4四半期に発売される」という10月末の予想を再び強調しています。すなわち「上位のプロセッサはMac用のM1と同等の演算能力を持ち、下位のプロセッサはセンサー関連の演算を担当する」とのことです。

なぜ2つのプロセッサが必要なのか。Kuo氏はその理由を「センサーの演算能力がiPhoneよりも格段に高いため」と説明しています。

たとえばARヘッドセットの場合は「ユーザーに連続したビデオシースルー型(完全没入型のヘッドセットで、外部に設置されたカメラで撮影したものをコンピュータが生成した画像と合成して表示する方式)ARサービスを同時に提供するために、少なくとも6〜8個の光学モジュールが必要となる」のに対して、iPhoneは「最大で3つの光学モジュールを同時に動作させる」に過ぎない。そのため、ARヘッドセットではより大きなコンピューティング能力が必要というわけです。

また画面については、ソニーの4Kマイクロ有機ELディスプレイを2枚搭載し、VRもサポートする可能性があると述べられています。アップル製ARヘッドセットにマイクロ有機EL画面が採用される噂はNikkei Asia日刊工業新聞など、複数のメディアが報じていたことです。

続けてKuo氏は「ヘッドセットがMacやiPhoneのアクセサリーとしてのみ位置付けられている場合、製品の成長を助けるものではない」とも述べています。そして「独立動作のARヘッドセットは、独自のエコシステムを持ち、最も完全で柔軟なユーザー体験を提供することを意味します」とのことです。

こうしたKuo氏の予想は、iPhoneに接続して一緒に持ち歩く必要があるとのThe Informationの記事と真っ向から対立しています。The InformationはARヘッドセット搭載のプロセッサを「iPhoneやiPad、MacBook用に作られたものほど強力ではない」とも述べており、そちらもMac相当のプロセッサを採用するとのKuo氏の予想とは相容れません。

外の母艦に依存しない独立動作やエコシステムがなければ、iPhoneに取って代われるわけもありません。かといってARヘッドセット内蔵プロセッサを強力にすれば、排熱の問題もあるほか、製品が重くなって長時間の使用に耐えられない可能性もあります。記事執筆時点では、Kuo氏とThe Information説のどちらに分があるのか判断するには、材料がまだまだ乏しいと言えそうです。

とはいえ、ティム・クックCEOは退任までにARメガネを送り出したいとの噂もあり、アップルが開発を急いでいるのは疑いがないはず。今後のさらなる情報を待ちたいところです。

Source:9to5Mac