アップルAR/VRヘッドセットは当初外部ハブ想定、ジョニー・アイヴが反対して独立型に?(Bloomberg報道)

前代未聞のスペックになる予定だったとのこと

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年06月20日, 午後 01:35 in Apple
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アップルが極秘にAR/VRヘッドセットを開発中との噂は何度も伝えられてきましたが、プロジェクトの途中で製品の方向性が変更された原因や、社内での対立の詳細が報じられています。

米Bloombergは、AR/VRヘッドセット「N301」(開発コード名)の方向性をめぐって元アップルのチーフデザイナーであるジョニー・アイヴ氏と、AR/VR担当チームを率いるマイク・ロックウェル氏の間で意見の対立があったと報じています。

当初N301はウェアラブル製品としては前代未聞のグラフィックスと処理速度を備えた超強力なシステムだったものの、熱を発生するためヘッドセット内部には収められなかったとのこと。そこでロックウェル氏のチームは小型のMacのような固定式ハブとのセットで製品化を計画する一方で、ヘッドセット単体でも低消費電力の独立モードでも動作するようにしていたと述べられています。

しかしアイブ氏は据え置き型のハブが必要になることに難色を示し、デバイス単体で完結する、それほど強力ではないスペックとしてN301を再開発するように推奨。これに対してロックウェル氏は無線ハブさえあれば他社の競合製品すべてが吹き飛ぶほど優れた性能を実現できると主張して反発し、膠着状態は何ヶ月も続いたとのことです。

最終的にはティム・クックCEOが「人々を現実世界と切り離す」技術の推進を望まないアイブ氏に味方し、その結果ヘッドセットは外部ハブと通信せず、以前ほどグラフィック表示能力が優れている可能性も低くなり、ダウンロード速度も遅くなるかもしれないと伝えられています。

当初の意図ほど野心的ではないものの、開発中のN501はかなり高度とのこと。「超解像度のスクリーンを採用し、ユーザーが仮想世界と現実とを区別することがほぼ不可能」なほどであり、「経験をさらに現実的にする」映画のようなスピーカーシステムもあるーーといった試作機を使った人々の感想も報じられています。

そうしたN301のプロトタイプは、小型Oculus Riftのような見かけとのこと。アップルのエンジニアリングチームは理想的なフィット感を実現するために様々な形状でテストしている一方で、まだ価格設定は決まっていないとされています。

さらにヘッドセット独自のApp Storeも検討しており、ゲームやビデオコンテンツのストリーミング機能に注力しながら、バーチャル会議のための超ハイテク通信デバイスとしての用途も想定。Siriによる制御も予定されているが、当面は物理的なリモコンでテストされていると伝えられています。

N301はあくまで進行中のAR/VRプロジェクトの1つに過ぎず、もう1つはメガネ型のARデバイスで開発コード名は「N421」。現在のプロトタイプは「バッテリーとチップを収納する分厚いフレーム」を備えた高価なサングラスに似ており、アップルを退社したアイヴ氏はこちらのコンセプトを好んだとのことです。

そうしたヘッドセット型ARデバイスは2022年発売、メガネ型は2023年ーーとの見方は、2019年末の有料ニュースメディアThe Informationによる報道と一致しています。有名リーカーJon Prosser氏は2021年にアップルARメガネが発表されると主張していましたが、それに対してBloombergのMark Gurman記者(今回の記事を書いた人)が「完全なフィクション」と斬捨てた一幕もありました。

アップルがAR/VRヘッドセット関連の特許を取得したのは2010年代の前半に遡ります(タイトル画像)。そして最近もHMD(ヘッドマウントディスプレイ)でのAR体験にアイトラッキング(視線計測)を導入する特許を申請しており、買収した企業の技術をAR関連製品に応用する動きがうかがわれます。一方でレンズ入れ替えなしに視力補正ができる特許も取得しており、様々な意味で生活を豊かにするアップルARメガネの登場を期待したいところです。

Source:Bloomberg

Via:MacRumors

 
 

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