MacBook

アップルが米中貿易摩擦のリスクを避けるため、iPadとMacBook生産拠点の一部を中国からベトナムに移転するよう大手サプライヤーFoxconnに要請したとの噂が報じられています。

米Reuters報道によると、Foxconnはベトナムのバクザン省にあるiPadとMacBookの組み立てラインを2021年前半に稼働をめざして構築しているとのこと。匿名情報筋は中国から一部生産が移されるとしつつ、「この動きはアップルに求められたもの」「貿易戦争後の生産の多様化(生産拠点の分散)を望んでいる」と語っています。

アップルがサプライチェーンを地域的に多様化しようとする動きは、早い時点から伝えられていたことです。2019年には主要サプライヤーに生産能力の15~30%を中国から東南アジアに移す可能性を検討するよう求めたと報じられ、実際にAirPodsやAirPods Proはすでにベトナムで生産されています

また今年8月、鴻海(Foxconnグループの中核企業)会長は「中国が世界の工場である時代は終わった」と発言していました。その時点でFoxconnの中国国外での製造能力は全体の30%であり、昨年6月の25%から着実に増やされているとも伝えられています。

さて今回の報道につき、Foxconnは「会社の方針として、また、商業的な機密性を考慮して、いかなる顧客やその製品に関しても、当社の業務のいかなる側面についてもコメントはしません」との声明を発表。アップルは(いつものことながら)Reutersのコメント要請に応じていません。

台湾本拠のリサーチ会社TrendForceいわく、これまで全てのiPadは中国で組み立てられており、中国国外で組み立てる動きは初めてとのことです。

さらに米MacRumorsによると、アップルの大手組み立てサプライヤーとしてはFoxconnのほかPegatronやCompal Electronicsも中国への依存を減らして集中リスクを避けるため、ベトナムでの生産を拡大しているとのこと。ベトナムは大手テクノロジー企業の製造および組み立てハブとして台頭しており、すでにサムスンもスマートフォンの半分を現地で製造しているとの事情も伝えられています。

中国での生産リスクとしては米中貿易摩擦のほか、今後の少子化や人件費の高騰なども指摘されていました。今後ますます「世界の工場としての中国」の終わりが加速するのかもしれません。

Source:Reuters