A lithium ion battery of an Apple iPhone 6S is seen at a store in Singapore April 19, 2018.      REUTERS/Thomas White - RC1343242530
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アップルがバッテリーの劣化したiPhoneを意図的に低速化していた件(通称「バッテリーゲート」)につき米国の34州・地区の司法当局と和解し、1億1300万ドル(約117億円)を支払うことに合意したと報じられています。

この問題の始まりは2017年末にアップルが、iOSにバッテリーが劣化した古いiPhoneの処理速度を意図的に遅くする仕組みを導入していたとの指摘を事実だと認めたことです。同社は不意のシャットダウンを防ぎiPhoneへのダメージを防ぐためと釈明しましたが、それをリリースノートでは説明しておらず、大規模な抗議や集団訴訟、司法当局による調査へと発展したしだいです。

司法当局らは、アップルのやり方が最終的に多くのユーザーに「パフォーマンスを上げる唯一の方法は、新型のiPhoneを買うことだけ」と感じさせたと批判。アリゾナ州の司法長官は同社が「潜在的には年間数百万台もの売上を伸ばす」ために「不当かつ欺瞞的な行為や慣行に頼っていた」と述べています。

今回の報告書によると、司法当局はアップルから「財政的なペナルティと法的コミットメントを確保している」とのこと。このうち前者は上記の和解金支払いであり、後者はバッテリー状態と電力管理に関する慣行の公開が義務づけられるというものです。

なお、今回の司法当局との和解は、アップルが集団訴訟に参加した一般ユーザーらに最大5億ドル(約520億円)を支払うことに合意した一件には含まれず、別口で課されるものです。あちらは条件に該当するiPhone1台当たり25ドルを支払い、対象台数によって総額が約3億ドル~5億ドルまで増減するという形でした。

アップルは「バッテリーゲート」発覚直後に謝罪した上でバッテリー交換の大幅値下げを実施しましたが、その直接的な費用もさることながら、新モデルの買い控えを招いたことも示唆されていました

本事件はアップルにとって高く付いてしまったもようですが、iOS 11.3以降にはバッテリー状態が確認できる機能が追加され、昨年のiPhone 11シリーズでは新たな電源管理システムが導入されてバッテリー劣化によるパフォーマンスへの影響を抑えるしくみが内蔵されています。結果的に、iPhoneやiOSの進化に貢献したのかもしれません。

Source:The Washington Post