People wearing face masks walk past an Apple store in Wuhan, in Chinas central Hubei province on May 26, 2020. (Photo by Hector RETAMAL / AFP) (Photo by HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)
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アップルが中国当局からの要求を受けて、「大量の」ゲームアプリを排除しているとの噂が報じられています。

米Wall Street Journal報道によると、アップルは今月、中国の開発者らに「一連の有料ゲームアプリがApp Storeから排除される危険がある」と警告したとのことです。こうした動きは今年初めからあり、2月には開発者らに6月末までに中国政府のライセンスを取得するよう告知し、実際に7月になった時点でライセンス未取得の何千ものゲームにつきアップデートを凍結していました

さらにWSJが入手したメモによると、アップルは開発者に対して「有料またはアプリ内購入のあるゲームについては、12月31日までに政府のライセンスを得ている証明を提出しなければならない」と通告しているとのことです。


中国政府は2016年以降、すべての有料ゲームやアプリ内課金のあるゲームに、アプリストア公開前にライセンスの取得を義務づけています。しかしApp Storeは何年も大目に見られており、開発者は公式のライセンス番号の代わりに乱数を提出するだけでゲームを公開できたとの噂も伝えられていました。そのお目こぼしがついになくなる、というわけです。

では、具体的にどれほど締め付けが強化されたのか。米調査会社Sensor Tower調べによると、2019年に中国App Storeで販売されていたゲームアプリは27万2000本だったのに対して、今年は9万4000本が削除されたとのことです。その規模は2019年に削除された2万5000本をはるかに上回っており、規制強化が加速していることがうかがえます。


またWSJは、中国当局による取り締まりは他のアプリにも及んでおり、現地の旅行サイト大手トリップアドバイザーなどに100以上のアプリを中国App Storeから削除するよう要求したことも伝えています。これは中国がインターネット上の検閲や言論統制を強化する一環である模様です。


アップルは中国当局の要請によりアプリを削除していることを事実だと認めた上で、App Storeは現地法の規制の対象であると説明しています。広報担当者いわく「アップルはそれらの要求を受けるたびに慎重に精査した上で、頻繁に異議を唱えて反対しています」とのことです。

そして「最終的な決定は、時には我々の願いに反して実行されますが、我々は世界クラスのプライバシー保護と自己表現を促進する製品へのアクセスを提供し続けることが、顧客に最良のサービスを提供することになると信じています」と述べています。

つまりアップルが中国から撤退すれば、現地にいる顧客のプライバシー保護などに貢献できなくなる……といったところでしょう。


その一方で、WSJはアップルのゲームアプリ販売が全世界的に伸びているなか、中国では減速の兆しがあることも伝えています。アップルとしても売上の成長が抑え続けられながら、それでも中国政府には逆らえない苦しさがありそうです。

Source:The Wall Street Journal