Privacy
Apple

アップルは「プライバシーは基本的な人権の1つである」ことを信じているとして、4つの主なプライバシーに関する原則や、今春リリース予定のiOS 14.5にて導入されるアプリトラッキング透明性の詳細な解説などを発表しました。

アップルが製品とサービスを設計する上で指針とするプライバシー関連の原則とは、「データの最小化」、「デバイス上での処理」、「透明性の向上とユーザーによるコントロール」および「セキュリティ」の4つです。それぞれ特定のサービスを利用するにあたり必要最小限のデータのみが収集されること、データをサーバーに送信せずに可能な限りデバイス上で処理すること、ユーザー自身が「どのデータが共有され、どのように使われるか」を把握しつつ制御できること、ハードウェアとソフトウェアの連携によりデータを安全に守る、ということです。

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これら4原則はアップルが社是としてきたところですが、今回強調されているのは過去10年間にわたって大きく不透明な業界によって収集される個人情報の量が増加している点です。Webサイトやアプリ、SNS企業やデータブローカーなどの複雑なエコシステムがオンラインとオフラインを問わずユーザーを追跡して個人情報を収集しており、それら業界はリアルタイムのオークションを通じて年間総価値2270億ドルもの利益を得ているとのことです。

そこでアップルが、ユーザーのプライバシーを守るため「次のレベルの取り組み」としているのが、アプリトラッキング透明性とApp Storeに追加されたプライバシー情報セクションの2つです。このうち後者はアプリが収集している個人情報の表示を義務づけるもので、先日も一部の企業が注目を集めていました

そちらはアプリ開発企業の対応を待つかっこうですが、アップルがiOS 14.5、iPadOS 14.5およびtvOS 14.5のシステムに組み込むと予告しているのが「アプリに対してトラッキングの透明性を求める」機能です。

これはアプリが他社の所有するアプリやWebサイトをまたいでユーザーの行動を追跡する場合、ユーザーの明示的な許可を義務づけるものです。ユーザーはどのアプリが追跡の許可を求めているかを「設定」でチェックでき、自ら適切な設定に変更できます。また、すでにアップルが、無断でユーザーを追跡するアプリのアップデートを却下し始めている動きも報じられていました

どこにでもいる人々がどれほど世界中の様々な企業に追跡されて個人情報を集められ、プロフィールを作成・更新されているかを、アップルは7歳の娘と一日を過ごす父・ジョンを例に取り「あなたのデータの一日」というデジタルブックとして可視化しています。

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まず車を運転中にスマートフォン上で4つのアプリが2人の位置情報を定期的に収集し、娘がタブレットでアプリを開けば個人情報を元にしたキックボード広告が表示され、2人が公園でセルフィーを撮ればデバイス上にあるすべての写真とそれらに添付されたメタデータにアクセスし、しかも広告識別子を使ってジョンのオンラインでの行動を他のアプリから収集したデータバンクに関連付け……といった具合です。

アップルは4月初め、総務省にiPhoneでの長年にわたるプライバシー保護策への取り組みを力説していました。上記デジタルブックの冒頭では下記のようにアップル共同創業者スティーブ・ジョブズ氏の言葉も引用されていますが、本発言は11年前のもの。当時は現在ほどネット広告産業は巨大ではありませんでしたが、ジョブズ氏の先見性に基づき、アップルは他社に先がけてプライバシー保護に動き出していたのかもしれません。

「人々は賢いと信じています。中には、ほかの人たちよりも多くのデータを共有したがる人もいるでしょう。だから 彼らに聞くべきなんです。毎回、聞くべきです。聞かれるのが嫌になるまで聞くべきです。そして彼らのデータで 自分たちが何をしようとしているのか、正確に説明すべきです」

Source:Apple