AppleToo
SOPA Images via Getty Images

米ハイテク大手では従業員の間で男女に賃金格差があるとして、たとえばGoogleに対して集団訴訟が提起されたことがありました。そしてアップルでも従業員らが約2000人を対象として内部調査が行われ、アンケートに答えた男性と女性の間に6%の賃金格差があることが判明。さらには社内のあらゆる従業員から公平性や多様性についての証言を集めるためのWebサイト「#AppleToo」が公開されました。

アップルのエンジニアであるシェール・スカーレット(Cher Scarlett)氏は、調査結果をTwitterとThe Vergeに公表しました。これはアップルが今月初め、これ以上は給与の公平性や多様性に関する社内調査を禁じたと報じられた後に行われたかっこうです。スカーレット氏ら少数グループは、今年の後半にアップル本社にデータを伝えるとのことです。

スカーレット氏いわく「過去にペイ・エクイティ(同一価値労働同一賃金)が問題になり、アップルがそれを解決すべく行動を起こしたことは知っています。が、社内の特定の分野で格差が確認されており、それが今年も起こらないようにアップルが何をするかを知りたいので、再びこの議論をしています」とのことです。

またスカーレット氏はThe Vergeに対し、この調査の目的は決定的な結論を出すことではなく、アップルの給与の公平性に関して「第三者の調査、または私たちが踏み込んだ監査を行うこと」だと述べています。

今回の調査結果は、約1400ものエンジニアの役職が網羅されているものです。それによれば、中間レベルの技術職に就いている男性の給与の中央値(データを小さい順に並べたときの中央にある値)は、女性よりも6.25%高いとのこと。また白人社員の中央値は白人以外よりも5.06%高く、新入社員および中堅技術職の非白人社員は、株式付与(ストックオプション。現金で支払う給与の他に、インセンティブとして株式を与える制度)数の中央値が白人労働者よりも11%劣っているそうです。

また上位エンジニアの場合は傾向が一部逆転しており、たとえば主任技術職の女性の給与の中央値は、アンケートに答えた男性よりも1.2%高い結果となっています。が、スカーレット氏は、こうした地位の高い役職に就いている男性は、幹部を除いては社内で最も高い報酬を得ているため、調査に回答する可能性が低いと指摘し、額面通りに受け取れないと示唆しています。

The Vergeからの問い合わせに対して、アップルの広報担当者は「アップルは、ペイ・エクイティに対して確固たる、そして長年にわたるコミットメントを持っています」として、性別や人種、民族にかかわりなく「同等の経験と実績を持って同様の仕事に従事した場合、同じ報酬を得ています」と回答。さらに「毎年、従業員らの報酬を調査し、給与の公平性が保たれていることを確認しています」とのことです。

その一方で、上記の「#AppleToo」サイトには、アップル社内で長年にわたり性別や人種などにより差別が続いており、上層部と交渉を重ねたものの何も変わらなかったとの証言が寄せられているとのこと(読むためには#AppleToo主催者から知らされる秘密のパスワードが必要)。今後の展開を見守りたいところです。

Source:The Verge,#AppleToo