いよいよ日本時間の9月15日午前2時、今年年末に向けたAppleの主力製品であるiPhoneが発表されます。実際にApple本社に取材していた頃は、世界中から集まるプレスに対し、ハンズオンでお試しできる場所が用意されていましたが、今はオンライン。全ての人が同じように発表会を楽しめるようになりました。

発表会そのものもライブ開催から収録になり、編集済みで届けられるため時間も短くコンパクトに情報がまとめられています。ただし、Appleの発表会はリアル開催時でも同じだったのですが"全てが詰め込まれていない"点には注意が必要です。

伝えたいことのフォーカスがブレないよう情報量をあえて抑えていたり、改良されているのに改良していると発表会では話さなかったりすることが多くあります。そうした意味では、発表後の公式サイト情報の更新、我々プレスにとっては発表後のAppleへの取材、実機での確認が重要になってくると言えます。

つまり、全ての機能や改良点が見通せるようになるまでに1日以上かかりますし、全貌が明らかになるのは発売直前に設定されることが多い実機レビューの解禁日以降です。日本時間では深夜の発表会に参加される読者は、ゆったりとした気持ちで楽しむと良いと思います。

WWDCでは明かされていない部分がどこまであるか?

多くの読者はiPhone 13とiPhone 13 Pro(名称がiPhone 13になるかどうか現時点では不明)がどうなるのかに最も大きな興味を持っていると思います。

もうまもなく発表されるのですから、ここでどのような製品になるかを予測することにあまり大きな意味はないでしょう。

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ただ注目すべき点はいくつか挙げられます。

まずは新iPhoneに搭載されるApple製のSoCがおそらくA15 Bionicという名称になり、新SoCでどのような進化を見せるかです。

A15 BionicはiPhone向けを起点とし、その基本的な設計をMac向けにアレンジすることでApple M2などにバリエーションが広がると考えられます。iPhone 12向けのA14 Bionicは命令セットこそARMではあるものの、コアの設計は独自。パソコンでの利用も考慮してか、一般的なARM命令セットを採用するSoCに比べてビッグコアの処理能力がかなり高いのが特徴です。

A15 Bionicは台湾TSMCの新しい5ナノメートルプロセスで生産されるとみられます。これはA14 Bionicの5ナノメートルプロセスに比べ、動作速度で5%、消費電力が10%改善されるとアナウンスされていますが、設計そのものが変化しているため、Appleがこの変化をどう使いこなしているかまではわかりません。

例えば消費電力の低下や素子の動作速度の向上をクロック周波数上昇に使っているのか、それとも搭載する回路を増やす、あるいは複雑化させることに使っているのか、それはApple自身のさじ加減によるものだからです。

ただ、昨年から今年にかけて、本体デザインの変化がほとんどないだろうと予想されることに加え、バッテリー持続時間も従来通りのスペックを狙うのだろうとは、誰もがなんとなく予想できるところでしょう。

来年になれば、さら細かい4ナノメートル、あるいはタイミングによっては3ナノメートルといった、よりトランジスタ密度の高いプロセスで設計できると考えられますが、その前にどこまで手を入れるかが注目点ですね。

単に高速になるというのではなく、例えばニューラルネットワーク処理を行うためのNeural EngineやMLアクセラレータの改良をどのように使うのか? など、6月に開催されたWWDCでは明かされていないiOS側の改良と組み合わせて、新しいiPhoneの魅力を高めてくるでしょう。

発表会では今年もカメラ機能、性能(というよりも表現力)をアピールするのでは? と考えていますが、マイクやスピーカーなどの改良、あるいは動画撮影時のHDRトーンマップの最適化など感性に響く部分での改良の裏に、SoCの改良がセットで存在する、なんて感じじゃないでしょうか。

そのように考えていくと、SoC、OS、端末をセットで開発しているApple製品の特徴が理解しやすいと思います。

 iPhone 13以外のラインナップは?

Apple Watch series 7もこのタイミングで発表されると予想されています。Appleは製品発表を"混ぜない"会社です。例えばMacやiPadをiPhoneと一緒に発表することは基本しません。話題の焦点をブラさないためです。

しかしApple WatchやAirPodsファミリーは、基本的にiPhoneのコンパニオンデバイスです。AirPodsは単独でも動作しなくはないですが、ファームウェアのアップデートにはiPhoneが必要ですからね。なので、これらの製品は一緒に発売される可能性が高いわけです。

Apple Watch series 7に関しては生産の遅れなどから発表が微妙という噂もありましたが、おそらく発表そのものは行うのではないでしょうか。Apple WatchはiPhoneがないと成立しない製品であるため(あるいは今回、単独のコンピュータとして独立するかもしれませんが)、このタイミングは逃さないと思います。

もし発表がないとするならば、ケースも含めた全体のデザイン見直しが入るかもしれません。というのも、Apple Watch series 6のSoCはパッケージの進化でメモリなどの増量が行われてはいるものの、CPUそのものは同じものが使われているからです。つまり、そろそろSoCが刷新されてもいい時期なんですよ。となれば大きなモデルチェンジとなり、今回のイベントではアナウンスされないという可能性も出てきます。まぁ、いずれにしろ今晩わかるのですが。

AirPodsとAirPods Proに関しては、モデルサイクルからすれば更新されてもおかしくはないですね。昨年末、AirPods Maxが発表されましたが、この中にはH1チップが2個入っていました。このH1を改良したチップを開発し、機能、音質、ノイズキャンセリング性能など改善し、従来製品と同じデザインの中に封入するというのはありそうな話ですね。

さて、そうこうしているうちに、あと数時間で発表会。iPhoneに関しては、実際の発売までには少し時間があるはずですから、買う気満々の方もポチり競争について心配することはありません。どんな仕掛けが用意されているのか。そもそも仕掛けなんて存在しないのか。

予想が当たらなくても怒らないでくださいね。

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