Apple Glasses
SensoMotoric Instruments

アップルは指紋認証のTouch IDや顔認証のFace IDなど生体認証をいち早く採用した先がけですが、新たに「メガネ」と「手首」で自社製品をロック解除する特許を出願していることが明らかとなりました。

ひとつは「認証されたデバイス支援ユーザ認証」なる特許。2019年4月にUSPTO(米特許商標庁)に出願され、12日に承認されています。本特許は複数のデバイスを同時に使っている場合、1つずつロックを解除しなければならないことでユーザー体験の品質が低下する可能性がある。つまり、アップル製品1つごとに認証が求められることが面倒だと認めています。

特許文書ではアップルARメガネやApple Glassesという用語は使われていませんが、「ヘッドマウントデバイスとしてユーザーが着用する認証されたデバイス」と記載されていることからHMDないしメガネ型デバイスを想定しているのは明白です。

特許の例に漏れず難解な記述がされていますが、要するにApple Watchと同じく認証された(ユーザーがロック解除済みの)機器を装着して一定の距離に近づけば、デバイスのロックが解除される仕組みが説明されています。

ほか文書では「近づけば自動的」だけではなく、ユーザーが何らかの操作をしたときだけロック解除したい場合も想定済み。たとえば「空間的な向き」(デバイスの向きを変えるなど)、音声コマンドやボディないしアイジェスチャー、または「モーションジェスチャー」(おそらくデバイスに向かって歩く)などの選択肢が挙げられています。

もう1つの特許は、Apple Watchのバンドを巻く手首で生体認証する、いわばWrist(手首) IDといえるものです。こちらは指紋センサーや顔認証用カメラを内蔵するには小さすぎ、いまだにPINを入力するほかないスマートウオッチ(紐付けたiPhoneをロック解除すれば認証されますが)を便利にしようとする方向性です。

「ライトフィールドカメラを備えたウェアラブル電子機器」というタイトルの特許は、下面(手首側)にライトプロジェクターとセンサーを備えた、見かけはApple Watchそのままのウェアラブル機器を説明しています。ライトプロジェクターは手首の狭い領域を照らし、血管のレイアウトや手首内の毛細血管または骨の形状、毛穴や皮膚の色素沈着パターンなどをセンサーで捉える可能性があるとのこと。

Wrist ID
USPTO/Apple

これを傾斜センサーが補助し、時計が装着された角度を検出して画像を補正するようソフトウェアに指示を出します。全体的に見れば、iPhoneのFace IDがドットプロジェクタで多数のドットを顔面に投射、それを赤外線カメラで撮影して保存された生体データと比較する原理と似ているといえます。

アップル製品はプライバシー保護を強固にしている反面でユーザーにロック解除の負担を掛けている傾向がありますが、アップルとしては認証機構を緩めて妥協するのではなく、逆に生体認証を強固かつスピーディーにして(手首は本人には当たり前に付いていますが他人が持ち運んだりコピーは難しいはず)1つをロック解除できれば他の機器もシームレスに解除されるアプローチを目指しているのかもしれません。

Source:USPTO,USPTO.report

Via:9to5Mac,TheNextWeb