▲手にしっかり収まるiPhone 12 mini

11月13日に、「iPhone 12 mini」と「iPhone 12 Pro Max」が発売を迎えます。今年はど真ん中の2機種にあたる「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」が先に発売され、“大”と“小”の2つが3週間遅れになる、異例の販売スケジュール。特に、iPhone 12 miniは初のコンパクトモデルとあって、注目していた方は多いかもしれません。そんなiPhone 12 miniを、発売に先立って試用することができました。

あまりに当たり前すぎて、書くのが少々はばかられてしまいますが、やはり手に取ったときの第一印象は、「小さっ!」でした。「小さい」ではないところのニュアンスをくみ取っていただければ幸いです。そのぐらい、持ったときのインパクトは大きかったということです。軽さも相まって、持ったときの扱いやすさが印象に残ります。

筆者は比較的、手が大きい方なので、iPhone 12や12 Proでも十分、握ることができますが、iPhone 12 miniの場合、握ったまま対角線上の左上を親指でタッチでき、そのまま通知センターを引き出せます。もう1段階大きいiPhone 12や12 Proだと、これは無理。少し持ち方を変えれば、ノッチ部分には親指が届き、通知センターを表示させることは可能ですが、iPhone 12 miniはその必要がありません。筆者にとっては、安定した状態で、片手持ちのまま、画面上部を触れられるサイズ感と言えそうです。

▲画面上部に指が届きやすく、通知センターも楽々出せる

収納のしやすさも、iPhone 12 miniならでは。例えば、シャツのポケットにもスッキリと収まり、上部がはみ出ることがありませんでした。iPhone 12 Pro Maxはもちろん、iPhone 12やiPhone 12 Proでも、ポコッと頭が顔を出してしまいます。軽いため、薄手のシャツのポケットでも、引っ張られている感じがなく、持ち運びやすい端末と言えそうです。

▲シャツのポケットにもスッキリと収まった

こんなに小さいと、本当にiPhone 12と性能が同じなのか、少しばかり不安になってきますが、本機のチップセットは「A14 Bionic」で、メインの広角カメラはF値1.6と明るくなっています。「スマートHDR3」もしっかり効くため、明暗差の大きな場所でもキレイな写真を撮影できます。色味も、iPhone 12シリーズと同じ傾向で、割とコッテリ目に出ます。

▲カメラ性能はiPhone 12と同じ。色は比較的派手に出る印象がある。夜景もナイトモードでキレイに撮れる

改めて強調する必要はないかもしれませんが、動画撮影もDolby VisionによるHDRに対応。HDRの動画を再生した際に、ディスプレイが輝度がグイッと持ち上がる機能にも対応しているため、コンパクトながら、美しい映像を楽しめます。本体が小さいため、片手でギュッと握って気軽に撮影できるのはiPhone 12 miniならでは。片手で握って固定していても手が疲れにくいため、プルプルと震えてブレてしまうということも少なくなりそうです。

▲Dolby VisionでのHDR動画撮影も可能だ

こうしたカメラ性能を担保しているのが、A14 Bionicですが、これについても他のiPhone 12シリーズと同じです。ベンチマークのスコアを見てもそうで、他の機種との差は測定時の誤差の範囲に収まっています。小さいからミドルレンジモデルと思われがちですが、いわゆるハイエンドコンパクトに仕上がっていると言えるでしょう。

▲Geekbench 5でのスコア。iPhone 12とほぼ同レベル

逆に、サイズゆえに文字は小さめ。加齢を重ねて徐々に視力が衰えている筆者の場合、標準だと文字が小さすぎる印象があります。特に、アプリアイコンの下の文字ぐらいになってしまうと、シンドイですね……。そのため、視力に自信がない方は、拡大表示設定で使うことをお勧めします。文字の細さも視認性を下げる要因の1つなので、「画面表示と明るさ」で「文字を太くする」をオンにしておいてもいいかもしれません。

▲拡大表示や文字を太くした方が見やすくなる

ただし、拡大表示だと、1画面あたりの情報量は当然ながら減ってしまい、そのぶんスクロールをさせる回数は多くなります。スクロール操作自体は快適にできるサイズ感ですが、一覧性が落ちてしまうのは難点。どちらを取るかは人によって異なると思いますが、この点を考えると、視力の高い若いユーザーにおすすめできる端末と言えそうです。当然ながら、サイズゆえのトレードオフはあるわけで、我慢できなければiPhone 12や12 Proという選択肢を検討してもいいでしょう。

▲拡大表示にすると、1画面当たりの情報量が減ってしまうのが難点。下は標準の場合

画面表示のサイズが小さいことは、メリットにもつながります。文字入力時に、片手でスムーズに操作しやすくなるからです。普段、使っているiPhone 12 Proでは、キーボードを右寄せにしていますが、iPhone 12 miniではその必要がありませんでした。

▲キーボードも幅寄せ不要で入力できた

日本で小型端末が根強い人気なのは、文字入力に関係があると考えられています。両手で持ってガシガシとQWERTYキーで入力するBlackBerryからタッチパネル式のスマートフォンに移行した欧米とは異なり、日本では片手持ちのフィーチャーフォンでの10キー入力が主流でした。iPhoneも、それを踏襲しつつ、タッチパネルに最適化したフリック入力を発明したわけです。

同じiPhoneでも、そこに至る道筋が海外とは違っていたと言えるでしょう。結果として、ハイエンド端末=大画面の図式が成立してきた海外とは違って、ハイエンド端末でも、片手操作、片手入力のしやすさが重視されてきました。iPhone 12 miniのサイズ感は、そんな日本市場のニーズにも、しっかりこたえることができそうです。


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